第115話 ティンダロスの猟犬1
「ここはングラネク山って場所ね」
クトゥルフの本を持ってきていたのかメリーさんが説明してくれた。
「この山の頂上に十種神宝があるのか……」
しかし、十種神宝が揃った所であいつらに勝てる保証はない。
特に俺達は狩り立てる恐怖という化物を目にしてしまったのだ。
あれは人間や怪異が勝てる生き物ではない。
勝てるとしたら、ニャルだけだ。
「なにしてんのよ、早く行くわよ」
考え事をしていた俺を池田が呼びに来た。
「あっ、悪い、今いく」
まぁあれこれ悩んでも仕方ない。
とりあえず池田を守る事だけ考えれば今はそれでいい。
「止まって下さい!!」
先頭を歩いていたかんかんが静止を呼びかけた。
「なにかいます……」
俺達は辺りを見渡した。
「うっ〜!!」
何処からか骨の犬みたいなのが現れた。
「ティンダロスの猟犬!!」
ニャルが声を上げた。
「ティンダロスの猟犬?」
「そうよ、こいつは人間以上の知能があって時間等に鑑賞出来るやっかいなやつなの」
時間に鑑賞?
「でも、俺達にそんな事が出来るやつなんていないよ?」
「確かにね、でも知能が高いかやっかいなのは変わらないわ」
「貴様等、ニャルラトホテプ様の命により、殺す!!」
ニャルラトホテプの命令だって!!
あと少しで十種神宝が手に入るのに!!
「皆、戦闘だ!!」
俺達は全員での久しぶりの戦闘を開始した。
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