第103話 今後
「完敗だね」
完全敗北だった。
私達の攻撃は何1つ効果はなかった。
「あいつ、最後の棺に向かったんだよね?」
「そうでしょうね」
最後の棺を私達に開けさせてアザトースを復活させようとしてるんだ。
「主様、大丈夫ですかじゃ?」
老猫将軍が目を覚ました。
「私は大丈夫、老猫将軍こそ大丈夫なの?」
私より気絶させられた老猫将軍の方が心配だ。
「大丈夫ですじゃ、ですが棺は開けられてしまったのですな……」
開かれた棺を見ている。
「……うん……、ねぇニャル……、棺を開けられるのは私達だけなんだよね?」
「そうだね」
「なら、もう棺に関わらない方が良いんじゃないの? 私達行かなければ棺も開かないでしょ?」
もうあんな化物と戦いたくないのも、もちろんある。
「それはオススメできないのよ、もしそれをすれば佳奈はまた洗脳されるから……」
私が洗脳?
「ニャル、何か知ってるならちゃんと話して」
「……分かった……前にあなた達が棺を開けられるって言ったけど、あなた達しか開けられないの」
「それは、他の人を呼んで開ける事は出来ないって事なの?」
なんで私達だけなんだろう?
「最初の棺があった世界もあいつが作った世界なの、九尾の狐も元々はあいつの配下なんだよね」
九尾の狐はあいつの配下だったのか……。
「あいつの配下はまだいるけど、とにかくあの世界の空気に触れた者で人間と深く関わってる者しか棺は開けられない。もっと言うと、八尺瓊勾玉を手に入れた人物と関わりのある者達なんだよね」
あの時、八尺瓊勾玉を手にしたのは松本だ。
つまり、あの時のメンバーしか開けられないのか。
松本、私、メリーさん、さ〜ちゃん、かんかん、ひきこさん、シロクマ、花子さん、二宮金次郎が該当者と言う事か。
「って、それならひきこさんと二宮金次郎を探されたらヤバいんじゃないの?」
ひきこさんと二宮金次郎はまだ合流出来ていない。
「それは大丈夫、この世界の力で正気を失ってるはずだから」
正気を失ってるいると棺を開けられないらしい。
「それでも2人共早く見つけた方が良いけどね、あいつは私が知ってるあいつじゃなくなってたから、何するか分からない」
同じニャルラトホテプのはずなのに通用しなかったからなのか?
「ニャル、あいつも同じニャルなんじゃないの?」
ストレートに聞いてみた。
「私達はアザトースの配下だったんだよね」
ニャルはアザトースの部下だったのか。
「ニャルラトホテプは1000の顔を持つって聞いた事ない?」
「ないけど?」
「ないわね」
「ないですね」
「……ありません」
「ないですじゃ」
全員否定した。
「とっとにかく、1000人の私がいると思って!!」
ニャルは顔を赤くしていた。
恥ずかしかったんだろう。
「それで、その中のほとんどは中立でなんの鑑賞もしない連中ばかりなんだけど、私やあいつみたいなやつもいるの」
「どんなやつ?」
「アザトースを崇拝するやつとそうではないやつの事なの」
「それって、あの黒ニャルラトホテプが崇拝者でニャルがそうではないって事?」
「そう、他にいるかは分からないけど、私達は立場が分かれているの、それであいつは崇拝者って事でアザトースから力を貰っているんだと思う、棺の封印も後1つだし……」
なるほど、黒ニャルラトホテプは力を得て、反旗を翻しているニャルは力を奪われているって事か。
「さっきの戦いで力を使いすぎたから、私の力はもう殆どないかな? かんかんと老猫将軍、これを回してみて」
ニャル、魔法みたいな力でガチャの機械を出した。
「このガチャで出た皆の武器は、十種神宝に対応してるのよ、だから引いてもらったの」
あのガチャはそう言う意味があったのか。
「分かりました」
かんかんはガチャを回した。
出てきたのは……。
「それって……」
どう見てもハンディクリーナーだった。
持ち運びは便利なクリーナーだ。
「なんでこれが……?」
「なら、ワシですじゃな」
老猫将軍も回してみる。
出てきたのは、うちわだった。
「これで暑い時も涼しく……ってこんなので戦えないですじゃ」
老猫将軍の言う通りだ。
「十種神宝を手に入れたら、それも立派な武器になんだよ〜」
さっきまでのちょっとシリアスモードのニャルが元の感じに戻ってきた。
「とりあえず今からは10人の仲間を集めないとねぇ〜」
「10人の仲間?」
「そうそう、十種神宝を持つ10人の仲間だよ〜」
それはつまり、私と松本、メリーさんにさ〜ちゃん、かんかん、ひきこさん、シロクマ、二宮金次郎、花子さん
そして、老猫将軍の事か。
「松本達は東の大陸にいるとして、ひきこさんと二宮金次郎を探して元に戻す事と十種神宝を探す事が、これからの優先事項になるのか、他の十種神宝は何処にあるか分かるの?」
しかし、ニャルは首を横に振った。
ニャルも分からないみたいだ。
なら、やる事は1つ。
松本達と合流する事だ。
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