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ここに掲げますは【卒業後はのんびりライフ謳歌しようね】計画!!


説明しようこの俺が自ら立てた計画は現在コツコツと貯めている貯金で将来は貴族社会を抜け出し(しがらみ)など一切ない世界。のどかな森でこんな所にポツンと一軒家!!を構えて悠々自適に過ごすという計画だ。

この世界で俺には父、兄、姉がいるのだが母親は俺を産む際に亡くなった、まぁもちろん周囲から嫌われた、お前は親殺しだとかさ、更に第二次性別鑑定を7歳で行うのだがΩ(オメガ)という、所謂(いわゆる)出来損ないだったから、貴族から母を惨めだ気の毒だ。ゴミを産んで死んでしまったと話の餌にされた。

そんな訳で家族に嫌われている。いや語弊があったな、父と兄に嫌われている。

姉は昔から俺の面倒を見てくれているんだ、自分の子どもなのかってくらい過保護な時があってたまに厄介だけど、俺がこうしてこの世界でこんなにのびのびとした夢を見て生きてるのも姉のおかげだ。


おっと話が脱線してしまった。


とにかく兄や父、更には厄介な貴族社会で虐げられるのにうんざりするし、俺が周りから何か言われる度に悲しそうな顔をする姉も見ていて居心地が悪いので、姉の友人に仕事を紹介してもらいお金を貯めて、悠々自適生活プランを練りに練っている。


「よしっ!!!今日の卒業パーティーは好きなもん食ったらすぐ帰る!!これ一択!!」


卒業パーティは卒業する4年生は勿論、成績優秀者や卒業生が招待した生徒は参加可能である。なので1年生であるデレクも今回の卒業パーティーに参加することになった。


なぜ貴族から馬鹿にされてる俺がそんなパーティーに参加できるかって?それは勿論成績が優秀なのだ……と言いたいところだが違う。姉が今年卒業するのだ。だからこうして準備している。

卒業生以外はドレスやスーツでは無く制服なので準備も楽だし、なにより美味しいものが無償で頂けるのだから少しつまみ食いしに行くのも悪くない、それに一応姉の卒業を少しだが祝いたい気持ちもある。


ーコンコンー


ちょうど姉が来たのだろうか。


「デレク~準備は出来たかしら?」


ーガチャー


「うん、ヘイズ姉さんごめん待たせた?いいねそのドレス」


「あらほんと?ふふっデレクがそう言うならなんだか自信が湧いてきちゃうわ~」


ニコニコと嬉しそうな顔、この人が俺の姉さんヘーゼル・レンガデ、ヘイズ姉さんだ、評判が良いとは決して言えないレンガデ男爵家の唯一の誇りとも言えるだろう、学園では「辺境に咲きほこる百合」なんてよばれている。

俺と同じ髪の色なのに艶が全く違う、長い髪を腰の辺りまで流していてよく似合っている。

そしてなんと言っても母譲りのグリーンの瞳、爽やかな草原を溜め込んだみたいな綺麗な目だ。

その点俺はふっつーの茶色目。


ドレスはゴテゴテとしていなくてナチュラルなマーメイドドレス?とか言うやつらしい。

ヘイズ姉さんの淑やかな雰囲気にとても似合っている。


眉目秀麗な上にβ(ベータ)ではあるがα(アルファ)の生徒と並ぶ程勉強も魔法も成績優秀なのだ、それなのに人当たりが良いと来た、なのですっごくモテる、だから昔からずっと姉さんの隣で寄ってくる輩を威嚇しまくる人がいる。


「私だって何度も綺麗だと伝えているのにデレクに言われた途端にそんなふうに言うなんて差別じゃないか!!」


ギャーギャーとうるさいこの人はリザリー姉さん、リザリア・ナーセン嬢、こんなだが帝国で男主人公アルと皇帝に次ぐ権力を持つと言われるナーセン公爵家の跡取り娘だ、彼女はαなのでこの世界では男女関係なくαなら後継者になれるのだ。仕事をこっそり紹介して貰う代わりに姉さんの話を提供している。

見た目はまぁそりゃいい、αだしな、深い紫の瞳は珍しくて初めて見た人は虜になるそうだ。


薄紫の長い髪を高い位置でひとつまとめてる、ヘイズ姉さんが綺麗な髪だと褒めた途端伸ばし始めたのを覚えている。


そしてドレスではなくスーツを着ている、姉さんと合わせたのだろう、デザインや色味が同じだ。


「リザリー…はぁ、子どもみたいなこと言わないでちょうだい、緊張してるのよ、あなたのエスコートで会場に入るんですもの、釣り合わなかったらと思うと…」


「何言ってるんだ、ヘイズ完璧だよ、君が布切れ1枚だろうと魚や虫だろうと私は君を素敵だと完璧だと胸を張って言えるさ。」


「リザリー…///」


ご察しの通り、この2人はデキている、本来結ばれることは無いがどういう訳か小さな頃からリザリー姉さんが家によく飛び込んできて俺と姉さんを遊びに連れ回してくれた、なので血は繋がっていないが内心もう1人の姉くらいには思っている。

まだ婚約はしてないらしいが将来は結婚するんだろう。


「あのさ、イチャつくのもいいんだけどさっさと行こうよ。」


2人のイチャつく姿も数ヵ月後には学園で拝めなくなると思うと少し寂しいけど、目の前で繰り広げられると鬱陶しい。


デレクは溜息をつきながらもなんだかんだ二人に生暖かい視線を送りはにかんでいた。


さぁて、会場で料理を嗜むとしますか!!

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