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第86話 ラブソング

 食事が終わると、突然籐也さんは、

「ちょっと待ってて」

と言って、2階に行った。そして、アコースティックギターを持って現れた。


「うそ!歌ってくれるとか?!」

 碧が目を輝かせながらそう叫んだ。

「2番は聖さんが歌うけどね」

「え?父さんが!?」


 あ。碧、がっかりするどころか、嬉しそうだ。

「結婚式の2次会のDVD、碧、見たんだよね?あれ、歌うからさ」

 そう籐也さんが言うと、

「嬉しい」

とママが喜び、

「なんだか恥ずかしい」

と花お姉ちゃんは照れた。


 なんで?

「花ちゃんのことを思って作ったバラードだもんね」

 ママがそう言うと、花お姉ちゃんは赤くなった。


 え?そうなんだ!すごい!花お姉ちゃんのことを思って作ったラブソングなんだ。

 きゃ~~。なんだか、私までドキドキしちゃう。

 だけど、私だけでなく、千鶴も黒谷さんも目をうっとりとさせている。


 そして、籐也さんは、アコースティックギターを弾きはじめ、静かに歌いだした。

「うわあ」

 小声でそう呟いたのは黒谷さんだ。目には涙まで浮かべている。


「……」

 そんな黒谷さんを、碧がじいっとまた見ている。でも、黒谷さんは籐也さんをうっとりと見ていて、碧に見られていることも気づかないでいる。


 さびの部分では、花お姉ちゃんが真っ赤になった。詩を聞いていると、本当に花お姉ちゃんのために作ったというのがよくわかる。


 なんて、素敵な歌声だろう。ちょっとハスキー。そしてセクシー。


 パパが籐也さんの隣に座った。パパは、何やら紙を持っている。あ、歌詞でも書いてあるみたいだ。そして、2番になり、パパが歌いだした。

 わあ。パパの声は籐也さんと違って、透き通っている。

 ママを見た。やっぱり、目がハートだ。ううん、千鶴も黒谷さんもだ。

 

 私もうっとりだ。パパって、実はめちゃくちゃ歌がうまいかもしれない。

 そして、さびの部分。そこはパパも歌詞を覚えているのか、手元にある紙も見ないで、なぜかママだけを見て歌いだした。


 きゃあ。見ててもいいのかな。こっちが恥ずかしくなる。碧を見ても、なんだか照れくさそうにしている。

 ママはというと、もううっとりとパパを見つめ、顔を赤くしている。両手は胸の前で組んでいるし…。恋する乙女になっちゃってるよ。


 歌が終わり、

「すげえ!」

と碧が叫び、他のみんなもいっせいに拍手をした。


「籐也君も聖も最高だ」

 爽太パパがそう言うと、春香さんも、

「素敵だった!」

と喜び、くるみママも思い切り拍手をしていた。


 鉄でさえ感動して、顔を赤くして興奮し、小河さんと千鶴は目を輝かせ、それからお互い見つめ合い、何かを語り合っている。

 黒谷さんはまた涙目だ。


 そしてママと花お姉ちゃんは、まだ頬を赤くさせ、うっとりと自分の旦那さんを見ていた。


「はあ…」

 甘い溜息が2人から漏れているのが聞こえた。娘の私ですら「はあ」と溜息をもらしてしまった。


「すごいね、やっぱり聖さんにはかなわないや」

 いつの間にか私の隣に空君がいて、そう呟いた。


 私は空君と腕を組んだ。

「あんな素敵な歌声を聞けるのって、贅沢だよね」

「うん」

「2人とも、自分の愛してる人を思って歌ったんだよね」


「ああ、うん」

「なんだか、こっちが照れちゃう。私だったら、ママみたいにうっとりと見てられないな」

「え?」

「恥ずかしくて。私だったら、2人きりでいる時に、言ってくれた方がいいかも」


「……何を?ああいう言葉?」

「え?ううん。愛の告白」

「…そ、それは、俺には無理かも」


 空君が隣で思い切り動揺した。

「え?」

「あんなの、とてもじゃないけど言えない」

「私だって、あんなすごい言葉言われたら、恥ずかしいから、言わないでもいいよ?」


「でも凪、今、愛の告白って…」

「……うん。そうだな。空君だったらね」

 私は空君と二人きりでいるところを想像した。空君はシャイだから、そんなにすごい告白はできないだろうし、恥ずかしいことは言えないだろう。


「えっとね。えっと」

 空君を見た。耳、真っ赤だ。可愛い!それに、何を私が言うんだろうって、ちょっとドキドキしているみたい。

 ギュ。空君の腕にもっとしがみついた。


「凪?」

「なんにも言わなくてもいい」

「え?」

「空君が照れくさそうにしている顏、それだけで、私は十分だから」


 かあ!

