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からっぽやみな魔王(おれ)とチートな愛人(つま)たち  作者: 甲陽晟
エピソード4 聖地繚乱と昏き神
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19 四人娘、大暴れ…強敵もぞくぞく…

 二人のにらみ合いはしばらく続いた。

 先ほどの喧騒が嘘のような静けさが広がった料理室、いや元料理室と呼んだ方がよいか。そのなかで二人は殺気を迸らせ、間合いを読みあっている。

 まさしく剣豪同士の対決を思わせた。

 

 先に仕掛けたのはクーパーの方だ。


 そばに転がっている調理台をいきなり蹴り上げた。

 大人ほどの大きさの調理台が、サッカーボールのようにプリムラに向かって飛んでいく。しかし、プリムラは向かってくる調理台を見ても慌てることなく、ハエを追い払うように、それを横に掃った。

 まっすぐ飛んで来た調理台は、直角に曲がり、料理室の壁に突き刺さった。

 その後ろからいつの間に移動してきたのか、クーパーがいきなり現れ、手にした牛刀でプリムラの首に斬りつけてきた。


 プリムラの首に牛刀が届く寸前、黒い翼がそれを阻止する。


 しかし、攻撃はそれで終わらず、反対方向から今度はペティナイフがプリムラの目を狙ってきた。

 その前にも黒い翼が盾となって防いだ。

 今度は頭上からフライパンが振り下ろされる。

 それも防ぐ。

 更に中華鍋、中華包丁、お玉と攻撃は続く。

 すべてが死につながるような威力のある攻撃だ。

 それをプリムラは何でもないようにすべて防いだ。


 クーパーが一旦距離を置く。

 「やりますね。これは料理のし甲斐がある。」

 「御託はあの世でして。」

 今度はプリムラが仕掛けた。


 黒い翼が両側からクーパーを切断しようと迫る。

 クーパーの手からフライパンと中華鍋が離れた。

 迫る翼とその二つがぶつかり、金属音と火花を散らす。


 フライパンと中華鍋を弾き飛ばした翼を掻い潜り、クーパーの身体が一瞬でプリムラに接近する。

 再び牛刀がプリムラの頭を狙う。

 新たな翼が出現し、それを弾く。

 今度は中華包丁が別の方向から襲い掛かる。

 プリムラが後ろに引いて、それを避けるが、今度はペティナイフが顔面に飛んでくる。

 首を傾いで、間一髪でそれを躱す。

 

 一旦、距離を取ろうとするプリムラ。

 しかし、クーパーの手を離れ、料理道具が宙を舞いながら追いかけてくる。


 「調理道具は我が、しもべ。我が命に従い、料理を共に為す。」

 「たいそうな道具ね。」

 軽口を叩くプリムラだが、その目は自分を襲ってくる料理道具の動きを追い、一時の余裕もない。

 「ブラックフレア(漆黒の獄炎)」

 プリムラの手から黒い炎が迸る。

 クーパーの前に中華鍋が戻り、その炎を防いだ。

 「ダークランス(闇の魔槍)」

 クーパーの影から闇色の槍が複数突出した。

 「無駄だ。」

 今度は牛刀が戻り、槍をすべて斬り倒した。

 「くっ」

 後ろに下がるプリムラの背中に壁が当たる。

 

 追い詰められた。


 「仕上げだな。」

 クーパーの口元が吊り上がる。

 

