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失われたものの唄

乙女ゲームのモブに転生したのでイベントをのぞき見していたら、悪役に見つかってしまいました

作者: 菊月驟雨

「私に関わらないで!」


パンっと乾いた音が雨に陰る廊下に響く。


「もう嫌よ、こんなことして、なんで私がここにいなくちゃならないの?どうして、あなたが、ここに、私に」

「っカトリーヌさ」

「呼ぶな!お前の声で、お前が、私の名前を呼ばないで!!」


雨に紛れることなく流される涙を落としながら、激昂していた少女は身を翻し駆けていった。

取り残された少女は伸ばした手を下げることもできずにただ立ち竦む。


「……カティ」

「ジル……」


茫然自失の背にそっとかけられる優しい声。


「あまり外にいたままでは冷えてしまいますよ。迎えの時間まではもう少しあるでしょう?食堂で温かい飲み物でも口にしてはいかがですか」

「……そうね。そうするわ。探しに来てくれてありがとう、ジル」


カティと呼ばれた少女が振り返り、緩慢に笑む。それを受け止めた少年——ジルは、気遣いなど無用とでもいうかのように手を振る。


「僕はちょっとこの辺に用事があっただけですよ。カティにお礼を言われるほどのことでもありません」

「この辺に?この雨の中で?……そう、濡れないように気を付けてね」

「はい」


深く詮索するほどのことでもないと判断したのであろう、カティは簡単に注意だけして食堂に向かった。

その背を見えなくなるまで見つめていたジルは、見えなくなったことを確認してようやく口を開く。


「それで?いつものごとくのぞき見をしているようですけれど、いつまでそんなところに隠れているつもりなんですか?アイニー男爵令嬢」


——ギクゥッ


心の中で実況しながら息をひそめていた私をピンポイントに問い詰める声に思わず肩が揺れる。ガサッと音を立てる茂み。

や~っちまったぁ……と白目をむきたい気持ちを抑えながら、私は冷気の漂う廊下に出た。


先に自己紹介からしておこうか。

マーガレット・アイニー。十六歳のアイニー男爵家一人娘。

ジル——ジルベール・クロードに見つかってしまった、乙女ゲームのモブ転生者です。


前世、というものを思い出したのはつい最近のことだった。王都にある国立上級学園に来週から通うために田舎にある自領から旅立とうとしていた前日のこと。自室でお茶を飲んでいる瞬間にふっと、マーガレットのものではない記憶を思い出したのだ。

日本で女子大学生として過ごしていた私は、トラックに曳かれて死んだらしい。なんという親不孝者。

そして、マーガレットの中にある風の噂程度の薄っぺらな情報と前世の記憶を照らしあわせ、どうやら大好きだったゲームの一本、『ルミナスフルール』の世界にいることに気づいた。中世ヨーロッパ風の世界観で、貴族の学園に通い様々な出来事を経験する、まぁありきたりな設定の乙女ゲーム。

そのゲームはヒロインが二人から選択でき、同じ攻略対象を攻略するタイプのものだった。同じ男性の違う側面がそれぞれの話で見ることができ、キャラの魅力も輝いていたため、何周したか覚えていないほどに大好きだった作品だ。

乙女ゲームにおいて重要視するものが疑似恋愛よりストーリーとキャラの魅力だった私は、モブに転生したことを神に感謝した。第三者としてあの話を目にできるなんて、なんと最高な話だろうか!!!大好きなカトリーヌやアンジェ、王子たちの実物に会えるのだ!!!

そしてハイテンションを入学への期待とうまく両親に誤解されたまま王都に着き、私は物語の世界に飛び込んだ。


の、だが。

どうやらここは『ルミナスフルール』に似て非なる世界らしい。


それを私は入学後に見つけた、湖色の瞳にプラチナブロンドの髪の少女と、従者のように寄り添う黒レースのヴェールで顔を覆い隠した少女を見て思い知った。


——あれってヒロインのカトリーヌと悪役のカティアじゃん!?なんで一緒にいるの!?


