第165 そしてこれからも……
2人の物語はまだまだ続いていくのですが、これでこの物語は終わりになります。
いつかまた2人と再会出来たら良いと思っています。
最後までお読み下さいまして、本当にありがとうございます。
「……ここは……」
見覚えない白い天井が見える。
「あっ、気が付かれましたか?」
横を見ると看護師さんがいた。
「あなた達は病院の外で倒れてたんですよ、女の子もさっき目を覚ましてほらそこに」
看護師さんが指差した方を見ると、池田がベットで横になっていた。
帰ってこれたのか。
前回みたいに記憶がなくなっていない。
でもそれは俺だけかもしれない。
確かめないと……。
「あのさ、池田……」
なんて言っていいか分からない。
「……帰ってきたら返事するって約束だったよね? これから宜しくお願いします」
「えっ?」
突然の事で理解が遅れた。
つまり、池田にも記憶が残っていて、前の告白の返事はオッケーって事……?
「どうしたの?」
「……やった〜!!」
俺は嬉しくてベットから起き上がった。
「こら!! まだ安静にしてなさい!! なんで倒れたのか分かってないんだから。二人共、今日は入院して様子を見ますからね。親御さんには話してますからもうすぐ来るはずです」
あれから結構な時間が経っていたはずなのに、俺達がドリームランドに行ってからまだ数時間しか経っていないようだった。
看護師さんもいなくなり、部屋には俺と池田だけになった。
「不思議な体験だったね」
「だな……、でもそのおかげで、俺は告白出来たし、メリーさん達とも知り合えた」
「……そうだね。私、メリーさんって怖い存在だと思ってたよ〜」
「俺もだ」
話しに聞いているメリーさんは恐怖の対象だったけど、実際のメリーさんは優しい存在だった。
「当たり前でしょ」
何処からかメリーさんの声が聞こえてきた。
「えっ? メリーさん?」
あたりを見渡しているが、メリーさんらしき者はいない。
「ここよ、ここ」
声のする方を見ると、小さなぬいぐるみのキーホルダーみたいな物が2個落ちていた。
それは、メリーさんとさ〜ちゃんのぬいぐるみだった。
「まさか……」
「そのまさかよ……、なんか突然この姿になってたのよね」
「こっちはメリーさん、なら、こっちのさ〜ちゃんのぬいぐるみキーホルダーは……」
「……私よ……」
武器を持っていない時のさ〜ちゃんだ。
「なんで2人がここに?」
「分かんないわよ……。でも、あの時、2人が光の柱に入った後、もう一度だけ話したかったから私達も入ったのよ、そしたら……」
それじゃあ、俺達と一緒に来ちゃったって事?
「それより、2人は上手く行ったのね。おめでとう」
「……おめでとう……」
照れる。
「えっと、ありがとう」
「いや、えっと、松本って危なかっしいじゃない。だから私が傍にいてあげないとって思っただけだからね」
慌ててる池田は可愛い。
「惚気ありがとうございます」
「惚気てない!!」
「ところで2人はどうするの?」
俺は今後の事をメリーさんに聞いてみた。
「ん〜、怪異の世界に戻るにしても手立てがないし……、この世界は私達を拒みはしないだろうから、暫くいようかな?」
「それじゃあ……」
「ええ、また暫くは宜しくって事ね」
「……宜しく……」
お別れしたと思っていたメリーさんとさ〜ちゃんとの早すぎる再開。
まだまだ、怪異との関係は続いていく。
でも、俺と池田の関係だけは恋人になっている。
変わっていくのだ。
この関係は俺が望んだもの。
だからと言って、メリーさん達とすぐに離れたいわけじゃない。
だから、メリーさん達が戻れる方法をゆっくり探していけば良い。
変わらないでいたい関係もあるのだから……。
そう、俺と池田と怪異の関係はまだまだ続いていくのだから!!
おしまい
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それでは引き続きお楽しみくださいませ。




