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第9話 ドッペルと九尾の狐

「そこの窓からグラウンドに!! 早く!! 」


 俺は叫んだ。

 俺達がグラウンドに行くと、コピー池田も着いてきた。


 「さ〜ちゃん!! メリーさん!! 」


 2人は俺の声と同時に飛び出した。

 

 「待って!! 」


 池田の声で飛び出した2人が止まった。

 良く見ると、コピー池田は襲ってくるような気配がない。

 

 「ミナゴロシ〜」


 相変わらずミナゴロシって言ってはいるが。

 池田がコピー池田に近付いていく。

 

 (心配だけど、ここは池田を信じてみよう)


 「貴方、私なんだよね? 松本をここに連れてきてくれた私だよね? 」


 池田はコピー池田を説得しているようだ。


 「私と私で争いなんて出来ない……」


 「ミ……ナ……ゴロ……」


 コピー池田が動揺している。


 「松本をここに連れてきたんだから、帰る方法も知っているんじゃない? 教えて……そして、一緒に行う!! 」


 「おい、コピー池田も連れて行くのか」


 「私なんだから一緒に……」


 そう言って、池田はコピー池田の頬に手を当てた。

 

 「ミ……」


 「正気に戻って……」


 池田のその言葉に反応したのか、コピー池田の雰囲気が変わった。


 「私は、あんたのコピーなんだよ」


 「知ってる」


 池田は笑顔で答えた。

 その笑顔に見惚れていたのは言うまでもない。

 

 「松本は久しぶりだな」


 「ああ。あん時はありがとな」


 その時


 「良い雰囲気の所申し訳ないけど、立場分かってる? 」


 後ろから声が聞こえた。

 振り返ると着物を来た人が立っていた。

 しかも、驚愕な事にそいつは知っている顔だった。

 同じクラスの篠原恵だった。

 さらにその横に、さっきの最強ゾンビが立っていた。

 あちこち傷ついているので、さっきまで戦っていたゾンビに間違いない。

 

 「ま、まさか、あれで生きてるとら……それに、なんで篠原がいるんだ? 」


 「松本、篠原さんって誰? 」


 池田は篠原を知らない見たいだ。

 そんなはずはない。


 「篠原だよ。同じクラスの」


 しかし、池田は首を傾げている。


 「池田さんの反応は間違ってないよ」


 コピー池田が口を挟んだ。


 「どうゆう事だ? 」 


 「こいつは、玉藻前よ!!」


 メリーさんも口を挟んできた。


 「玉藻前? 玉藻前って九尾の狐の? 」


 「そう、こいつは人の感情を騙したりするの。松本達のクラスは騙されていたんだよ。池田さんはこっちに閉じ込められていたから影響なかったの」


 「解説ご苦労様、裏切り者のドッペルさん」


 「ドッペル? ってドッペルゲンガー!! 」


 「そっ、私の本当の名前はドッペルゲンガー。 まぁ、コピーでも合ってはいるんだけどね」

「さて、裏切り者の名前も判明した事だし、そろそろミナゴロシだぁ〜!! 」


 「待て!! なんで池田を閉じ込めたんだ? 」


 「あ〜、その事? 理由かぁ〜、それはあんたが偽物に気が付かないで呑気に生活していくのが見たかったからかな? まぁ気まぐれ。 そして、時間が立った頃に、ボロボロになった本物の池田さんにご対面。 どんな顔するか想像しただけで、涎が出ちゃう。 それなのに、あんたはそれを台無しにした。 だからミナゴロシだぁ〜!!」


 玉藻前の姿が見る見る変わっていく。

 人間から九尾の狐に変身しているようだ。


 「戦うしかないのよ」


 コピー池田改、ドッペルが言う。


 更に、横にいたゾンビも戦闘態勢に入っていた。

 さ〜ちゃんは、ゾンビに向かって走り出していた。

 日本刀で斬りかかるさ〜ちゃん。

 それを斧で受けるゾンビ。

 切合いが始まった。

 

 その横では今にも変身が終わりそうな九尾の狐がいた。

 

 「何か武器はないのか? 」

 

 今の俺達には、さ〜ちゃんの日本刀しか武器がない。


 「ここがグラウンドなら、体育倉庫があるんじゃない? 」


 池田は頭の回転が早い。

 確かに体育倉庫なら、武器になりそうな物があるかもしれない。

 

 ゾンビはさ〜ちゃんに任せて、変身しきる前に武器を確保しなければ。

 

 体育倉庫には鍵がかかっていなかった。

 その扉を開けると……。


 「斬るきるきる〜」


 さ〜ちゃんとゾンビはほぼ互角の戦いをしている。

 

 「さ〜ちゃん!! 離れて!! 」


 俺は体育倉庫にあった、ピッチングマシンを起動していた。

 

 硬球なので、ダメージを与えられるはずだ。


 「行けぇ〜!! 」

 

 しかし、余りダメージを与えている様には見えない。

 全く効いてないわけではないが、正直、足止めにしかなってない。

 さっきの戦闘でかなりのダメージがあるはずなのに。

 なにか止めの一撃を与えないと。

 さっきのエレベーター落下みたいに派手なダメージでなくても、この硬玉の連射よりダメージが与えられる物が。


 「マジかよ」


 「そのまま足止めしてて」


 池田とメリーさんとドッペルが後ろで何かしてる。

 俺はひたすら撃ちまくった。

 だが、九尾の狐の変身が終わってしまった。


 「お待たせ。 さぁ、地獄の祭りの開演だ」


 狙いを九尾の狐に変更するわけにはいかない。

 しかし、九尾の狐を野放しには出来ない。


「さ〜ちゃん、こっちは任せてくれ。 だから、九尾の狐を!! 」


 そう言うと同時に九尾の狐の背後から、日本刀で斬りつけるさ〜ちゃん。


 流石さ〜ちゃんだ。

 状況判断が凄い。


 これで、九尾の狐は大丈夫なはずだ。

 なので、早くゾンビを倒さないと。

 

「まだなのか? 」


「お待たせ!! メリーさんお願い!! 」


 かなりの上空からなにかが、ゾンビに向かって落ちてくる。

 その何かがかなりの音をたてて、ゾンビの頭上に落下した。

 その直後、ゾンビは倒れ込んだ。


「一体何をしたんだ? 」


「ドッペルの携帯でメリーさんに位置を教えて、メリーさんに砲丸の玉を超上空から落下させたの」


 砲丸の玉を頭上に受けたゾンビはもう立ち上がらなかった。


 さっきのエレベーター落下のダメージがデカったみたいだ。


 「おやおや、勝利の余韻ですか? 」


 声を聞いて九尾の狐を見ると、さ〜ちゃんが倒れていた。


 九尾の狐は、あの短時間でさ〜ちゃんを倒したんだ。

 

 

本作をお読みいただきありがとうございます。




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感想も宜しくお願い致します。




それでは引き続きお楽しみくださいませ。

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