 空君の顔がもっと赤くなった。

「可愛い!空君」

 べったり空君にひっつくと、

「な、凪、引っ付きすぎ」

と、空君は思い切り照れた。


 私は一回離れた。でも、やっぱり空君の腕にだけは引っ付いていた。


 4時。パーティは終了。ママと花お姉ちゃんが疲れるだろうからと、2人はおじいちゃん、おばあちゃんとリビングに行った。


 でも、籐也さんはお店に残っていたから、小河さんと碧が籐也さんに質問攻めをして、なかなか籐也さんを離してあげなかった。

 千鶴と黒谷さんは、うっとりと籐也さんを見ているだけ。


 私は春香さんやくるみママ、そして空君と後片付けを始めた。爽太パパとパパも、さっさとテーブルを移動させたり、椅子を並べ替えたりして、お店のホールを片づけ終えると、

「さてと。そろそろみんな、籐也のこと離してあげてくんない?籐也も愛しの奥さんのもとに行きたいだろうし」

なんて、パパは言い出した。


「え?あ、すみません。じゃあ、千鶴ちゃん、帰ろうか?黒谷さんも車だから送って行くよ」

 小河さんがそう言った。でも、

「私、バスで帰れるので大丈夫です」

と、黒谷さんは断った。


「遠慮しなくてもいいけど?」

 小河さんがそう言っても、黒谷さんは、

「いえ。大丈夫です」

と言い張っている。


「そう?それじゃ、俺ら帰ります。籐也さんに会えて、すげえ嬉しかったです」

「私も!凪、サプライズありがとうね」

 千鶴はそう言うと、小河さんと腕を組み、お店を出て行った。


「バスで帰るの?黒谷さん。一人でバス乗って、幽霊見ちゃったらどうすんの?」

 今日はやけに静かだった鉄がそう聞いた。

「だ、大丈夫。それに、バスでも車でも、見える時は見えちゃうから一緒だし」

「もしかして、来るときは小河さんの車だったんでしょ?そんとき幽霊見ちゃった?」


 空君が、黒谷さんにそう聞くと、黒谷さんはコクリと頷いた。

「ああ、それで頑なに小河さんの車に乗らなかったの?」

「そう言うわけじゃ…」

 黒谷さんは、視線を碧に向けた。碧は、テーブルにまだ残っていたつまみの残りを食べていた。


「食い意地張ってるなあ、碧は」

「なんだよ、凪。凪はバクバク食べていたからいいけど、俺はあんまり食べれなかったんだよ。興奮してて」

「嘘だ。バクバク碧だって食べてたよ」

 私がそう言っても、まだしつこく碧は食べている。


 そして、

「黒谷先輩、家、どこなんですか?」

と唐突に聞いた。

「わ、私?私は、○○駅から歩いて5分のところ」

「なんだ。けっこう遠いな。自転車で送って行こうと思ったけど、無理そう…」


「まさか、二人乗りで?碧、駄目だよ、そういうのは」

「……じゃ、バスで帰る?本数少ないから、次は何分のがあるのかわかんないよ」

 碧はそう言うと、キッチンの中に入って行って、

「春香さん!コーラちょうだい」

と図々しいことを言っている。


「……」

 あ。黒谷さん、黙っちゃった。碧がキッチンに行っちゃったからかなあ。

「文江ちゃんだっけ?車で送って行くよ。ただ、ちょっと待ってもらってもいい?店の片づけ終わったら、夕飯の買い出しに行くんだ。その時送って行くよ」

 パパが、テーブルの上にあったものを片づけながら、そう黒谷さんに言った。


「え?!いえ。いいです。悪いですから」

「悪いも何も、どっちみち駅の方には車出すからさ。ついでだよ、ついで。あ、時間は大丈夫かな?」

「はい。まだ、大丈夫ですけど…」

 黒谷さんはそう言うと、顔を赤くした。


「碧~~。どうだった?聖さんの歌は」

 まだ、ホールにいた籐也さんがキッチンにいる碧に聞いた。碧はキッチンからグラスを持ってすっ飛んできて、

「すごかった」

と、興奮気味にそう言った。


「だろ?聖さん、すげえだろ?」

「うん。でも、籐也さんのアコギも、すごかったっす。いつも、ボーカルだけで、ギター弾かないのに、すげえ!」

「ああ。バラード曲しか弾けないよ。でも、たまにライブでもバラードは弾くことがあるんだ」


「え~~。知らなかった!やっぱり、ウィステリアのライブ行きたい!引っ越してきてから、一回も行ってないし」

「そうか。じゃあ、来年は静岡で、でかいライブでもしようかな」

「うそ、まじで?絶対に行く!!!」


 碧の目が輝いた。

「黒谷先輩も行くよね!?」

「い、行きたいです」

 黒谷さん、真っ赤だ。でも嬉しそう。


「なに?先輩のほうが敬語なの?」