 プリムラの周りを八つの料理道具が囲む。

 逃げ場はない。

 クーパーの手にはいつのまにか刃渡り30センチほどの刺身包丁が握られていた。


 「解体して、刺身にしてやる。」

 「ピンクブルーム(さくらだい)といっしょにしないで。」

 「きさまはグローブフィッシュ(ふぐ)の方だろ。」

 その言葉にプリムラの理性のひもが切れた。

 「なんですって。」

 「怒ったか?怒ったところで何も変わらん。」

 クーパーの表情は自信満々だ。


 「いけ!」

 合図とともに宙に浮かぶ八つの料理道具が一斉に襲い掛かった。

 ひとつひとつが意思があるように、プリムラを殺そうと威力ある攻撃を仕掛けてくる。

 プリムラはそれを冷静に躱し、翼を使って弾き飛ばす。

 「言う割には大したことないわね。」

 「そうか?」

 クーパーは、その場にとどまり、黙ってプリムラの戦いを眺めている。

 「ダーク・シルク(闇夜の絹布)」

 詠唱とともにプリムラの手から闇色の布が大きく広がり出て、投網のように八つの料理道具をすべて包み込んだ。

 布に包まれた道具たちは、抜け出ようと暴れたが、すぐさま小さくたたまれ、やがて静かになった。

 それを手に握りこんだプリムラは、クーパーに向かって嘲笑を見せた。


 「ばかめ」

 「?」

 「カッティングボード(まな板)」

 

 クーパーの詠唱とともに、その足元に巨大な板が出現し、それがプリムラの足元に向かって滑っていく。

 不意の出来事に、プリムラは対処が追いつかず、足元をすくわれ、まな板に尻餅をついた。

 「串打ち」

 プリムラの上空から複数の串が落ちてきた。

 それは、正確に両腕、両脚、首を挟むように撃ち込まれ、プリムラは身動きできなくなった。

 「解体ショーだ!」

 クーパーが飛び上がると、プリムラに覆いかぶさるように着地し、手にした刺身包丁を構えた。

 鋭く輝く包丁の切っ先が、プリムラの豊満な胸を狙う。


 「デスペア・アビス(絶望の深淵)」

 まさにプリムラの胸を貫こうとした瞬間、プリムラの詠唱とともに床に巨大な穴が開いた。

 底も見えない、漆黒の空間が広がる穴に、刺身包丁を構えたままのクーパーとまな板に括り付けられたプリムラが共に落ちていった。

 「うおぉぉ~‼」

 漆黒の穴から脱出しようとクーパーは、飛翔の魔法(フライング)を使おうと、まな板を蹴った。

 「絶望の闇へようこそ。」

 プリムラが残忍な笑みを浮かべながら、深淵の底に消えていった。

 

 上空を見ると、穴がどんどん小さくなる。

 クーパーは必死に飛ぼうとした。しかし、身体が浮かない。

 「飛べない、飛べない、とべない~‼」

 手足をバタつかせながらクーパーは底なしの闇の中に消えていった。


 やがて、黒い穴は小さくなり、人の口ほどになると、そこにプリムラが現れ、穴はプリムラの口へと変わっていった。

 立ち上がったプリムラは、腹を軽く撫でる。

 「私の胃袋の中で絶望に震えながら溶けていきなさい。」

 満足そうな笑みを浮かべたプリムラの耳に、なにかが爆発する音が届いた。


 驚いて外へ出ると、ローザと気が付いたティアラが、城の中心部を見ていた。

 「どうしたの?」

 「あ、プリムラ。アウローラがだれかと戦っているみたい。」

 「えっ、アウローラが?」

 ローザが指差す方向に、宙を滑空するアウローラの姿があった。

 そこへ、火炎弾(ファイアブレッド)が容赦なく撃ち込まれる。

 「なに、あの大量の火炎弾(ファイアブレッド)は?」

 「アウローラが戦っている相手が放っているみたい。」

 「でも、アウローラなら簡単に片づけられるでしょう。」

 「ちょっと、様子が違うようよ。」

 ローザは心配というより面白がって見ているようだ。


 アウローラは、いつもと違う相手に戸惑っていた。

 メイドのメアリは、一度倒しても次には多数のメアリが現れて、アウローラを攻撃する。

 倒しても倒しても、蟻のように増えて、攻撃を続けるのだ。

 「もぉ、面倒くさい。」

 また、火炎弾の弾幕がアウローラを攻撃する。

 後ろからは戦闘機のように飛びながら、手にした弓で矢を射かけてくる。

 

