転田ころんはやっぱりこりない女
☆コロン様の企画「アフォの祭典」参加作品です
「何でこんな事になったんだろう…」
転田ころんは森の中でしゃがんで悩んでいた。
しかし、その森は普通の森ではない。
そう、謎なたい焼きが、
「僕のあんこを食べて元気を出してください!」
と言いながらまるで犬や猫の用たしのようなスタイルで
お尻からあんこを出しながら追い掛けて来る森なのだ。
カオスである。
「何で私はこんなへんてこな森にいるんだろう?」
ころんは考えた。
「そう言えば、何か言われたような…」
そして、ころんは思い出した。
「そう言えば、チームつるぴかみたいな奴等が何か言ってたっけ?」
「誰がチームつるぴかじゃい!!」
ころんが呟くと同時に二人の男性の怒号が飛んだ。
「あっ!? チームつるぴかじゃん!」
そのチームつるぴか二人組の頭を見たころんは心のペンライトを超高速でふりふりしながら喜んだ。
「じゃから違うと言っておろう!!」
だが、チームつるぴかからは全力で拒絶されてしまった。
「えぇーー? でも、頭が…薄田…」
「わしらは、菊と池じゃ!!」
「えっ? 菊と池? 二人合わせて菊池じゃ駄目なの?」
「駄目!!」
「じゃあ、菊っち、何で私はここにいるんだっけ?」
心の中で、ぶぅ ぶぅ言いながらころんは菊と名のった方の男に聞いた。
「紛らわしいのう…」
菊は普通に、ぶぅ ぶぅ言いながら話してきた。
菊曰く、まずここはイスピリットサント王国にある森。
所謂異世界と言われる場所である。
そんな異世界に何故ころんがいるのかと言うと、現実世界で悪戯ばかりしていたからだ。
その悪い心を持ったころんの魂の部分だけが菊達によってこの世界に拉致られたのである。
それはその心を反省させる為だと菊は言った。
「菊っち…。私、そんなに悪い事してたっけ?」
菊の話を聞き終わったころんが聞くと、菊と池は凄い速さで首を縦に振っていた。
「まあいいけど…。じゃあ何で私は子供の姿なの?」
少し後ろめたい気持ちがある本来はOLのころんが聞くと、
菊は悪戯をしている心の部分だからだと答え、池は今のころんの姿は小学校低学年ぐらいだと答えた。
「ふーん…。じゃあ私の本体はどうなったの?
軽トラックに…とか…」
そして、ころんは、とても聞き難い事を聞いた。
「悪い部分の魂を抜いただけだから、お前はお前として向こうに残ってるぞ。
だが、このままだとトラックに撥ねられてしまうがな」
すると、池はとんでもない事を言った。
「わた…わた、私の本体はどうなるの?」
池の話を聞いたころんがガクガクと震えながら聞くと、池はしぶい顔で首を横に振った。
「いやいやいやいや…だって、私…私…」
そこまで言うと、ころんは涙がポロポロ溢れてきた。
「…う…わた…わたし昨日からメロンを食べようと冷蔵庫に冷やしてたのに…。
そ…そ…それに甘いお菓子も、しょっぱいお菓子も食べようって…おにぎりだって!!
うわーんっ!!」
泣きながら菊に走り寄って行き、胸ぐらを掴んで叫ぶころん。
だが、菊はそのころんを押しのけた。
「菊っち…。何か冷たくなぁい?」
菊の素気ない態度で涙が止まったころんが頬を膨らませ言うと、菊は頬を赤く染めた。
この時、「ロリコンか?」ところんは思った。
だが、これはチャンスだとも思った。
ここで菊を上手く言い包めれば元の世界に帰れる!
この数秒で、ころんはそう考えたのである。
そして、ころんは先程の涙を最大限に利用した、潤んだ瞳で菊を見つめる
すると、菊の鼻の下は伸びた。
楽勝!