 籐也さんはそう笑いながら聞いた。

「あ、そうなんすよ。黒谷先輩、俺に敬語使うんだもん。俺の方が年下なのに。変でしょ?」

 碧がそう言うと、ますます黒谷さんは顔を赤くした。


「面白いねえ。ほんと、すぐに真っ赤になっちゃうんだなあ」

 くすくす。籐也さんは笑っている。


「凪、空。キッチンの片づけ手伝って」

 キッチンからパパが呼んだ。私と空君はキッチンに入って行った。

「じゃ、俺はもう帰るから。榎本先輩、また!」

 鉄がそう言って、一人寂しくお店を出て行った。

 やけに今日は静かだったな。もしかして、パパにガツンと言われたからかしら。


「それじゃ俺は、愛しの奥さんのところに行くから。じゃあね、文江ちゃん。ライブ、碧と来てね」

 籐也さんはにっこりと微笑みながらそう言うと、お店からリビングのほうに行ってしまった。


 愛しの奥さんって…。よく自分で言えちゃうよな。恥ずかしくないのかしら…。


 そうして…、ホールには今、碧と黒谷さんだけがいる。

 私はちょっと耳を澄ませてしまった。


「黒谷先輩、ウィステリアのCD全部持ってるの?」

 碧が聞いた。でも、黒谷さんの声は小さくて、まったく聞こえてこない。

「へえ。すげえ。じゃあさ、どの曲が好き?」

 また、碧の声だけがした。一応、黒谷さんは返事をしているようだ。


「文江ちゃんだっけ?大人しいのね」

 春香さんが私にそう小声で言ってきた。

「あ、うん。でも、今日はけっこう話している方かも。ね?空君」


「そうだな~。クラスではほとんど誰とも話さないし、今日は比較的明るいね」

「え?そうなの?いつも、そんなにしゃべんないの?」

 春香さんはちょっと驚いている。


「黒谷さんには、碧みたいなベラベラ話して、 やたら明るい、能天気なやつがいいかもね。一緒にいたら、明るさがうつりそうじゃない?」

 空君、何気に酷いことを言っているような。


「能天気は悪いでしょ?でも、パパに似たら能天気にもなるかな?ね、聖」

「え?何?それより、さっさと空、皿を洗えよ。凪はそれを拭いてってくれる?」

 パパ、さっきから話を聞いてないな。興味ないのかな、もしかして。


「あれ?そういえば、くるみママと爽太パパは?」

「リビングだよ。母さんも疲れているだろうし、そんなに働かせられないからさ」

 さすが。パパってお母さん思いなんだな。


「空。お前も、そろそろ春香さんを休ませてあげたら?朝からずっと春香さん、動きっぱなしだよ」

「あ、そ、そうか。母さんも休んでいいよ。あとは俺と凪がするから」


「そう?じゃあ、お言葉に甘えて。でも、これ以上リビングに人が行ったら、ギュウギュウづめかも」

 笑いながら、春香さんはエプロンをとると、

「凪ちゃん、聖、あとはよろしくね。空もね!」

と言って、ホールを抜け、リビングのほうに行った。


「お前ら二人きりにしてあげられなくて悪いな。でも、2人じゃ、この片付け、終わんないだろ?」

「聖さん。別に2人きりになりたいって思ってないすから」

 空君が、頬をぴくぴくさせてそう言った。


「あ、そう?じゃあ、今日はずっと邪魔してやろう。凪、買い出しは凪も付き合ってね。あと碧も荷物持ちに連れて行こう。空じゃなくて」

 パパが意地悪なことを言った。だけど、

「あ、はい。どうぞ、碧と行ってください。そのほうが、黒谷さんが安心するだろうし」

と、空君はそんなことを言いだした。


「え?なんで?」

 やっとパパが、興味を示したのか聞いてきた。

「黒谷さん、碧がいると、ほっとするみたいですよ。あの能天気さに」


「へえ。じゃ、本当に文江ちゃんは碧に気があるんだ。ってことだろ?空」

「…ああ、まあ。そうかもしれない。でも、そうじゃなくても、安心はすると思う」


 碧とパパがいたら怖いもん無し、じゃなかった。幽霊も近づかないで、黒谷さん、安心だもんね。

「へえ、そうか。じゃ、凪はいいや。俺と碧だけで、買い出しは行く」

「え?なんで?パパ」


「だって、そうしたら、後部座席に2人で乗ってもらえるし。凪がいたら、碧は絶対に助手席だろ?」

「それ、黒谷さんと碧を引っ付けようとしてるの?パパ」

「う~~~ん。碧、今の彼女、駄目そうだしな。それも、かなりショック受けてて、気分落ちてるし」


「え?だからって、黒谷さんと引っ付けちゃうの?パパ」

「………。凪って、けっこう鈍い?」

「え?」

 パパにそう言われてしまった。なんのこと?


