第143話 白虎2
「今ので試練合格とかじゃないの?」
試練の事が頭から抜け落ちたかの様な怒り狂っている。
「ぐがぁぁぁぁぁぁ」
白虎の動きが更に速くなった。
「……あの……」
花子さんが私の服を引っ張っている。
「なに?」
「……危険だけど……作戦……ある……」
花子さんの作戦、正直びっくりだった。
花子さんは作戦とかを考えるタイプには見えなかったからだ。
「老猫将軍、なんとか白虎を近付かせないで」
「分かりました主様!!」
老猫将軍は全力の突風を繰り出し白虎を足止めしている。
その間に私は花子さんから作戦を聞いた。
「えっ、でもそれだと花子さんも危険に……」
「……いい……佳奈も……危険……だから……」
花子さんの顔を見て決心はついた。
「よし、やろう!!」
私は花子さんの後ろに立った。
「老猫将軍、合図したら白虎をこっちに!!」
「はいですじゃ」
白虎が花子さんから見て真っ直ぐの位置に移動した。
「今!!」
老猫将軍は合図とともに突風攻撃をやめた。
「覚悟しろ〜!!」
そのまま突進してきた。
ここまで作戦通りだ。
だけど、この後が問題だ。
「……えい……」
ドォーン
花子さんは浄化能力を全開にして白虎を盾で受け止めた。
白虎は盾にぶつかった衝撃を受けている。
「これでどうだ〜、ゼロ距離マシンガン!!」
私はその瞬間に白虎の身体にマシンガンを当て、ゼロ距離乱射した。
「ぐぁぁぁぁぁぁ」
白虎は悲鳴を上げて倒れ込んだ。
「……勝った……」
「やりましたな、主様、花子殿」
「みたいだね、花子さん、老猫将軍、お疲れ様」
私達はハイタッチして喜んだ。
「ぐぐぐ……はぁはぁ、よくここまでやったな……」
白虎がゆっくりと起き上がってきた。
だがダメージは大きいらしく立っているのがやっとのようだ。
「認めるぜ、そこの女……佳奈とか言ったか? これを受け取りな」
白虎から光の玉が飛び出し、私のマシンガンに吸い込まれた。
「それは生玉だ、生気を吸い取り放つ事も出来る。自分のでも相手の生気でもだ」
生気を武器に出来るのか……。
使い方を謝れば自滅してしまう恐ろしい力だ。
「えっと、ありがとう」
それでも十種神宝の1つだ。
私はお礼を伝えた。
「ふん、さっ、とっとと次の階にいきな!!」
白虎は拗ねるようにして寝転んだ。
私達は白虎の言う通り次の階に向かうことにした。
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