第40話 VS3本足のリカちゃん
「私の相手は誰ですか〜? そこの足が3本のリカちゃんかですね」
ひきこさんは3本足のリカちゃんと対峙していた。
「わたしリカちゃん。呪われてるの……」
「はいはい、なら呪い解こうよ」
「わたしリカちゃん。呪われてるの……」
ひきこさんの言葉に反応はなかった。
「わたしリカちゃん。呪われてるの……」
同じ言葉を繰り返し喋っている。
「ん〜、早く終わらせてもらうよ」
ひきこさんは3本足のリカちゃんに向かって走り出した。
「捕まえた」
ひきこさんが3本足のリカちゃんの足を掴み、そのまま足を引っ張った。
しかし、足が3本あるせいか、リカちゃんは倒れなかった。
「そっ、そんな、これじゃあ引きずれないじゃない」
ひきこさんの作戦は足を掴み、そのまま転倒させて、引きずり回すという、ひきこさんらしいシンプルな作戦だった。
「わたしリカちゃん。呪われてるの……」
また同じセリフだ。
ガクン
「あれ? 力が……」
「わたしリカちゃん。呪われてるの……」
セリフを喋られる度に力が抜けていく。
「まさか、能力低下の効果があるの?」
その言葉に喋りはしなかったが、3本足のリカちゃんは頷いた。
3本足のリカちゃんは、喋る度に相手の力を奪うのだった。
「このままじゃ、動けなくなる……よ……」
力がどんどん抜けていく。
「わたしリカちゃん。呪われてるの……」
3本足のリカちゃんは動こうとはしていない。
ただ、そこに立って喋っているだけだった。
それでも、徐々に力がなくなっていくので強敵には違いない。
「なら、これでどう?」
ひきこさんは力を振り絞って、二宮金次郎が持ってきたガムテープで、3本足のリカちゃんの口をグルグル巻きにした。
「むっ、ムグムグ」
喋れないでいる。
「備えあれば憂いなしって言うわね。こんなのでも役に立たつね」
しかし、力が戻った訳では無い。
「さて、止めはどうしようかな?」
止めを考えていると、3本足のリカちゃんから黒い煙が吹き出してきた。
「えっ? なに?」
「ヨクモヤッタナ」
3本足のリカちゃんがカタコトで喋りだした。
「スナオニ、スイジャク、シテイレバ、ヨイモノヲ」
明らかにさっきまでの3本足のリカちゃんではなかった。
だが、ひきこさんはガムテープで更にグルグル巻きにしていき、3本の足をまとめてしまった。
「ナニオスル」
ひきこさんは足を掴み、3本足のリカちゃんを転倒させた。
ガムテープで縛っているので転倒させやすかった。
「ちょっと辛いけど、青春パワーで行きます」
ひきこさんは足を持ったまま、猛ダッシュした。
3本足のリカちゃんは引きずられている。
「ギャァァァ」
悲鳴を上げているが気にせずダッシュ。
次第に悲鳴も聞こえなくなり、3本足のリカちゃんはグッタリとしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、やったね。でも、流石にもう無理だぁ〜」
ひきこさんも倒れ込んでしまったが、なんとか3本足のリカちゃんを撃破した。
ひきこさんVS3本足のリカちゃん
勝者・ひきこさん
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