第6話 テケテケ2
「さ~ちゃんが武器を持ったから、今度こそ!!」
メリーさんは力強く言った。
「恐いけどいかないと……」
池田はあまり乗り気ではないみたいだ。
俺だって怖いとは思うけど、今、池田を守れるのは俺しかいないんだ。
「大丈夫だ。俺が必ずま……」
「いっくぜぇ~!!」
口裂け女が割り込んできた。
「えっ? 今、何て言ったの?」
「なっなんでもない、さっ、行くぜ」
(口裂け女が邪魔しなければ……)
そう思いながら歩き出した。
「おい、あたしの事、さ~ちゃんって呼べよな!」
口裂け女が名前の事で口出ししてきた。
まぁ、口裂け女って言うより言いやすいし、俺と池田はあっさり了解した。
その後、俺達は保健室に向かった。
ゾンビはまだ進化していなく、あっさり辿り着いた。
「ここにテケテケがいるのか?」
俺は再確認した。
「ん~、気配は……ある……かな?」
メリーさんが自信無さそうに言う。
「いつものやればいいんじゃない?」
池田が横から口を挟む。
「そうしたいんだけど、あいつにやったら、ここにいるのバレちゃうわよ」
そういえば、さっきもそれで襲われたんだった。
「さっさといくぜぇ!」
さ~ちゃんは勢い良く扉を開けた。
しかし中には誰もいない。
「いない……?」
隠れられそうな場所はいくつかあるから油断は出来ない。
特にカーテンがしまってるベッドは怪しい。
しかし、気にせずさ~ちゃんは中に入っていく。
襲われる気配はない。
慎重に俺も中に入った。
後に続くように、メリーさんと池田も中に入ってきた。
その瞬間、扉がしまった。
「罠だわ!!」
メリーさんが叫ぶ。
俺は机の上にあった、メスを手に身構えた。
ガタ
ベッドの下から物音がした。
その瞬間、足元手前に大鎌が通り抜けた。
後少しずれていたら、足がなくなっていた。
テケテケがベッドの下からゆっくりと姿を現す。
さ~ちゃんは勢いよく、テケテケに向かっていく。
ハサミと大鎌はぶつかり合い、力と力の押し合いになった。
力はテケテケの方が上なのか、さ〜ちゃんが押され気味になっている。
俺はテケテケに向かって、メスを投げた。
しかし、テケテケは身体をずらしてメスを避けた。
さ~ちゃんと戦ってるのに、こっちの攻撃を避けるなんて……。
ガタガタ
後ろの方で音がする。
後ろを振り向くとメリーさんと池田がが棚を漁っている。
そして、一本の瓶を手にする池田。
それをメリーさんに渡し、メリーさんはテケテケを目掛けて飛んだ。
それを見逃さないテケテケ。
テケテケはさ~ちゃんのハサミを押し退け、さ~ちゃんを吹き飛ばし、メリーさんに大鎌を振るった。
メリーさんは間一髪上空に高く飛んで、大鎌を避けた。
テケテケの大鎌は床に刺さった。
「くらいなさい」
メリーさんは瓶をテケテケに投げた。
瓶は割れ、テケテケに中の液がかかった。
「ぎゃあああ」
テケテケは苦しんでる。
「なにかけたの?」
「硫酸よ」
なんでそんなものが保健室にあるのか気になったが、スルーする事にした。
苦しんでいるテケテケに、さ~ちゃんのカッターとハサミで、テケテケを切り刻む。
「ぎゃ~」
テケテケはゆっくりと消えていった。
「勝った?」
俺は疑問系で尋ねた。
「みたいね」
メリーさんは答えた。
俺達は喜ぶ暇もなく、緊張の糸が解けたのか、その場に座り込んでしまった。
その時、校内放送が始まった。
「え~、ただいまよりゾンビ大量放出でぇす。ゾンビがいっぱいでぇす。きゃははは」
またあの意味の分からない放送だった。
ただ、放送はありがたい。
ゾンビの情報が入るからだ。
ゾンビが増えたと言う事は、ここからの移動は慎重にならないといけない。
俺達は、保健室にあった使えそうな物を手に入れた。
欲しかった職員室の鍵も無事に手に入った。
俺は、ハサミとメスを、池田は硫酸の瓶を2本と職員室の鍵を、メリーさんはカッターを、さ~ちゃんは元々持っていたハサミとカッター。
それぞれ武器や道具を持ち、次の目的地である、職員室に向かった。
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