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小説家になろうラジオ大賞5

ヤンデレ彼女のパスワードが重すぎる

作者: 夜狩仁志

小説家になろうラジオ大賞5 参加作品。

テーマは「パスワード」です。

 教室に1人でいることが多かった琴美(ことみ)は、よくクロスワードやナンプレ等のパズルを淡々と解いていた。


「そこ、間違ってるよ」

「!?」


 隣の席の俺が話しかけたのがきっかけで一緒にパズルをする仲に。


 やがて彼女から告白される。

 そのやり方も彼女らしく、クロスワードの手紙を渡してきた。


 必死に解くと

『好きです。付き合ってください』

 という文ができあがる。


 そのロマンチックなやり方に俺は撃沈した。


 普段は1人でパズルを解くのが好きな琴美。人嫌いとか友達がいないとか、そういう子ではない。

 内気で大人しい可愛い子。


 その時はそう思っていた……



 あっ! 俺のスマホにロックが!

 またあいつだよ、勝手に!


 放課後、1人教室でナンプレに勤しむ琴美にそっと歩み寄る。


「琴美? スマホにロックが」

「……」


「パスワードは?」

(みなと)なら、分かるはずだよ」


 俺の名前、3710(みなと)か?

 誕生日?

 初デートの日?


 琴美(ことみ)……


 5103(ことみ)か!


 そう、彼女は勝手に俺の物をチェックしてはパスワードを変更するのだ!


 以前はロッカーの鍵や自転車のダイヤルロック。

 最近は家のオートロックやポストのダイヤルも!

 さらに俺の部屋に侵入し、PC覗いてパスワード変える始末!


「やりすぎだろ? プライバシーが……」

「将来、結婚したら一緒の空間で過ごすんだよ」


 気がはえーよ。


「全部共有財産だよ。

 湊の物は私の物。私の物は湊の物」


「あのなぁ」

「私達のだから、お互いが分かり易いパスワードにしただけだよ」



「いい加減にしろよ!!」


 さすがに今日は、いつもより強めに怒鳴る。


「だって……」

「だってじゃない!」


「湊のことを知りたいだけなの」

「限度がある!」


「それに他の人に奪われたくないの」

「で、いろいろと詮索し、他人に見られないように施錠すると?」

「うん!」


 束縛が強すぎんだろ?


「気持ちは分かったよ。でもな……」


 そこで琴美はメモを差し出す。


 紙には

You are (あなたは) the one(運命の人)

 と? なにこれ?


「私自身のパスワード」

「は?」


「赤裸々な私生活から体の隅々まで全部丸見え」

「おい?」


「この言葉を唱えたら私、何でも開いちゃうよ」

「ひらくって?」


「鍵から心から体まで。股だって♡」


 うっわ、なに言ってんの? この子?


「私の秘密、覗きたくない?

 全部、手に入るんだよ?

 湊の独り占め」


 琴美の

 全てを

 独り占め……

 好き放題……


 ダメだ! 騙されるな!

 今までそうやって俺の事を!


「私を好き勝手できる、魔法の言葉(パスワード)だよぉ♡」


 はぁ……


 彼女のパスワード(愛言葉)が重すぎる……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 束縛するだけでなく、自分自身のパスワードも開示…。 重くもあり、甘くもある愛情表現ですね。
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