第72話 地下都市
横穴の道を少し進むととんでもない光景が目に入った。
目の前には、巨大な地下都市が広がっていた。
さらに巨人までもがウヨウヨしている。
「メリーさん、あれは?」
「ちょっと待ちなさい、えっと……あったわ、あれはガグって言うみたい。四腕に毛むくじゃらの巨人って書いてあるわ。」
四腕より毛むくじゃらの巨人が気になった。
更に棍棒のような物も持っている。
あんなので攻撃されたら、花子さんの盾でも防ぎようがない。
「さて、ここからどうしようか?」
「どうするって?」
「進むか戻るかだ」
このまま巨人達の縄張りに進むのが1つ、戻ってハシゴを登り、また荒野に出るのが1つ。
そのどちらかしかとれないのだ。
「なら、あそこを目指さない?」
池田が指差した場所には、地下都市の天井まで伸びている巨大な塔だった。
「なんであそこ?」
「あそこからなら、地上に出れるかもって思って」
なるほど、戻って荒野を進むよりも、あの塔から登って上に行く方が言いかもしれない。
しかし、あの塔を目指すとなると、この巨人ガグに見つかる可能性は高いだろう。
「なら、なるべく隠れて行こう、今戦闘になったら勝ち目はない」
俺達は地下都市を進むことにした。
地下都市内に入った俺達。
そこには、ガグ以外の怪物も住み着いていた事に気がついた。
メリーさんによると、皮膚がダレているゾンビみたいなのがガスト、上空にはシャンタク鳥、更に巨大な蜘蛛まで徘徊していた。
「ヤバい、このままだと先に進めない!!」
このまま進むと確実に見つかる。
それは避けたい。
「……そこの子達、早く中に……」
すぐ横の家から優しそうなお婆さんが現れた家に招き入れてくれた。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「ありがとう、助かったわ」
助かったけど、このお婆さんは何者だ?
こんな所で暮らしているのだから普通の人ではないはずだ。
「……あの、あなたは?」
俺は思い切って聞いてみた。
「わしかい? わしはただのばあさんじゃよ、今はな……」
(……今は?)
「とにかく今は休んでいきな……、ここなら化け物はこないから……」
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