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タンスの妖精

作者: 庄垣彬


タンスの妖精


都内のマンションの2階、忙しそうに人が出入りしている

今日、このマンションに引っ越しをしてきたは

小泉ひろみ27歳、都内の会社のOLで独身、彼氏無し

去年、彼氏と別れたのを、吹っ切るために引っ越しを考えていた

何とか資金が貯まり今日、このマンションに越してくる事ができ

ひろみは引っ越し屋の作業を見守っていた

荷物は少ない、電化製品と衣服、ベッド、食器と少しの家具

「あっ、服、どうしよう、片付ける所がないなぁ」

以前住んでいた所には備え付けのクローゼットがあった

「そう言えば近くに、中古の家具屋があったよね、明日見てこよう」

引っ越しも終わり、隣、上の階、下の階の住人に挨拶を済ませ

ようやく新居を1人で楽しむ事が出来る・・・ちょっと寂しいが

それに、衣服はまだ段ボールの中

「うん、やはり、明日見に行こう」

自分で納得して、その日は早目に眠った

次の日、早く起きて、新しい部屋の朝を満喫

そして、昼の近くの中古家具屋に行く事にした

歩いて数分、綺麗な店構え、そして綺麗な家具が並んでいた

「どれがいいかなぁ」

部屋に合う色、収納力、何より自分の好みの物・・・「いいのがないなぁ」

一通り店内を見たけれど、気にいった物が無いように思えたが

「あれは?」

店に隅に(よくある展開だけど)ひっそりと置いてある洋服ダンスに目がいった

木造で少し古め、木目がいい感じで、流れていて骨董品のように思えるくらい

大きさも悪くない、服もスーツやワンピースもハンガーですむ

「いいかも、すみません、すみません」

ひろみは店員を呼び一応聞いてみた

「お客さん、これですか?」

何か嫌な雰囲気

「売り物ですよね?」

「そうですけど、かなり古くてね、デザインも今風じゃないし、他の物でお勧めがありますよ」

「これでいいの、見た目汚いから綺麗に出来る?」

「できますけど・・・」

店員はどうも気が進まないようだけど

「じゃあ、これください」

値段は5千円、いい買い物をしたとひろみは納得

二日後に届けてもらう事にした


二日後、会社から帰ってきてすぐに洋服ダンスが届いた

部屋の定位置に鎮座さし、しばらく眺める

「うん、いい感じ」

ひろみは早速、段ボールから服を出し洋服ダンスに入れていく

思っていた以上に服の量があって中は山もりになったが

何とか部屋は片付いた

「ふぅ、何とかなった」

洋服ダンスの扉を閉めて

「これで、見栄えはよし、ははは」

はれて、1人の部屋を満喫できる事を喜ぶひろみだった

うだうだ、夜を過ごし、寝る事にした

電気を消してベッドに入る

静かな部屋にひろみの寝息だけが響いているだけのはずが

ガタッ、ガタッ、ギィー、ガタッ

シーン

グゥー、グゥー(ひろみのイビキ)