ゲームヒロインの一人、カトリーヌ・アイオリーシスは赤子の時に病気に罹って外に出られない体になり、森のお屋敷で生きてきた少女だ。澄み切った湖色の瞳に美しい白金の絹のような髪を持つ美少女。彼女は十五歳の時に奇跡的に病気が快癒し、表世界に出ることができるようになった。しかし、その外に出られなかった十五年間を“カトリーヌ・アイオリーシス”として身代わりに生きてきた、カトリーヌによく似た親戚の少女、カティアから立場を返してもらうことになり、話が拗れだす。

カティアは奪われた立場に嘆き悲しみ、カトリーヌを憎むようになる。カトリーヌはカティアが十五年間築き上げてきた“カトリーヌ・アイオリーシス”と自分の差異に苦しむ。

学園には“カトリーヌ”は事故のせいで記憶喪失になってしまったと言い、入れ替わりの違和感を無くしてカトリーヌとカティアは入学する。

そしてカトリーヌの学生生活が始まり、ゲーム本編が始まるのだが、上手くいかないように妨害するキャラがカティアだ。いわゆる悪役令嬢というやつである。カトリーヌで攻略しようとすると、誰のルートでも必ず出てくる妨害キャラで、ヘイトをよく買っていた。

その一方で、境遇の不憫さに救済二次創作もよく出回っていた。泣きながらカトリーヌと本音をぶつけ合うシーンは、恋愛スチルを押しのけ人気断トツだった程に愛されていたキャラでもある。

カティアは本音をぶちまけた後にカトリーヌの妨害を諦め、話からフェードアウトする。カティアのことも好きだった私は彼女のその後が幸せになるかどうかも知れるとわくわくしていたのだが。


どうやら、カトリーヌとカティアの関係性から見直す必要があるようです。


そう入学式で認識した後に思い出せる限りのイベントをのぞき見すると、やはりいくつかの差異があった。

何より大きい違いはもう一人の主人公、アンジェ・イスタールとカトリーヌの話の同時進行だ。この世界では二人ともこの学園に入学し、攻略対象との恋愛模様を繰り広げている。

この差異は何なのだろうか。カティアが悪役ムーヴしてないから、あの子も転生者だったりするのか?

そして、もう一つ。


ジルベール・クロードが大人しすぎることである。


私ののぞき見を看破してきた、サラサラ天使の輪っかが浮かぶ黒髪ストレートで目隠しをいつもしているこの男は、ゲームにおいてはアンジェの話における彼女の最大の敵であり、彼女の隠しルートの攻略対象でもある。

神の愛し子という世にも稀な加護を受けて生まれ、聖女として愛されるアンジェと対照的に、ジルベールは世界から失われた、邪悪なるものを総括する邪教の御子として呪われた瞳を持って生まれてきた。公爵子息という立場に生まれたのに、目隠しを厳命され世界を見ることさえ許されず、家族には疎まれ、罵られる人生を送ってきた彼。ゲーム内では破壊願望により騒動を起こして、最終的にアンジェと対決して負ける。騒動の後に僻地に追放されるのが通常ルート、立場と恋心に翻弄されながら和解するのがジルベールルートだった。

多少の違いはあれどもゲームイベントがほとんど起こっている中で、ジルベールが何の行動も起こさないのが疑問だったのだけど。


悪役ワンツーはゲーム内で破壊願望に共感しあい、共依存関係を築いていた。はたして、この世界ではどんな関係なんだろうか。


現実逃避じみた思考の隅っこでそう考えて、目の前の悪役そのイチから目をそらす。

じっとこちらを見つめているであろう黒布の目隠しの奥を居心地悪く思っていると、妙に真剣な声で彼は呟いた。


「……やっぱり、変な魂」

「はへっ」


魂?ドユコト?


「君、この世界の人間じゃないでしょう」

「えっ、なんでそんな事分かるの」


問いに対する答えが頭で考えるより先に口から飛び出してしまった。自分の声を耳にしてようやく自分の放った言葉の意味を知り、公爵子息様に対する言葉遣いじゃないことに今更心の中で焦る。いや、でも、急に転生看破なんてされたら驚くじゃん!え、ほんとになんでこの人は魂なんかで分かるの?というか、魂分かるの?

疑問符だらけのこちらの心情を慮る気などまるで無さそうな目の前の人は、珍獣を見る目(目隠しで見えないけど)でこちらを無遠慮に観察していた。


「精霊の気配がないから、こっちが呼び寄せたものじゃない。なら神が呼び寄せた、意味のある存在……?」


呟かれる単語に異世界テンプレの香りを感じて身構える。これは、もしや、モブだと思っていたら思わぬ大冒険が始まるパターンだったりします?