 飛んで来た矢を朝霧丸ですべて叩き落とすと、飛んでくるメアリの集団の中に飛び込む。

 「自分がいる場所に火炎弾は撃てないでしょ。」

 弓矢を持つメアリと戦いながら独り言を言うアウローラの目に、下から火炎弾が撃ち込まれてくる。

 「うそでしょ。敵も味方もお構いなし?」

 高射砲のように撃ち込まれる火炎弾を素手で払い除けながら、周りを見れば、同じメアリが次々と火炎弾で爆裂して、跡形もなく消えていく。

 「こいつら!」

 アウローラの口が大きく開く。


 「アウローラがドラゴン・サイ(竜の吐息)を使う気だ。急いで逃げて!」

 プリムラが瞬間移動(テレポート)で二人を移動させ、自身も移動する。


 アウローラの口に大気が圧縮される。

 狙いは真下にいるメアリたち。


 「ドラゴン・サイ(竜の吐息)」


 アウローラの息が砲弾のような塊となって発射された。

 高速で走るその塊は、あっという間に地面を貫き、大音響とともにメアリだけでなく、周りに建つ建物を巻き込んで大爆発を起こした。

 

 爆風が城の半分をなぎ倒し、爆発による揺れは地面は言うに及ばず、城を囲む外壁にも亀裂が生じた。

 瓦礫が降り注ぎ、建物が崩壊するなか、爆心地には動く者はひとりのなかった。


 「これでみんな片付いたでしょ。」

 『アウローラのバカ!』

 突然、アウローラの頭に念話が響く。

 「なんですって!」

 怒りの目で辺りを見廻すアウローラの目に、宙に浮く、同じく怒り顔のプリムラと彼女に抱えられているローザとティアラが映った。

 「私たちも殺す気!?」

 プリムラがそばに近づき、大声で叫んだ。

 「耳のそばで大声出さないでよ。どうしたの?プリムラ。」

 「あんたの吐息で、あやうく死ぬところだったんだからね。」

 「えっ、近くにいたの?知らなかった。」

 びっくりしたような顔をするアウローラに、プリムラは呆れたような表情を見せた。

 「もう、いつも言ってるでしょ。周りに気を配ってから力を使いなさいって。」

 「えぇ、そんなこと言ってた?」

 「言ってた。」

 半ば怒り、半ば呆れてプリムラは鼻から息を吐く。


 「しかし、すごいことになったね。」

 ローザが二人の言い争いを他所に、自分たちの下に広がる光景を眺めながら、面白そうに語った。

 それにつられて下を見た三人は、荘厳な佇まいだったアルカイトスの城が、半分以上無残な瓦礫と化しているの見て、あらためて三人が同様のため息を吐いた。

 「ちょっとやりすぎたかな。」と、アウローラはバツが悪そうな声を出し、

 「ちょっとどころじゃあないと思うわよ。」と、プリムラは非難の混じった目でアウローラを見、

 「アリスは大丈夫でしょうか?」と、ティアラは友の心配をする。

 「とりあえず、リシャールが言ってた書斎とかいうところに行ってみない?」

 「そうですね。地下にあると言ってましたから、無事かもしれません。」

 四人は互いを見て、頷きあうと、アルカイトスの書斎の場所へ向かった。



 そのころ、応接室にいたアルフレッドは、修理をやっと終えたタイミングで、ドラゴン・サイ(竜の吐息)の爆風で部屋ごと吹き飛ばされてしまった。

 瓦礫の下敷きになったアルフレッドは、何事もなかったように自分の上に積み重なった瓦礫を持ち上げ、脇に放り投げると、服についた埃をはたき落としながら、周りの状況を確認した。

