第16話 赤マント2
赤マントの男は鋭いレイピア見たいな物を取り出した。
そのレイピアで突いてくる。
俺は池田が服を引っ張ってくれたので、なんとか避ける事が出来た。
「こんな奴は任せな〜!! 行くぜぇ!!」
さ〜ちゃんは天叢雲剣で斬りつけまくる。
しかし、赤マントはその攻撃を簡単にかわしている。
かなりのスピードだ。
かわしながら、レイピアでさ〜ちゃんにダメージを与えていく赤マント。
さ〜ちゃんの顔が少し辛そうだった。
(このままじゃ勝てない)
そう思った。
「……残り少ないけど……仕方ないです
ね」
かんかんが、数枚の紙を巫女服の中から取り出した。
「呪鈍!!」
かんかんが持っていた紙が赤マント目掛けて飛んでいく。
そして、赤マントの背中に貼り付いた。
紙が貼り付いたとたん、赤マントの動きが鈍くなった。
「かんかん、今のは?」
「巫女であったワタシは、札で相手の動き等を制して来ました。ですが、大蛇と1つになってからは呪われた身。
なので、呪詛と巫女の札の合せ技で相手の動きを鈍くしたのです」
呪いの呪に、鈍足の鈍で呪鈍ってわけか……。
「斬る〜!! とどめだぜぇ!!」
さ〜ちゃんの天叢雲剣が赤マントの男性を引き裂いた。
だが、斬ったはずの男の姿がなかった。
床には、赤マントとレイピアのみが墜ちていた。
「何処に行った!!」
消えた赤マントを警戒しながら、俺達は辺りを見回す。
「松本!! 上!!」
池田が声をあげた。
「てぇ〜い!!」
メリーさんが、俺の上にいた赤マントに体当たりをしてくれたのだ。
そのおかげで助かった。
「さ〜ちゃん!!」
「斬る〜!!」
今度こそ赤マントを斬り裂いた。
しかし、その瞬間、再生したのだ。
「なんだよこれは……」
赤マントを倒す事は出来ないのか?
「皆、一旦引こう、逃げるんだ」
俺は撤退を指示した。
倒せないなら逃げるしかない。
「かんかん、お願いできる?」
「残り3枚ですが……呪停……はっ!!」
紙はさっきと同じように、赤マントの背中にくっついた。
俺達は、博物館から一時撤退した。
博物館の外まで走った。
全員息をきらしている。
「あの赤マント不死身なのかな?」
「池田は不死身だと思うか?」
「ん〜、いつもは倒せるんだから不死身じゃないと思うんだよね。それに今は、さ〜ちゃんが天叢雲剣を持ってるんだよ。怪異相手なら効果はあると思うんだよ」
怖いながらもしっかり分析している池田を凄いと思う。
「なら、何だと思うんだ?」
「ん〜、前に7人ミサキと戦った時見たいに、何か倒し方があると思うんだけど……思い付かないや‥‥」
池田は考え込んでいる。
「ここに居たかぁ〜!!」
赤マントがここまで追ってきた。
「……かんかんさんの紙が貼り付いたのは背中……背中……もしかして!!」
池田が何か思い付いたようだ。
「さ〜ちゃん、赤マントの男性の方ではなく、マントを斬り裂いて!!」
さ〜ちゃんは、マントを切り裂きにいっているが、赤マントは必死にかわしているように見えてきた。
「必死にかわしてる。やっぱりそうなんだ」
「どういう事?」
「赤マントの本体は、あのマントなのよ。だから、札を直接貼り付けられて効果が発揮した。今、必死に避けているのが証拠」
7人ミサキの時と良い、凄い洞察力だ。
「残り2枚!! でも、……呪停……」
また呪停。
相手の動きを一時的に封じる効果だ。
紙が貼り付いた後に、赤マントが止まった。
「よし、これで!!」
さ〜ちゃんが全力で天叢雲剣を振りかざし、マントを斬り裂いた。
「ぎゃ〜!!」
悲鳴をあげて、煙のように消えていく赤マント。
今度こそ勝利だった。
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