そう思ったころんは心の中でニヤリと悪い顔で笑い、さらに続けた。
「ねぇ、菊っち…。ころん、すんごく反省してるぅ。
だから、元の世界に帰りたいんだけど、どうしたら、いい?」
それはそれは可愛らしく、拝むように手を合わせ鼻声でそう言った。
「そ、そんなに反省しておるのなら…な?」
すると、でれでれした顔の菊はそう言って池を見た。
だが、池は不機嫌そうな顔をしている。
でも、ころんは分かっていた。
これは嫉妬であると!
なので、ころんはそのままの体勢と声でこう言った。
「池さん…。ころんのこの目を見て?
この目が嘘をついてるって思う? ねぇ?」
そして、先程の菊に向けた潤んだ瞳を使い回したころんは池を見つめた。
そう、その瞳にいくつものきらきら輝く星屑を散りばめながら。
すると、その星屑が目に入った池の顔も菊と同じような顔となった。
ちょろい!
可愛いって得ね!
そう思ったころんは心の中でニヤリとさらに悪い顔で笑い、緩く口角を上げた。
そうして ころんは菊と池から元の世界に帰る方法を聞き出した。
だが、その方法とはこの森にすむ暴れ鹿を大人しくさせる事だった。
「暴れ鹿って、なぁに?」
そして、ころんは小鳥のように可愛らしく首を傾げて聞いた。
「この森で暴れている鹿の事じゃ」
すると、さらに鼻の下が伸びている菊が答えた。
「答えになってねえよ!」ところんは思ったが何か良い方法はないか聞いた。
「ほれ、このコを連れて行きなさい」
すると、今度は池があるものを持って答えた。
それは、30cmにも満たない大きさの全裸の熊の人形だった。
「えっと…池さん、これをどうしろと?」
引き攣る顔を精一杯押さえ、ころんが聞くと、池はさらにある物を手渡してきた。
それは、可愛いバレッタだった。
透かさず ころんは問う。「これぇ、ここの世界のものよね?」と。
勿論、そうだった。
「ふう。あのバレッタに似てたから心配した!」と思ったころんだった。
「で、このバレッタがあったらどうなるの?」とそれからころんが聞くと、
「頭につけてみなさい」と池が言ったので、ころんはその通りにした。
「こ、こう…かな?」
そして、ころんはふんわりと髪をまとめ、そのバレッタをつけた。
すると、菊と池の顔はさらにでれでれとしたものとなり、ころんは引いた。
だが、その時だった。
熊の人形が動き出しストレッチを始めたのである。
頭上で手を合わせ、体を前後左右に振る熊の人形。
それを見た ころんはさらに引いてしまった。
「きゃっ!? く、熊の人形が動いた!?
しかも、無理にストレッチして痛そう…」
「気にするでない。久しぶりに動いたから体が固まっておっただけじゃ。
それとの、そのバレッタを黒髪の乙女が装着すると、そのコは動くんじゃ」
「ふ、ふーん…。じゃあ、池さん。このくま子をどうしたらいいの?」
「肩にでも乗せて連れていってあげなさい。きっと役に立つから」
それから菊と池に見送られたころんはフンスと鼻を鳴らし、くま子と暴れ鹿を探す冒険へ旅立った。
道なき道を、くま子を肩に乗せ進む ころん。
時々、あのたい焼きに追い回される ころん。
「もう歩けない…」
そう思った時、目の前がふわっと開け、紫陽花に囲まれたガゼボが現れた。
そしてそこにはアニメの世界から抜け出てきたようなキラッキラの男性が一人でお茶会をしていた。
「何て素敵な殿方…♡」ところんが思っているとその男性はひらひらとこっちに来るように手招きする。
無論、ころんはその男性の下へ向かいお茶会の席に座る。
それからふわふわとしたピンク色の幸せを感じる時間をころんはすごしていた。
ただし、お茶は昆布茶で洒落たひし形の皿の上には梅干し。
でも、そんな事はお構いなしに、きゅーーん♡と胸が締め付けられる時間は続く…かと思った。
そう、突如現れた鹿がガゼボを荒らし始めたのだ。
「ガッガッガリッ!!」と、角であらゆる物を破壊する鹿。
「モグモグモグ…」と、紫陽花を食べ尽くす鹿。
「鹿よ!」ころんは咄嗟に立ち上がり鹿の前に立つ。
そして、鹿と対峙する ころんの事を、ニコニコとその男性が見守ってくれている。
「見てて! 見事あの暴れ鹿を大人しくさせてみせる!」と思った ころんは頷いた。
そして、暴れ鹿の方を指差し、こう言った。
「行け、くま子!」
それは、まるでどこぞやのアニメのワンシーンのように。
だが、くま子は動かなかった。
「えっ? ちょ、ちょっと くま子!?」
動揺するころん。
だが、くま子はころんの肩から降りようとせず、首を横に振りしがみつく。
そして、角を振り回し近づいて来る暴れ鹿。
どうする、ころん!?