ゲーム内で聞いたことのない単語のことが少しだけ引っ掛かりながら、妙なときめきを胸に、彼の言葉の続きを待つ。


「……いや、あの聖女と同じ気配が一切ない。形だけ変な、普通さ……神の手心をまるで感じない。君、この世界に来たのたぶん事故だね。ここじゃないどこかからたまたま吹っ飛ばされてきたんだ」


いや神様からのチートとか無かったんかい!ちょっと本気にしかけちゃったじゃんか!!

心の中で盛大にずっこける。


「まあ、そんなことはどうでもいいんだけど。

それで?アイニー男爵令嬢。君はどうして入学してからずっとカティ達のことを追い続けているのかな?」


固まる肩。気分は蛇ににらまれたカエル。いや、悪役に笑われた一般人。


「な、何のことでしょうか」

「カティやカトリーヌ様、聖女様は目立つからね。目で追う気持ちは分かるけど、それを置いても君は彼女たちの行動をのぞき見しすぎな気がするんだよね。今日だって、わざわざ茂みの中なんてご大層なところに隠れてさっきの喧嘩見ていたんでしょう?偶然と言い張るには苦しくないかな?」

「ぐ、偶然ですよ、アハハ……」


明後日の方向を向いて調子っぱずれな笑い声でごまかそうとする私に、それはそれは作りのいい目の前の男の唇が三日月になる。


「僕、カティと仲がいいし、兄がアレだし、僕自身が目隠し(これ)だから、人目をそれなりに集めている自覚はあるんだよね。君はどうやら、ひっそりと僕らのことを見ていたいようだけど、どうしようかな。僕は気になったことはずっと気にする方だから、君にちょくちょく会いに行くかもしれない。そしたら、君もきっと、あっという間に有名人……」

「すみません全部話しますからそれだけは勘弁してください許してぇ!」


モブとしてこの世界の恋愛模様を観察するという生き甲斐を奪われたら死んでしまう!注目イラナイ!


あっけなく屈してしまった私は、前世を覚えていること、この世界のことをあちらで物語として知っていたこと、その物語とこの世界の違いについて包み隠さず話した。曰く変な魂を持っているらしい私がどうしてそんな魂なのかという理由として、前世持ちに納得したらしい彼が、その物語について聞いてきたので全ルートをかいつまんで話す。


「ふーん、選択で結末が変わる物語、か。内容も確かに覚えのある出来事が多いけど、僕があの女と恋愛?想像するだけで吐き気がしそうだ」


自分のルートの話について眉をひそめて全否定する彼。どうやら、この世界では敵対なんて言葉では生易しそうな因縁をもつようだ。藪蛇は勘弁してほしい。話題逸らそ。


「入学式でカトリーヌ様たちを拝見して、この世界は物語とは違うということに気づいたんです」

「あぁ、物語ではカティがカトリーヌ様の邪魔をするんだっけ」

「はい」

「カティ、むしろカトリーヌ様に心傾けてそれはそれは丁寧に接しているからね」

「最初に見た時は驚きました」

「……そもそも、カトリーヌ様の病気が治った時に自分の立場を返すって言いだしたの、カティだよ。多少思うところがあったとしても、カティはここで、その物語のような振る舞いをしない」

「えっ」


入れ替わりの言い出しっぺカティア!?第三者ではなく!?

この世界と物語の差異の始まりが、そこにある気がした。


「君はその物語で僕らの大まかな過去を知ってるんだっけ?」

「……はい」


カトリーヌの病が治る見込みはなく、カティアがカトリーヌとして生きていたころの話。ゲーム内でも簡単な回想として書かれていた。

必死に勉強をこなし、遂には“無欠の氷姫”とまで呼ばれ讃えられたカティアが、その優秀さから王太子妃候補第一位とまで噂されていたこと。幼少のみぎりにカティアとジルベールは出会い、友人になることなど、簡単ではあるが、変わりがないのであればいくつか知っている。

そして、カトリーヌの病気が治るという慶事により全てが狂いだすのだ。


「その物語では、世界から居場所がなくなったことで破滅願望を僕らは抱いたみたいだけど。今この世界で同じ現状にいる僕らは、そんなこと考えたりしないよ。カティはその物語のようにならないし、僕も世界を壊したいなんて考えない」