朝、いつもの時間に起きて朝食を済まし着替えをする

洋服ダンスからスーツを・・・「あれ?」

昨日、たたんで下に入れた服、綺麗に積んだはずなのに崩れている

「う〜ん、まあ、いいか帰ってから片付けよう」

着替えを済まして部屋を出ていった

仕事が少し遅くなり午後9時に部屋に帰ってきた

ドアを開け、暗い部屋に入り

「はぁ〜疲れたぁ」

電気をつけると

「キャー、なにこれ、どうして・・・泥棒?」

部屋の中、服が洋服ダンスから飛び出していた

まるで泥棒が入ったみたいに

警察を呼んで調べてもらった

盗まれている物は無い

散らかっているのは服だけ、しかも人が入った痕跡が見当たらない

「う〜ん、どう言う事?」

警官は頭をかしげていた

「本当に自分でやってないんですよね?」

「なにを言ってるんですか、こんな事、する訳ないでしょ」

「ですよね、とりあえず、指紋とか取りましたし、調べてみます」

「それだけですか?」

「ええ、盗まれた物もないのならこれ以上は」

「そうですか、分かりました」

ひろみはキレ気味で言った

警官が帰り、仕方なくひろみは服を洋服ダンスに片付け始めた

「ふぅ〜、やっと終わった」

片付けが終わり扉を閉めようとした時

ガタッ、ガタッ

「えっ?」

洋服ダンスの中で音がする

ガタッ、ガタッ

閉めようとしている扉が逆に開こうとしていた

「えっ?えっ?」

ひろみは混乱している

ガタッ、ガタッ、ガタッ

ひろみの手が扉から離れると

扉が勢いよく開き、ひろみは後にひっくり返る

そして、先ほど入れた服が勢いよく、ひろみに向かって飛び出した

「わぁ」

バサ、バサ

「うぅぅ」

服に埋もれてひろみがもがいていると

「もう、いい加減にしいや、服、入れ過ぎやっちゅうねん」

服の間からひろみが洋服ダンスを見ると、中から顔が出ていた

「キャー、キャー、誰かぁ」

「おい、おい、静かに」

「キャー、キャー」

ひろみは思いっきり叫んでいる

洋服ダンスの男はヌゥーと出てきてひろみの側に立つ

「静かにしいや、別に怪しい者やないし・・・あっ、あやしか、ははは」

「キャー、キャー、助けてぇ〜」

「もう、ほんま、たまらんなぁ」

そう言って洋服ダンスの男はひろみの口を塞ぎ

「ほんま、静かにしてくれへん、説明するし、分かった、分かったら頷いて」

ひろみは不審な目をしながら頷いた

それを見て男が手を離すと

「いやぁ、キャー」

「だから、もう、うるさいわ」

逆に男が大声怒鳴ると、ひろみは静かになった

「はぁ、やっとか」

男は扉が開いた洋服ダンスに腰をおろしてため息をつく

「あなた、だれよ、どうやって、入ったのよ」

「まあ、今から説明するから、黙って聞いといて」

やっと落ち着いた雰囲気になり男が説明を始めた

「えっと、俺は誰かと言うと、洋服ダンスの妖精」

「・・・」

「今、嘘って、そんな奴おらんやろうって、思ったやろ?」

ひろみは頷く

「それが、ほんと、妖精なんやで」

「証拠は?」

「証拠?証拠、証拠ねぇ・・・あっ、あった」

おもむろに服を脱ぎだす男

「いやぁ〜」

「おう、ごねん、なんもせえへんし、今、証拠見せるから」

上着(スーツを着ている)を脱ぎワイシャツも脱ぐ

そして、ひろみに向かって背中を見せると真ん中あたりに小さく動くものが

「なに?」

「羽」

「羽?・・・ちっちゃ」

「ちっちゃ言うな」

親指くらいの半透明の羽がパタパタしている

「こんなので、飛べるの?」

「飛ぶ?何を言うてんねん、こんなんで飛べる訳ないやん、ファッションやで」

