第126話 ダゴン3
「勝った……?」
ダゴンのタコみたいな足はさ〜ちゃんが全て斬り落とした。
ダゴンは動かない。
「動かないから勝ったの?」
しかし皆はまだ戦闘態勢になったままだった。
「佳奈、あいつはまだなにかするわよ」
メリーさんは油断するなと言っている。
私もマシンガンを構えたまま、ダゴンを見てみる。
よく見るとダゴンの色がどんどん赤くなっている。
「あれなに?」
「ヤバいですね、あれは自爆しようとしているのではないでしょうか?」
かんかんは冷静に分析していた。
「自爆ってヤバすぎでしょ!! なんとかならないの?」
あの巨体で自爆されたらこの付近一帯が吹き飛ばされる。
「ここから離すにもあの巨体だし難しいわね……」
「そうだネコ王様!! なにかないんですか?」
何と言っても王様だ、対策の1つくらいあるだろう?
「……すまぬ、城のダメージが大きすぎてバリアも迎撃もだせんのだ」
絶対絶命だ。
「なら、花子さん!!」
しかし、花子さんはさっきまでかなり頑張っていたせいで倒れ込んでいた。
花子さんの盾ならなんとかなるかも知れないのに……。
「賭けですが、ワタシがやりましょう」
かんかんが前に立った。
「さ〜ちゃんさん、こちらに急いで戻って下さい!!」
かんかんはさ〜ちゃんに戻るように指示を出した。
「皆さんはワタシを支えて下さい」
私はかんかんの背中を支えた。
「さ〜ちゃんを連れてきたわよ」
メリーさんがさ〜ちゃんを連れてきた。
「ワタシはダゴンを吸い込みますので、さ〜ちゃんさんはこの前でダゴンを細かく斬って下さい」
どうやらかんかんの武器であるハンディクリーナーで吸い込む気のようだ。
「いきます!! 全呪符開放・奥義・吸」
無数の札がハンディクリーナーに貼りついた。
「電源オン!!」
キュイイイイイイーン
凄い音をたてて、ダゴンを引き寄せている。
あの巨体を吸い寄せるなんて凄い吸引力だ。
ハンディクリーナーの直前まできたダゴンをさ〜ちゃんが細かく斬り裂いていく。
斬り裂いた部分はハンディクリーナーに吸い込まれている。
しかし、身体の色は真っ赤だ。
いつ爆発してもおかしくない。
「佳奈、ここはお願い!!」
メリーさんが空を飛んでダゴンの後ろに回った。
かなり後ろなので吸い込まれる心配はない距離だ。
「メリー!! インパクト!!」
メリーさんのトンファーがダゴンを押し出した。
「今です!! 最大パワー!!」
かんかんはハンディクリーナーのパワーを最大まで上げた。
スポ!!
ダゴンを全て吸収してしまった。
「終わったの?」
「はい、もう大丈夫です」
「勝ったのよ佳奈」
「やったぜぇ!!」
私は力が抜けたのか、そのまま座り込んでしまった。
しかし、城はほぼ崩壊状態。
かんかんの札は全て使い切ったら。
だから、勝つには勝ったが、ギリギリの勝利だった。
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