表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/170

第7話 7人ミサキ

 職員室にはマスターキーがあるらしく、何処でも入れるようになるので、是非手にいれておきたい物だ。

 職員室に向かう廊下にはまだゾンビは見当たらない。

 増えたとの事だが、何処にいるのだろうか?


 ゾンビが増えた感じたがしないまま、なんなく職員室に辿り着いた俺達は、池田の持っている鍵で中に入った。

 中には書類やらがびっりし机に置かれている。

 そして、目当てのマスターキーも壁にかかっていた。

 池田はマスターキーに手を伸ばし、鍵を身につけた。

 これで、どの部屋でも入る事が出来る。


「ねぇ、なんか外が明るくない?」


 池田が窓の外を見て言う。

 そっちはグランドがあるだけのはずだが、俺は外を見る。

 すると、外には和装を身につけた7人の人がいた。


「なんだ?」


 ドサッ


 机からなにかが落ちる音がした。

 振りかえると、メリーさんが青ざめていた。


「しっ!!」


「しっ?」


「7人ミサキ!!」


 メリーさんは大声で叫んだ。


 そして、全身を震わせているのか、かなり怯えている。


「どうしたんだ?」


 俺達はメリーさんにかけよる。


「あっ、あいつらはヤバいの。すぐに逃げなきゃ。さ~ちゃんと私じゃ無理」


 メリーさんの怯えかたからするとかなりヤバイやつみたいだ。

 もう一度外を見る。


「1,2,3,4,5,6,7、確かに7人いる」


 7人はそれぞれ、刀、槍、大鎌、桑、杖、弓、鎖鎌を持っている。


「グランドを徘徊しているみたいだな」


「早く行くわよ」


 メリーさんは急いで移動したいようだ。

 目的の鍵も手に入ったし、ここにいる必要はない。

 俺は7人ミサキが気になりもう一度、外を見た。


「あっ!」


 7人ミサキの一人と目があったような気がした。

 7人ミサキの動きがかわり、校舎の入り口に向かってきている。


「ちょっ、あれほど早く行こうって言ったのに」


「ごっ、ごめ。とっ、とにかく移動だよな」


「どこに?」


「隠れても無駄よ」


メリーさんが答える。


「こっちを見られたから、感知されて場所がまるわかりよ」


「……そうなのか」


 俺のせいだ。

 俺が早く移動していれば。


「気がつかれたなら仕方ないわよ。戦うしかない」


 メリーさんは覚悟を決めたようだ。


「やるぜぇ!」


 さ~ちゃんは準備万端だ。


「……逃げてもダメなら、たっ、戦わないと……」


 池田も覚悟を決めていた。


「覚悟が決まってないのは、俺だけか……」


 3人を見る。


「分かった。俺のせいだし、俺も戦う」


「なら、体育館に行かない? あそこなら、広いから戦いやすくない?」


 池田が提案してきた。


「体育館か……よし、早く行こう」


 俺達は体育館に移動する事にし、職員室を後にした。

 すると、2階からゾンビが大量に降りてきた。


「こんな時に……」


 さ~ちゃんが前に出た。

 さ~ちゃんは、ハサミとメスを交互に出し、ゾンビを切り裂いていく。


「すご」


 俺は唖然としていた。


「なに、ぼーっとしてるの。行くわよ」


 池田が俺の背中を叩き走り出す。

 俺達はさ~ちゃんを先頭にし、体育館に急いだ。

 体育館に着いた俺達は、扉を閉め鍵をかけた。

 そして、体育館倉庫に向かい、バスケットボール、バレーボールを取り出した。

 他にも、バレー用のネットのパイプを手にした。

 必要最低限の準備をして、7人ミサキを待った。

 そして、すぐにうめき声が聞こえてきた。


「来た……」


 ガチャガチャ


 入り口の扉から音がする。


 ドンドン


 入り口が今にも破られそうだ。

 俺は池田の方を見た。

 そして、池田だけは必ず守ると心に決めた。


 ドガーン


 激しい音と共に扉が破られた。

 ゆっくりと7人ミサキが姿を現した。

 すぐさま、さ~ちゃんが突撃する。

 しかし、相手は7人。

 俺と池田は準備してあったボールを投げまくった。

 たいして効果はないが、足止めくらいにはなるはずだ。