「ファッション?これが」

「そうや、あかんか」

「でも、妖精なんでしょ、飛べないって」

「あほ、いろんな妖精がおんねん、まあ、中にはめちゃ飛ぶ奴もいるけど、飛んだっていい事ないやん、飛ぶ奴はたいがい蚊ぐらい小さいし、殺虫剤でシューなんて事もされるし

蠅たたきでパシッなんてしばかれたりするねんで、そんなん怖いやん」

「あんた、本当に妖精?」

「ほんまやって、信じいやぁ」

「で、どうして関西弁なの?」

「関西の木でできてるしなこれ」

「はぁ?」

「そやし、この家具が関西の木でできてるし、俺が関西弁で喋ってるの」

「ふ〜ん」

「納得したか」

「う〜ん、いまいち」

「まあ、いいわ、とりあえず説明出来たし」

「でも、どうして出てきたの?」

「ああ、それね、あんた服入れ過ぎなんや、ほんま窒息するおもたわ」

「はぁ?洋服ダンスって服を入れるものでしょ」

「あほ、入れ過ぎたら服にもようないし(よくない)、俺が苦しいやろ」

「苦しいって、そんなわがままな」

「わがままなんわ、あんたや、着ひん服いっぱい入れて、邪魔なんや」

「邪魔って、私の服だし、私の洋服ダンスなの」

「違う、俺の洋服ダンスや・・・ちごた、俺が洋服ダンス」

「なによ、もう、おかしくない、それ」

「おかしくない」

ひろみは腹が立っているけど、おかしな妖精との会話が楽しかった

「そうだ、あなたの、妖精さんの名前は?」

「俺の、名前、そやな、ダンちゃんとでも呼んでくれ」

「ダンちゃん?」

「そう、洋服ダンスのダンちゃん、ははは」

「ダンちゃんね、はいはい」

「おい、なんやそれ、人のじゃなかった、妖精の名前聞いといて、その態度」

「なによ、文句あるの?」

「ま、まあ、いいか、名前聞いてくれたし」

いつの間にか立場が逆転している

「あっ、もうこんな時間」

ひろみは時計が10時半を指しているのに気がついた

「もう、明日の仕事なのに、それにまだご飯の食べてない」

「あっそ、じゃあ、ゆっくりご飯でも食べてください、俺はもう寝るし」

「寝るし?ちょっと待ってよ、」

洋服ダンスに入ろうとしているダンちゃんの服をつかんで止めるひろみ

「あんたのせいなんだから、付き合ってよ、ご飯」

「はぁ?何ゆうてんねん、そんなん付き合えるか」

「だめ、付き合って」

「いやや」

「じゃあ、付き合ってくれたらダンちゃんの言っていた事ちゃんとするから」

「ほんま?」

「ほんま」

「しゃーないな、ご飯だけやで」

「他に何、付き合うの?バッカじゃない」

なんだかんだで、ひろみの食事に付き合うダンちゃん

ひろみはビールを飲み始め酔いだす

ダンちゃんは酔ったひろみに質問攻めにあう

結局、ひろみが寝たのが2時頃

ダンちゃんは眠ったひろみをベッドに寝かし

疲れ果てた体で洋服ダンスに入っていった

そして、2人?の奇妙な生活が始まる


次の日の朝、ひろみが目覚ましで起きる

「うぅぅ、朝?」

テーブルを見ると食べた後の食器がそのまま

「あれ?昨日は・・・あっ」

ひろみは洋服ダンスの扉を開ける

「う〜ん、夢だったのかなぁ?」

少し考え

「ダンちゃん、ダンちゃん」

洋服ダンスの中に向かって呼んでみた

「なんや、うるさいなぁ」

「わぁ」

「あんたが、酔っぱらって寝かしてくれへんし、眠たいねん」

「ほんとうに、いたんだ」

「なんや、昨日説明したやろ、ほんまに人間て奴わ」

「なによ、ただ確認しただけよ」

「なんの確認やね、それより大丈夫なんか、時間」

「時間?・・・あっ、急がなきゃ」