「碧、すげえ文江ちゃんのこと、気にしてるみたいじゃん」

「……」

 パパ、けっこうするどい。まったく興味を示していないと思ったら、ちゃんと見ていたんだ。


「で、くっつけようとしてるの?パパ」

 私は声を潜め、そうパパに聞いた。

「え?駄目?」

「………」

 う~~ん。わかんない。黒谷さんを応援してあげたい気もするけど、どうなのかなあ。


「いいんじゃない?凪。なんだか、黒谷さん、碧といると嬉しそうだし、幸せそうだし。あれ、いい傾向だと思うけどな」

 空君までがそう言いだした。


「気持ちが明るくなると、変な霊も見えなくなってくると思うよ。ここだけの話、黒谷さん、俺より霊見えやすいし、それも、ちょっとやばい感じの霊も見えてるしさ。あれって、エネルギーと言うか、波動と言うか、それが合っちゃうからなんだよね。黒谷さんが明るくなったら、そういう霊も引き合わなくなると思うし、少し碧くらいの明るい元気な波動、もらうといいと思うよ」


「そういうのあるんだ。へえ。空はそういうこと詳しいんだな」

 パパが感心してそう聞いた。

「いえ。詳しいっていうか、俺もいろいろと見えていたから。あ、今も見える時あるけど」


「幽霊を?俺は見たことないなあ」

「聖さんも碧と一緒で、エネルギー高いっていうか、強いから。霊なんか寄ってこないですよ」

「ふうん。じゃ、碧といたら、文江ちゃんも幽霊見ないで済むんだ。それ、いいじゃん」


 パパ、なんて単純と言うか、お気楽。

「そうなんですよね。きっと、黒谷さん、碧といたらいろいろ影響受けて、いい方向に向くと思うんだけどな。俺も碧といると楽だし」

「へえ。碧の存在もたいしたもんだね。だけど、空は凪の隣がいいんじゃないの?」

「え?」


 空君がかたまった。

「凪、俺が買い出しに行ってる間に、空を襲うなよ」

「お、襲わないよ」

「本当か~~?見てたら、お前のほうがいっつも、空にひっついたり、腕組みに行ったりしているもんな。空はシャイなんだから、少しは凪、控えめにしないと駄目だろ」


 な、なぜ、私が怒られるの。ああ、隣で空君、真っ赤だし。

「わかったよ。あんまり近づかないように、心がける」

 けど、またギュって抱きしめちゃうかもしれないけど。それは黙っておこうっと。


「よっしゃ。片づけも終わったし、文江ちゃん、車で送って行くよ。碧も買い出しに付き合え。荷物持ちだ」

 パパがそう言いながら、ホールのほうに行った。私と空君も、そのあとに続いた。


「え?碧君も?」

 黒谷さん、また赤くなった。

「俺も~~?たるいなあ」

「いいだろ?凪じゃ、重いもの持てないんだし」


「しょうがねえなあ」

 碧はブツブツ言いながら、パパと一緒にお店を出た。

「榎本先輩、空君、それじゃあ…また」

「うん。気を付けて」


 私と空君は、ドアのところで、黒谷さんを見送った。

「どうなるんだろ、黒谷さんと碧」

「お姉さんとして気になるの?凪」

「ううん。ただ、今の彼女とはまだ、別れていないし。いいのかなって、ちょっと思っちゃって」

「ああ、そっか。そうだよね」


 空君はぽそっとそう言うと、ちらっと私を見て、

「もうちょっとして日が傾いたら、クロの散歩行かない?」

と、はにかみながら言ってきた。


「行く!」

 即答!

 わあい。クロがいるとはいえ、2人きりでお散歩だ!嬉しい!


「俺はいつも、凪の光で癒されてる。凪から光が出ている時は、幽霊だって消えちゃうから、俺は凪がいたら、幽霊もそうそう見ないで済んじゃう」

「え?」

 何?突然。


「それって、かなりの心のよりどころっていうか、まじで、癒されてるし、救われるんだ。だから、黒谷さんも碧がそばにいたら、今よりずっと癒されて、変われると思うんだよね」

「……」

「俺が凪といると、気持ちが明るくなれるみたいにさ」


 そうなんだ。空君は黒谷さんのこと、やっぱり自分のことのようにまだ、気になるのかも。でも、それは空君の優しさなんだ。


「空君」

「ん?」

「大好き」

 そう言って腕に引っ付いた。


「うん。それ、言わなくても、すごい光が出たからわかった」

 空君はそう言って、隣で思い切り照れた。ああ、やっぱり、可愛いなあ。


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