「……失礼なことを言いますと、正直意外でした」


自分が自分である全てを人に奪われること。家族や周りの人から拒絶され、罵られ、世界から嫌われること。それは、想像が出来ないほどに過酷な境遇だ。

包み隠さない本音を咎められることはなかった。


「カティは、小さなころからその場所が自分のものじゃないことを知っていた。それでも、自暴自棄にならずに、ずっと前を向いて戦い続けてきたんだ。“無欠の氷姫”なんて呼ばれるほどに、頑張り続けてきた。期待に応えられるように、与えられたものに見合う人間でいられるように。僕は、初めてカティに出会った日からずっとその背を追い続けてきた。世界一美しく誇り高いその背を見つめてきた。

その背中を裏切る生き方なんて、出来ないからね」


恋なんて簡単な温度では済まされない温かさをもつ言葉。それを、私を追い詰めた時の笑顔とは全く異なる慈愛にあふれた笑顔で彼は語る。

のろけとしか言いようのないその言葉に、どう返したものか迷う。


「カティア様のこと、大好きなんですね」

「もちろん」


当たり障りのない私のしみじみと口をついて出た感想に、一切の照れを見せずに肯定を返す男。うっわ、愛がでかいぞこいつ。


「あぁ、でも余計な気は回さなくてもいいよ。カティは僕のこと、弟みたいに大切な友人だと思っているから」

「え?アピールとかしないんですか?」


それだけ馬鹿でかい感情を抱えておいて?仙人かよあんたは。


「彼女は今たくさん頭を悩ませる出来事を抱えているから。僕の自己満足で荷物になりたくないんだ」


それに、背を伸ばして前を向くカティを好きになったから、こっちを向かなくったっていい。そんなことで煩わせるくらいなら、一生伝えずに友人でいる。


きっぱりと言い切ったその顔は、前世で見たどんなイケメンのスチルよりも凛々しく、格好良かった。


「さて、事情は大体わかったけど、これから君をどうしたらいいだろうね?」


美形の破壊力を間近で浴びせられ、硬直する私を相変わらず無視した彼はあっけらかんと言い放った。

無邪気でも何でもないその問いかけに、背筋をヒヤリとさせられる。ナニコレ怖い!ジルベール別に腹黒キャラでも何でもないのに!


「今まで通り何も言いふらしませんから、どうぞ私のことは放置していただければ……」

「うーん、どうしようかな。あんなにがんばって1からカティアの人生を歩んでいるカティが勘違いでも悪役なんて言われたの、腹立つんだよね」

「ご容赦ください前知識に振り回されてただけなんですぅ!」

「でも、いくつか君の話が本当だとしたら、僕らが得する情報もあったしな……」


閻魔様の裁きがどうか明日からも生きていける内容でありますように!


必死であたふた手を振り弁明(?)する私に、彼を呼ぶ声は鶴どころか女神さまの声に聞こえた。


「ジル?まだここにいたの?……あら、そちらの方は?」


先の憔悴した声と打って変わり、大きくなくとも通るきれいなソプラノの持ち主。黒レースのヴェールで表情こそ見えないけれど、ピンと伸びた背が美しい生徒。

先ほどまでの話題の中心、カティア・リジールだった。


「あぁ、カティ。温まりましたか?」

「えぇ。心配かけてごめんなさい。あなたが来ないから来てみたのだけれど、まだ用事は終わっていなかったのね。」


対私より百倍優しい声で気遣うジルベールに微笑みかけたカティアは私のほうを見る。


「あなたは、アイニー男爵令嬢で間違いありませんか?ごめんなさい、こんな寒い廊下でお引き留めしてしまって」

「わ、私の名前、憶えていらっしゃるのですか」

「っあ、ごめんなさい。自己紹介もしていないのに無礼なことを。リジール前男爵が息女、カティアです。貴族名鑑で以前、あなたのお名前を拝見していましたから」


制服の裾をつまみ優雅なカテーシーをした彼女の一挙一動から目が離せない。磨き上げられた宝石を思わせる気品に満ちた動作に私は見惚れる。

すっご、会ったこともない人間の名前なんて覚えられるものなの!?すごい、物腰の柔らかさとか口元の微笑みの上品さが、なんかもう格が違う。まさに淑女!パーフェクトレディ!って感じ。