そして、ころんが取った行動とは…。
「ネキシューム光線!!」と、ころんは叫んだのだ。
説明しよう!
ネキシューム光線とは、ころんが強いと思っているあるものの名前から取った光線の事である。
「って、そんな事を言ってもしょうがなーい!!」と絶体絶命の ころんが叫ぶと、
何と、くま子があの3分で帰ってしまう正義の味方が取るポーズをした。
すると、くま子の手から黄色と紫の半々になった光線が放たれたのだ。
その光線が見事、暴れ鹿に直撃する。
すると、暴れ鹿の角が落ち、大人しくなった。
「や…やったの?」ぽかんとする ころん。
その肩にいた くま子をふわっと取り上げ頬を擦り寄せるその男性。
「あ、あの…」と、ころんがその男性に声を掛けると、「コトミ♡」と、その男性は言った。
「はっ?」何がなんだか分からない ころんの眉間にはしわが寄る。
すると、暴れ鹿が落とした角をつるぴか頭に当てた菊がこう言った。
「ころんよ。ようやった。これでお前は元の世界に帰れる…」
「ちょっと菊っち!? 意味分かんないだけど?」
「見事暴れ鹿を大人しくさせた…。これで胸を張って戻るが良い…」
「池さんも意味分かんない事言わないでぇーー!!
それと、イケメン! コトミって誰よ!!」
ころんが叫ぶと同時に、ばっふんっ!!と変な音がした。
そのせいで元の世界に戻った ころんは今まであった事の記憶が吹っ飛んだ。
「あれ…。私、何してたっけ?」
そんな ころんだったが、一つだけ覚えていた事がる。
「琴美…。何かムカつく…」
柿ピーの袋に手を突っ込み、がばっと中身を取り出し、ピーナッツだけをどける ころん。
「そう言えば椎名さんって琴美って名前だっけな…」
そして、柿の種ばかりぼりぼり食べながら ころんは企んだ。「明日、膝小僧で騙してみっか…」と。
こうして、ころんは明日も悪戯を続けるのであった。
☆注意事項☆
本作は、コロン様に許可を取り、投稿しております。
ーー参考にさせてもらったコロン様の作品集ー
☆ 【完結】「お前を愛する事はない」と言われたので「おう上等」と言い返してやった。が…言った事を取り消すまで早かった。…と思う。
☆ ぼくはたい焼き
☆ 生暖かい目で見逃して下さい
☆ 菊池祭り
☆ 7月5日に日本に何か起きるとしたらどう過ごしますか?
☆ 可哀想な田中
☆ ものもの
☆ 椎名琴美の毎日
☆ 実際にあった怖い話を、検証しながら楽しく語る
☆ 女神サマがくれたレアスキルは「同情」でした
☆コロン様からいただいた今回の作品をイメージした素敵すぎるイラストです!☆
感激にゃのだ♪
そして、コロン様にはまだまだ素敵な作品があるので読んでみてくださいねぇ~☆