 城の建物は半分以上崩壊し、無事に立っている建物も窓ガラスが割れ、外壁に亀裂が走り、屋根が崩れているところもあった。

 「せっかく直したというのに、もっとひどいことになりましたね。」

 冷静に呟くアルフレッドだが、言葉の端に怒りが滲んでいる。そのとき、アルフレッドに念話が入った。

 「メアリですか?何事が起ったのですか?」

 『アルフレッド様、申し訳ありません。招かざる来客がありまして、帰っていただこうとしたのですが、それがかなわず、お城がこんなことになりました。』

 話の向こうから真に申し訳ないという気持ちが伝わってくる。

 「それで、メアリは大丈夫なのですか?」

 『私の複製体(ほとんど)をお客様に破壊され、現在、再生もままなりません。』

 「そうですか。それでお客様はどちらに行かれたのですか?」

 『アルカイトス様の書斎に向かうと思われます。アリス様を連れ戻しに来たようですから。』

 「アリス様を。わかりました。後のことは私が対処します。あなたは休んでいなさい。」

 『恐縮です。処分はいかようにもお受けいたします。』

 「アルカイトス様が決めるでしょう。それまで部屋で謹慎をしていなさい。」

 『畏まりました。』

 素直な返事を残して、メアリの念話は切れた。


 「さて、アリス様に申し上げねばなりませんね。」

 独り言を言った後、アルフレッドは軽く跳躍すると、瓦礫を次々と飛び越え、目的の場所へ向かった。



 ドラゴン・サイの衝撃は、地下の書斎で時間を持て余していたアリスの身体も揺らした。

 「なに!?なにが起こったの?」

 椅子から立ち上がったアリスは、書斎から飛び出した。

 地上にあがる螺旋階段は幸い、なにごともなく、アリスは急いでその階段を駆け上がっていった。


 地上に出て見ると、城は瓦礫と化し、あまりの変貌にアリスは立ち竦んでしまった。

 そこへアルフレッドがやってくる。

 「アルフレッド、これはどういうこと?」

 「招かざる客のせいでございます。」

 「招かざる客?」

 「メアリが対処しようとしましたが、力及ばず、このような仕儀と相成りました。」

 アルフレッドが頭を下げる。

 「招かざる客って、どんなやつらなの?」

 「私もはっきり見たわけではありませんが、これほどの事を成す輩。おそろしい力を持つ者と思われます。」

 「それは主様にも危害をくわえるの?」

 アリスの言葉にアルフレッドの頭が上がった。

 「おそらく、左様かと。」

 アリスの目を見つめ、アルフレッドは無表情に答えた。

 「そう、主様に危害をくわえるというなら私が対処しましょう。」

 「いえ、アリス様になにかあれば、私がアルカイトス様に叱られます。ここは私が対処いたしますので、アリス様はアルカイトス様のそばにいてください。」

 「それでは、あなたが…」

 「大丈夫です。私もそう簡単にはやられません。」

 アルフレッドが初めて笑顔を見せた。

 「そう、ならアルフレッドがやられたら私が出ましょう。」

 「そうならぬよう尽力いたします。」

 再び頭を下げるアルフレッドを置いて、アリスはまた地下の書斎に戻っていった。


 アリスを見送ったアルフレッドは、向きを変えると、空を見上げた

 こちらに向かってくる四つの点が見える。

 アウローラ、プリムラ、そしてローザとティアラだ。

 「もう来ましたか。」

 客を迎えるためか、アルフレッドは襟を正した。


 書斎の入り口と思われる場所についたアウローラたちは、入り口の前で立っている男に気づいた。

 「だれかいるよ。」

 「アルカイトスとかいうやつの配下じゃない。」

 「ともかく降りましょう。」

 「……」

 四人はアルフレッドの前にゆっくりと降りていった。


 アルフレッドは、立ち並ぶ四人を確認すると、深々と頭を下げた。

 「ようこそ、いらっしゃいました。私は当城で執事を務めておりますアルフレッドと申します。」