語彙のない感動を噛みしめていた私は、カティアの向こうから送られるとげとげした視線に我に返った。


「っは!アイニー男爵家息女、マーガレットです!クロード様とは少々世間話をさせていただいておりまして、私が話を長引かせてしまったんです!ですから、お気遣いなく!」

「そうは言ってもこんな廊下で女性を立ち話させていたのはジルが気を利かせなかったからですわ。ほら、ジル」


慌てた私の返答に、フルフルと形のいい頭を振った彼女は斜め後ろにいたジルベールを促す。


「ごめんなさい、アイニー嬢。あなたのお話があまりに興味深く、つい気を回せませんでした。お詫びと言っては何ですが、今度温かいお茶でもお飲みになりませんか?そろそろ裏庭のガゼボ辺りの花が咲く頃でしょうから」


いけしゃあしゃあとお詫びを口にして次の約束を取り付けてくるジルベール。裏庭のガゼボは池の小島に作られた、人目に付きにくい密会スポットとして知る人ぞ知る場所だ。ゲームでレアイベントが起こっていた場所だから私は知っているのだが、普通裏庭の奥地にあるあんな池に行くやつはいない。この学園でも知っている人はあまりいないだろうそこに誘うということは……こいつ確実に今日の話の続きをするつもり満々だ!

償いを申し出た体で私を逃がす気ゼロなその誘いを断るにも、公爵子息様からのお誘い。うやむやにしようとすると私の席に訪れるフラグ。目の前の美しいお嬢様からあふれる弟にお友達が出来てうれしいオーラ。


詰んだ……


「ソンナ、オキヅカイナク」

「そういわず、ね?」


ね?(威圧)じゃねーよこの猫っかぶり大魔王め。その猫引っぺがしたろうか。


「……はい。また、お日柄の良い日に」


魂がそのまま口から出ていきそうな声で私は了承を伝える。

空いている日のすり合わせだけして、この日は解散になった。並んで去っていく二人に感じたものは、この世界に来た初めての疲労。

物語がどんな風になっても楽しむ気満々だけど、私を巻き込んでいくのやめてぇ!


出ていった魂が頭の上でぷかぷかしているような、現実感のない数日を過ごした私は、遂にそれを見つけてしまった。私のカバンにいつの間にか入っていた、現実逃避したくなるほど上品な招待状を……!ほんのりといい香りさえするその手紙が、私には処刑宣告状に見えた。というか、そうとしか見ることができなかった。


ぐっばい、楽しいモブ生活……。あぁ、空の青さが目に染みる……


白目を剥きそうな、いや、もう剥いているぐっだぐだな状態で、私は招待状に書かれていた時間に裏庭のガゼボを訪れた。今日の授業はお昼までだったため、ぽかぽか陽気のよい昼下がりである。

さすがに真面目な顔をしなければ、と腹に力を込め、一度深呼吸して私はガゼボの中に入った。


「お招きいただきありがとうございます。つまらないものですが、お茶うけに……ぃ!?」

「まぁ、こちらのお詫びにお招きしたのですから、御身一つでよろしかったのに。お気遣い感謝します、アイニー様」


左手のパウンドケーキを差し出した先に座るのは、牡丹も恥じらう姿勢の良さのカティア。てっきり閻魔大王のお裁きもとい大魔王の弄びに翻弄されることを覚悟していたので、面食らってしまった。え、いいの?カティアのこと悪役なんてつい最近まで思ってた私が同席して。

カティアの横で腹立つほど優雅に足を組んだジルベールは、挙動不審な私を馬鹿にしたような笑みをカティアに見えないように向けてくる。ちくしょう、腹立つ悪役め!


「カティが君と話がしたいって言ったから、一緒にここの準備をしたんだ。後、カティと僕はお互いに隠し事をしないって決めている。つまり、君の話はこの中では共通認識。事後報告になってすまないね」


丁寧な声をその顔のまま出さないでくれますかねぇ!悪寒が走る!