 メリーさんも、空中からカッターを構え、勢いよく7人ミサキの槍の頭上にカッターを突き刺した。

 頭を刺された7人ミサキは倒れこんだ。


「一人倒した!」


 俺は喜んだ。

 このままいけば勝てる。

 そう思った。

 しかし、倒れた7人ミサキの頭が治って行く。

 そして、起き上がり何事もなかったかのように、さ~ちゃんとメリーさんに襲いかかった。


「なっ、なんで?」


 さ~ちゃんもハサミで、7人ミサキを刺しまくっているが効いていない。

 このままじゃやられる。

 さ~ちゃんとメリーさんの動きが鈍ってきた。

 疲れが出始めたのだ。

 そして、7人ミサキの2人、刀と大鎌が俺達の方にきた。

 俺はパイプを持ち、相手に向かった。

 しかし、大鎌でパイプを切られた。

 短くなったパイプを持ちながら後ろに下がる。

 その時、さ~ちゃんとメリーさんが同時に7人ミサキの槍と弓を倒した。


「やった?」


 さっきは蘇ったが今度こそやった?

 しかし、さっきより復活は少し遅いが立ち上がってきた。


「やはりダメか」


 俺は諦めて目の前の2人の7人ミサキに集中した。


「……わかったかも」


 池田が、なにか思い付いたみたいだ。


「さ~ちゃん、メリーさん、もう少し耐えて。松本、行くわよ」


「えっ? 行くって何処に?」


「いいから、ついてきて」


 俺達は、ボールで目眩ましをし、走り出した。


 池田についていった先は、さっきまでいた体育館の下の食堂だ。


「松本は、大量のゾンビを体育館に誘導して」


「えっ? なんで?」


「いいから、早くして!!」


 なんだか分からないが、言うとおりにしよう。

 俺は本館に続く渡り廊下を渡り、職員室前に溜まっていたゾンビを持っていたiPodの音で誘導した。

 

 ゾンビの動きは、とろいからやりやすい。

 体育館の下の階段まで来ると、食堂から池田がポリタンクをもってやって来た。


「先に行くから、早く来て」


 そう言って、ささっと上に上がって行った。

 その姿を少し腰を落として見たいと思ったのは秘密だ。

 俺は誘導を続けた。

 入り口には池田が立っていた。


「きたわね。メリーさん、さ~ちゃん、急いで本館に移動して。松本、ゾンビを中に入れて!!」


 俺は体育館の中にiPodを大音量で鳴らして投げた。


 ゾンビは一斉になだれ込んできた。

 7人ミサキはゾンビのせいでこちらに来れないでいる。

 俺達は急いで本館に向かった。

 池田は床になにかを垂らしながら走っていた。

 渡り廊下の入り口までくると、池田はマッチを取り出した。


「まさか……あの、さっきまで床に撒いていたのって?」


「灯油よ」


「あ~」


 マッチに火をつけ、灯油に落とした。

 火は床の灯油の道を通って勢いよく燃え走った。


「早く本校舎に」


 池田は防火シャッターのボタンを押し、渡り廊下に2枚のシャッターが降りた。


「ふせて」


 池田の声に反応して全員床に伏せた。


 ドッガーン!!!


 体育館の校舎が大爆発を起こした。

 なんで、爆発が?


「食堂のガスの元栓を全部開けてきたの。それと、灯油は食堂側からも巻いてあるから爆発したの」


「はっ……は……」


 言葉も出ない。


「でもなんで?」


「さ~ちゃんとメリーさんが同時にミサキを倒したとき、復活が少し遅れたでしょ? だから、もしかして全員一緒に倒せればって思ったの。正解で良かった」


 なるほど。


 あの状態でそこに気が付くなんて、流石だ。


「まぁ、とにかく助かったわ。何処かで、休憩しましょ。私もさ~ちゃんもお疲れよ」


「しくしく……、私も疲れたわ……」


 いつの間にか、さ~ちゃんの性格が最初に戻ってる。

 よく見ると、武器が手になかった。

 逃げるときに落としたのか?

本作をお読みいただきありがとうございます。




よろしければブックマークと評価をお願い致します。




感想も宜しくお願い致します。




それでは引き続きお楽しみくださいませ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