第99話 ろくろっ首
「なんとか3階まで来れたね、後は階段探して屋上から地上に出るだけだね」
ニャルはキョロキョロと階段を探している。
「あら? 捜し物かしら?」
「ちょっと屋上に行く階段を……って誰!!」
普通に答えていたが、聞き覚えのない声が耳元から聞こえてきた。
振り返ると、顔だけが横にあった。
「きゃぁぁぁぁぁぁ」
私はその顔を思いっきり叩いた。
「痛いわね!!」
よく見ると顔だけではなかった。
長い首が廊下の奥まで続いていた。
こいつはメリーさんに聞くまでもない、私でも知ってる有名妖怪だ。
そう、ろくろっ首だ。
「よくもやったわね〜」
ブロロブロロロ
奥からエンジン音が聞こえる。
こんな建物の中でエンジン音?
奥からバイクに乗ったろくろっ首の身体がやってきた。
「ろくろっ首ってバイクに乗るんだっけ?」
「乗らないわよ」
「……乗らない」
冷静に判断するメリーさんと花子さん。
「呪符・雷撃」
流石はかんかん、すぐに攻撃を仕掛けた。
しかし、雷撃はバイクのタイヤにあったたがダメージはゼロみたいだ。
タイヤはゴム製なのだろう、雷を無効にしたのだろう。
「ニャルお願い」
声をかけたが、ニャルの姿が見当たらない。
どうやら階段探しで何処かに行ってしまったようだ。
「主様、ここはワシが!!」
老猫将軍はマキビシを地面にまいた。
「これであのバイクはパンクですじゃ」
しかし、バイクはマキビシの上を普通に走っていた。
「なんと、かなり硬いタイヤのようですじゃ」
やくにはたたない猫だ。
バイクは私達の周りをグルグル回っている、攻撃のチャンスを見ているようだ。
しかし、花子さんが盾で油断なく守っているから攻めかねているみたいだ。
「ここは任せて!! 伸びろ!!」
メリーさんのトンファー伸び、ろくろっ首の身体を吹き飛ばした。
ガシャーン
バイクが転倒し、ろくろっ首の身体も倒れている。
「いたた、ふざけるんじゃないわよ」
ろくろっ首は怒っている。
「あんたなんて、こうよ」
私達はマシンガンを乱射した。
「ぎゃぁぁぁぁぁ」
「止めはワタシが!! 新メリーロングインパクト」
メリーさんのトンファーがすごい速さで伸び、ろくろっ首の顔面に直撃した。
しかも、伸び縮みを高速で繰り返してボコボコにしていた。
勝ち方が怖いけど、勝ったみたいだ。
「お〜い、階段見つけたよ〜」
戦闘してたとも知らないでニャルは呑気な声を上げている。
「今いくよ〜」
ここにいる理由もないので先に進む事にした。
本作をお読みいただきありがとうございます。
よろしければブックマークと評価をお願い致します。
感想も宜しくお願い致します。
それでは引き続きお楽しみくださいませ。