「ごめんなさい、あなたの個人的なことを許可なく聞いてしまって……」


大魔王の隣にいるお方は本当に女神様かな、やさしい、やさしいぞ。勝手な想像をしていたのにそれを気にすることもなく、私のことを気遣ってくれるなんて。この人の背を見てどうして大魔王は大魔王になったんだ。女神様しか見えてないからか。そうか。


「いいえ、とんでもない!むしろ、勝手にリジール様たちの事情を知ってしまっている私の状態が変なんですから!」

「そういっていただけると嬉しいですわ。そうね、アイニー様は私のことを知っているのですもの。なら、大丈夫よね」


最後の方は自分に確認するように呟いたカティアは黒レースのヴェールを外した。

現れたのはきつく結われたプラチナブロンドと、カトリーヌよりも淡い、氷色の瞳。カトリーヌとよく似た顔立ちをしているのに、表情のためか、雰囲気からか。カティアのほうが落ち着いた、大人の印象を与える顔だと感じた。


「今まで顔を隠していた不躾をお許しくださいな。カティア・リジール……かつて、無欠の氷姫と過分な評価を頂いた者です。カティアと、気軽にお呼びください」

「そんな、恐れ多い!」


相手は王太子妃候補第一位とまで呼ばれた雲の上の人だ。しがない田舎者が気軽に呼び捨てなんて心臓が持たない!


「そんなに畏まらないでくださいな。わたしはもう侯爵家のものではないのですから」


カティアの形の良い眉が悲しそうにハの字を描く。

ああぁそんな悲しそうな顔をしないでくださいいたたまれない!


「うぅ……、呼び捨ては、流石に」

「では、あなたの呼びやすいように」


呼びやすいように!?カティア様じゃダメ!?ダメですか……

とりあえずカティ呼びだけはあり得ない。あれはジルベールだけが呼んでいい呼び方だということくらいわかっている。どないしよ……。さん付けは距離を感じる、ティアは馴れ馴れしい気がする……うーん……。ワンチャン女神様、なんてふざけたら大魔王のブリザードが吹き荒れるかな。


「……カーチャ、と。お呼びしてもよろしいですか?」

「カーチャ……。とても素敵な愛称をありがとうございます。敬語も要りませんよ」

「それでは、お言葉に甘えて。……カーチャ、私のことはメグとでも呼んでほしいな。あと私にもお堅い言葉はいらないよ」

「ありがとう、メグ」


少しだけカーチャの目尻が下がった。

ああぁ、気を緩めた笑顔が眩しいです。流された気もしますが、すっごい友人が出来てしまいました。当初の目的、どこ行ったんだろう……


「さて、カティはアイニー嬢に聞きたいことがあるんじゃなかったかな」


涼しい顔をしてカーチャを促すジルベール。おいこら突然の友人ゲットでちょっと呆けてるこっちへの配慮は無いんかい。


「でも、このお茶会の目的はジルがメグとお話しするための場でしょう?先に話をするべきはジルたちの話題ではないの」

「僕らが話すことなんてこれからのアイニー嬢の方針程度ですから、先にカティの聞きたいことからどうぞ」


おいまてやこら、それ私にとって一番の問題だっつーの。


「メグ、今日の本題からずれたことを先に聞いてしまうことになるけれど、いい?」

「喜んで!」


心の中でいくら大魔王に悪態をついても、女神様のお願いをないがしろにできるモブではなかった。

軽く食い気味に答えた私に引くことなく、カーチャはお茶でのどを潤して口を開いた。


「メグは先日の、私とカトリーヌ様が廊下にいた時のこと、見ていたんでしょう」

「うっ、大変失礼なことをしておりましたすいません」

「咎めたいわけではないの。あの日の出来事とメグが前世で見た物語の違いを教えてほしいのよ」

「違い、ですか」


雨の中、よく似た美貌を持ちながらも似つかない雰囲気を持つ二人の少女が対峙する。涙は雨に紛れ、されど泣きじゃくり血を吐きそうな慟哭は決して水に溶けることはない。

どうしてお前が幸せになれるのだ、と昏い目をした少女が言った。

私とお前、鏡の表と裏の存在。私はかつておまえだった。なのに、どうしてお前だけが幸せになれるのだ、と。

未来を信じているからだ、とつらそうな顔をした少女が答えた。

居場所のなかったこの世界で、私を愛してくれる人に出会えたことを、その先を信じているからだ、と。あなたとの違いはここだ、と。

雨や涙に遮られることなく前を見据え続ける少女と、彼女の胸ぐらをつかむように、縋るように迫るもう一人の少女。あの涙腺崩壊スチルを思い出す。


「私が見た物語では、廊下ではなく雨の中で二人が立っていました。どうしてあなたが幸せになれて、私は慣れないの、と迫るカティアと居場所のなかった私の居場所をくれたこの世界を、未来を信じていると言い放つカトリーヌでした」