 礼儀正しく自己紹介する。

 アウローラをはじめとする三人は、いつもと違う対応に戸惑っているが、ひとりティアラだけは落ち着いた態度で一歩前にでた。

 「ご挨拶痛み入ります。私はティアラと申します。後ろにいるのが右からアウローラ、プリムラ、ローザと申し、皆がアリスの友人です。」

 「ほお、アリス様の御友人でいらっしゃいますか。」

 アルフレッドは少し驚いた表情を見せた。

 「ここに私たちの友人アリスがいると思います。迎えに来たとお伝え願えますか?」

 「迎えに…?」

 アルフレッドは困ったようなしぐさをし、五人の間に気まずい沈黙が流れた。

 「それはこまりましたな。アリス様はアルカイトス様の身の回りを御世話する方。あなた方に連れていかれては、私はアルカイトス様の不興を買います。」 

 「邪魔をするということですか?」

 ティアラの眉間に皺がよる。

 「いえ、お帰りを願うということです。」

 アルフレッドの眼が鋭く光る。

 「さっきのメイドも同じことを言っていたわ。でも、私はここにいる。あなたも無駄なことはしなことね。」

 アウローラがティアラの横に立つと、自信ありげに腕を組んだ。

 「私をメアリと同じと考えないでいただきたいですな。」

 アルフレッドも一歩前に出て、手にしていた白手袋を外しにかかった。

 「私が相手する。あなたたちは地下へ向かって。」

 アウローラが身構えながら他の三人に指図する。

 「そのほうがよさそうね。いきましょ。ティアラ、ローザ。」

 プリムラがティアラとローザを呼ぶ。

 「そうはいきません。」

 アルフレッドの体中から恐ろしいほどの魔量(エネルギー)が噴き出し、それがドーム状に広がっていった。


 「ハートレス・アリーナ(無情の闘技場)」


 ドーム状に広がった結界のようなものにアウローラたちは、首を傾げた。

 「こんなので私たちを閉じ込めたつもり?」

 「このアリーナに入った以上、最後の一人になるまで出ることはできません。」

 アルフレッドは確信めいた言葉使いで、四人に向かって断言した。

 「こんなの簡単に壊せるわよ。」

 プリムラがアリーナの結界に近づき、ブラックレザーウィング(漆黒の鋭翼)でいきなり切り刻んだ。

 結界に穴が開いたと思った瞬間、結界はあっという間に元に戻った。

 「えっ?」

 「私がやります。ホーリージョベリン(聖光の投槍)」

 ティアラの手から輝く槍が撃ちだされる。それがアリーナの結界にぶつかり、閃光とともに穴が開く、がすぐに元通りになる。

 「こ、これは…?」

 「ハートレス・アリーナの結界は、いくら破壊してもそのそばからすぐに再生されます。出ることはかないませんよ。」

 アルフレッドは、静かな佇まいで四人を見つめる。

 

 「あなたを倒さないと出れないというわけ?」

 「さあ、どうでしょうか。」

 アルフレッドにからかうような笑みが浮かぶ。

 アウローラがアルフレッドの前に歩み寄り、闘気を漲らせた。

 負けじとアルフレッドも闘気を放出する。


 二人の闘気がぶつかり、空気が揺れる。


 「武器は持ってないの?」

 アウローラがアルフレッドに問う。

 「私の身体が武器です。」

 気負いもなく、答えるアルフレッド。

 「そう、じゃあ、私も素手で相手するわ。」

 「よろしくお願いします。」

 アルフレッドは礼儀正しくお辞儀した。つられて、アウローラも頭を下げる。


 「ハッ!」

 アウローラが頭を上げた瞬間、アルフレッドの左拳が顔面に飛ぶ。

 それを右手で受けるアウローラ。

 「いきなり?」

 「挨拶はすみましたので。」

 両者が不敵に笑う。


 アウローラとアルフレッドの格闘がはじまった。


 


 

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