ひろみは急いで朝の支度をする、そして洋服ダンスに服を取りに来て

「あっ」

ダンちゃんが洋服ダンスから顔を出して、ひろみの行動を見ていたから

「もう」

そう言ってスーツを取りだし扉を思いっきり閉める

「いたぁ」

「あっ、ごめん、大丈夫?」

「は、鼻打った、静かに閉めてくれ」

しまった扉越しに会話をしている

着替えを済まして、急いで出て行こうとした、ひろみは思わず

「行ってきま〜す」

と言い

「行ってらっしゃい」

と答えが返ってきた時、思わず笑ってしまうひろみだった

仕事が終わりマンションに帰って来るひろみ、明るく

「ただいま」

とドアを開けると

夕暮れの部屋、テーブルの前でダンちゃんが正座して座っていて

お茶をすすっている

「ズズズ、はぁ〜、あっお帰り」

「わぁ、どうして出てきてるのよ」

「暇やったし、それに狭いやん洋服ダンス、広い方が気持ちいいし」

「変な事してないでしょうね」

「そ、そんなんしてる訳ないやん、第一俺、人間に興味ないし、白のレースのパンツは見たけど」

「えっ〜なに、見てんのよ、バカ」

ひろみは真っ赤になって怒っている

「まあ、そんなに怒らんでも、可愛かったし」

「もう、ほんとうに・・・罰として今夜も付き合ってもらうから」

「えぇ〜」

「えぇ〜じゃない、分かった」

「分かりました」

そんな日がしばらく続く

ひろみはこの生活が気にいっていて毎日がたのしかった

会社でも明るくて

「小泉さん彼氏できたの?なんだか明るくて、楽しそうだし」

なんて言われる事もあった

こんな事もあった

ひろみは酷く疲れていた、仕事が忙しく帰りも遅かった

「ただいまぁ」

元気のないひろみに

「おかえり、疲れてるんやね、今日は、ジャーン」

テーブルに食事が用意してあった

「なに、これ」

「いやぁ、仕事たいへんやし、このくらいはって思て」

「ほんと、うれしい」

「ははは」

「料理、できるんだね・・・食べても大丈夫?」

「ないが?」

「だから、私が食べてもお腹壊さない」

「な、なに言うてんねん、ちゃんとした人間の食事やで」

「でも、妖精でしょ?」

「ちゃんと、料理本見たし、大丈夫、食べてみって」

「そう、じゃあ」

不安そうに食事を始める

「お、美味しい」

「そやろ」

嬉しそうなダンちゃん

「本当に美味しい、私の作ったのより美味しいかも」

「そやろ、調味料が違うしな」

「調味料?何を入れたの?」

「それは、俺の愛情や、ははは」

「あっそ」

「だから、俺がボケた時のその返しは、やめてくれへん」

「だって、面白くないもん」

「えっ?そうなの」

「今、気がついたの?バッカじゃない?」

ダンちゃんは肩を落として洋服ダンスに入って行こうとした

「分かった、面白いから、あははは」

「そんなに、気を使わんでいいよ」

「まあまあ、食事美味しいし、ほんとうにありがとう」

「ああ、どういたしまして」

一瞬で機嫌が直るダンちゃん

そして、明日は休みと言う事もあってゆっくり語り合う2人??

「そうだ、ダンちゃんはどうしてこの洋服ダンスの妖精になったの?」

「どうしてって、どうしてやろ、気が付いたら妖精になってた」

「そうなの」

「でも、このタンスを作った人の気持ちが入ってるから、妖精になれたかもしれんな」

「作った人の気持ち?」

「すべての物に妖精が宿る訳やないやん、服だって、電化製品だって、無機質だったり単純に流れ作業で作られたり、だけどこれは、作り手が気持ちを込めた物やし、大事に使われてきた物、そんなんが重なって俺みたいな妖精が誕生するのかな?」

