第31話 警官署3
「池田、さっきのもう一撃いけるか?」
さっきの拡散硫酸の攻撃ならボスクラスのゾンビ警官も楽勝だろう。
しかし、池田は首を横に振る。
拳銃を見ると、銃身が溶けて使い物にならなくなっている。
「なら他の拳銃を、倒したゾンビが持ってるやつを回収して……」
しかし落ちている拳銃はどれも破壊されていた。
俺達が斬撃をゾンビ警官は拳銃で防いでいたりしたから、それごと斬ってしまっていたのだ。
無事な拳銃は目の前の3体のゾンビ警官の腰にある物だけだ。
「さ〜ちゃん、あの拳銃欲しいから壊さないように倒そう」
俺、さ〜ちゃん、メリーさんで突撃した。
しかし、さっきまでのゾンビ警官とは桁違いの力を持っていた為、簡単に吹き飛ばされてしまった。
「今度はワタシです。呪爆・乱舞」
札が吹雪のように舞い、3体のゾンビ警官に向かっていき、当たった瞬間に大爆発をおこした。
「ぐがぁぁぁぁ」
爆煙で何も見えないが確実に大ダメージを与えているはずだ。
暫くすると煙がはれていく。
ゾンビ警官はボロボロになっていた。
「よし、流石かんかんだ。どんな敵も敵なし」
しかし、3体のゾンビ警官は集まり、1体の更に巨大なゾンビ警官になっていった。
「オマエラ、ミナゴロシ、サッキノ、バクハツ、モウ、キカナイ」
片言だが喋り始めた。
しかも爆発が効かないと言う。
「効かないかどうかは、これで分かります。呪爆・乱舞」
再び、札の吹雪がゾンビ警官を襲う。
しかし、爆煙が立つだけでゾンビ警官は一歩一歩前に歩いてきた。
確かに効いてないようだ。
「かんかんの呪札が効かない!!」
ゾンビ警官は右手を上げ勢いよく振りおろした。
すると、突風が巻き起こり吹き飛ばされてしまった。
「これはダメだ。撤退だ!!」
流石に勝ち目がない。
さっきまでの大量のゾンビではなく、今は目の前の1体のゾンビだけ、これなら逃げられる。
しかし、ゾンビは高く飛び上がり、俺達の後ろに回り込んだ。
「……そ、そんな、一瞬で後ろに……」
正直言葉にならない。
池田は座り込んで怯えている。
(池田だけは守らないと……でも、どうしたら……)
ソンビ警官は暴走してるのか、暴れている。
さ〜ちゃんが一撃離脱戦法で戦っているが分が悪い。
「せめて拳銃があれば……」
「拳銃があればなんとかなるのか?」
かんかんは拳銃があれば何とかなると言っている。
しかし、拳銃はゾンビ警官の腰にある物だけだ。
「ワタシの出番!!」
メリーさんが横から飛んできた。
確かにフワフワ浮いていて、小さなメリーさんなら拳銃を取ってこれる可能性はある。
「メリーさん、頼める?」
全てをメリーさんにかけるしかない。
俺も突撃し、ゾンビ警官の気を引いている。
メリーさんは隙を伺っている。
「呪雷」
呪札がゾンビ警官の頭上に貼り付き、その上に雷が落ちた。
ゾンビ警官の動きが止まった。
その隙にメリーさんが拳銃を奪った。
それをかんかんに渡し、メリーさんも迎撃に加わる。
かんかんと池田は後ろで何かをしているが、見ている暇はない。
少しでも気を抜いたら殺られる。
「出来ました!!」
何かが完成したそうだ。
俺達は後ろに下がった。
池田は拳銃を構えている。
そのまま、ゾンビ警官に発砲した。
さっきの拡散硫酸ではなく、ちゃんとした弾丸だった。
しかし弾丸はゆっくりだったが、雷が効いてるのかまだ痺れていた。
そして、弾丸がゾンビ警官に命中した。
命中した場所から氷が広がっていき、ゾンビ警官をあっと言う間に氷漬けにした。
最後は呆気なかったが、なんとか俺達の勝利の瞬間だった。
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