「なに、するのかなって、他人事みたいな言い方だね」

「うん、俺だって分からないから」

「そうか、分からないのかぁ」

なんだか湿っぽい、だけどゆったりとした夜を2人は過ごしていた


数か月が過ぎ、今の暮らしがあたり前になっていたある日

「小泉さん、あの、お付き合いしてくれませんか?」

会社の男性に告白される

「えっ?」

ひろみは戸惑った、今、家にはダンちゃんがいる・・・でも妖精

「返事はいつでもいいです、待ってます」

男性はそう言って、走りさっていく

悩みながら家へ帰るとダンちゃんがいつものよう待っていた

「どうしたん、元気ないなぁ」

「えっ、ああ、そう」

ひろみは着替えてボーっとしている

「どうしたん、悩みがあるんやったら力になるで」

「うん・・・」

心配そうに見ているダンちゃんに

「実はね、私告白されちゃった」

「告白ってあの、昔、虫とかが、地層とかに・・・」

「それは、コハク」

「あっそうか、それじゃ、子供がテレビとか映画で芝居をしてる」

「それは、子役」

「それやったら、えっと・・・」

「もう、いつまで続けるの?」

「ご、ごめん」

「だから、告白されたの、会社の人に」

「そう、いい事やん、なんで悩んでるん」

「えっ?なんでって、私・・・」

ひろみが潤んだ目でダンちゃんを見つめている

「いいやん、嫌いなんその人」

「嫌いじゃないよ、悪い人じゃないし、優しいし」

「それやったら、付き合ってみたらいいやん」

「でも、今は、ダンちゃんが」

「俺?俺は妖精やで、人間と付き合える訳ないし、だいいち人間に興味もない、それに恋とか言う感情なんて持ってないで」

「じゃあ、どうして今まで」

「それは・・・それは、暇やったしな、それに、ちょっとだけ興味がったから、人間に」

「暇だった、興味があった、それだけ、それだけなの」

「そうや、それだけ」

「そう、そうだね、妖精だもんね、ダンちゃんは」

ひろみは悲しそうにそう言って部屋を出て行った

ダンちゃんは何も言わずに静かに洋服ダンスに戻っていった

夜中にひろみは帰ってきた

電気の消えた静かな部屋、

洋服ダンスも開けずそのまま座り込んで朝まで過ごした

朝、会社に行く用意をする

寝ていない頭、ボーっとしている

洋服ダンスを開けると誰もいない

スーツを取りだし、そのまま何も言わずに会社に向かった

その日からダンちゃんは現れる事がなくなった


数日が過ぎ、ひろみは告白された男性と付き合う事になった

ダンちゃんの事を忘れるためじゃなく本当の自分の気持ち

そう、自分の気持ちに正直に

自分の部屋にも連れてくる事もし始める

でも、時々、洋服ダンスを見ている

そんなある日、男性とのデートを過ごし楽しい気分で家に帰ってきた

服を脱ぎ洋服ダンスを開けると、下にたたんである服の上にメモが置いてあった

メモには

『ダンです、本当の名前はダン・クロード・フェアリーです。

今までありがとう、大事にしてくれて。

君が幸せになってくれて、本当にうれしいです

僕達妖精は人の幸せで浄化され、消える事が出来るのです

君が幸せになる事は、僕にとっても幸せな事

ほんとうにありがとう、そして、幸せになってください』

それだけが書いてあった

ひろみの目からあふれ出る涙、洋服ダンスの中に顔をうずめて


それから、1年後、ひろみは男性と結婚し子供生まれ専業主婦になった

洋服ダンスは元の店の奥に置かれている

ある日、ひろみは子供用に家具を捜しに中古家具屋に来ていた

1歳になる女の子を抱いて

「どれがいいかぁ、優衣ちゃん」

「バァブゥ」

「そうね、やっぱり新品の方がいいかもね」

ひろみは店の中を一回りして出ようとした時、あの時の洋服ダンスが

前まで行く、すると

「ばぁ、ばぁ」

優衣がしきりに洋服ダンスを触りたがる

「どうしたの、優衣ちゃん?」

ひろみが優衣を洋服ダンス引き離そうとした時

ガタガタ、ガタガタ

ギィー

ひろみはゆっくり扉を開いてみると

下にメモが

『ひろみさん、また買ってや、寂しいから、よろしゅ』

「・・・買うかぁボケェ」

ひろみは思いっきり扉を閉めて

「店員さん、あのタンス、処分した方がいいですよ、悪い何かがついてるから」

「はぁ?」

ひろみは店を出ようとして振り向いてタンスに向かって

「ベェー」


                            End


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[一言] 行が改まるから、詩のようですが、文でしたら句点を付ける方が読みやすいと思います。ストーリーの発想は面白かったですが、終わりがいまいちでした。「何で?」という気分にさせられます。地の文の展開や…
[一言] 初めまして、サクラシゲルといいます。 初めて読んだ先生の小説ですが、割と淡々と筆をすすめただけの印象が強かったです。 登場人物の容姿や部屋のなかの様子など、物語を深くする工夫がもう少し欲し…
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