「それはまた……」

「時間や天候、人物に状況はあっているのに、ずいぶんとかけ離れた内容ね」


そう。いままで覗き見てきたどのイベントよりも今回の出来事は変わっていたのだ。


「……私は、ずっとカトリーヌ様の場所で生きることに罪悪感を抱いていたわ。だからと言って、あの頃私には“カトリーヌ”以外の名前がなかったから、カトリーヌとして生きることをカトリーヌが苦しむ、なんておかしな状況になったのだけれど」

「名前が、ない?」

「あら、物語に書かれていなかった?カトリーヌ様の病が治る見込みはなく、よく似ていて同い年の、両親を生まれて早々に亡くし名前さえつけられていない子が、本物のカトリーヌ様の代わりとして生きることになった、って」


なんだそれ!?ということは、カーチャは自分が本物ではないのに、本当の自分というものさえ失っていたということ!?というか、あまりにカーチャがカトリーヌになるまでが出来すぎてはいないか?


「そんなの……」

「まぁ、今となっては思い出だけれど。ちょっとだけ、苦しかったわね、あの頃は。

……そんなことは置いておいて。私はカトリーヌ様の場所で生きることが悪いことのようにずっと思ってしまっていたから、カトリーヌ様の病気が治った時に、この場所を返しますって自分から言ったの」

「なるほど」

「でも、私にとってそれが最善だったけれど、カトリーヌ様には最悪だった」

「……え?」


どうして?言い方は悪いが、他人に取られていた自分の場所が自分のものになったというのに。


「メグの言っていた物語の中で、カトリーヌ様は悩み苦しんではいなかった?」

「……思い当たることが、一つあります」


入れ替わったことを不自然に思われないために、カトリーヌは記憶喪失だと嘘をついて入学する。そこで目の当たりにするのは、カティアが築き上げた、美しく完璧な、自分であって自分ではない女性の影。


「そう……そちらでも同じことで悩んでいたのね。

カトリーヌ様は、私が作り上げた“カトリーヌ”の影に苦しんでいる。だけど、もうひとつ原因があってね」

「え」

「カトリーヌ様は、いずれ死に至る病と幼子の時に診断され、せめて幸せでいてほしいと願われて森のお屋敷で育てられたの。苦しいこと、悲しいこと。この世の汚らわしいもの全てから遠ざけられ、綺麗なものだけで作られた世界で。外の世界は絵本と窓の外が全て。お屋敷の外は、憧れた夢の世界だと信じていた」

「じゃあ……」

「憧れは無残に裏切られた。お屋敷の外……この世の中。特に社交界に絶望してしまったの」


温室の花が野ざらしにされ、吹き散らされる様を思い浮かべた。

優雅で穏やかな笑みだけを浮かべていたカーチャの口元に、初めてそれ以外——自嘲の笑みが浮く。


「それでも、メグの物語のカトリーヌ様は未来を信じることができたのでしょう?きっと、そのカトリーヌ様は嫉妬に狂う私を反面教師にしたのでしょうね。でも、この世界では私がただ近くにいただけだから、余計に作られたカトリーヌの像に翻弄された。ままならないものね」

「カティは自分の中で打てる最善手を打ったに過ぎません。それを苦しむ必要はどこにもありませんよ。人が人と生きていく以上、多かれ少なかれ黒いものを飲み込まねばならず、心は病むんです。幼子の高潔さは、必ず折れてしまう。閉ざされた森で成長したカトリーヌ様や聖域で育まれた聖女様にとって、この世界は汚らわしくて苦しいことばかりの世界なんです」


静かにカーチャと私の会話を聞いていたジルベールが、それ以上の自嘲を言わせないとでも言うように口を挟む。


「それでも、この世界の中で前を向く気高い人はいる。物語のカトリーヌ様はそうだった。この世界のカトリーヌ様は目を伏せてしまった。それだけのことです」

「ジル」


咎めるように、痛いところを言い当てられてしまったようにカーチャが短く名を呼ぶ。

私はもう一度、雨の日を思い出す。この世界での、つい先日のことを。


雨音の響く冷え冷えとした廊下。対峙する二人の少女。

前を向け、とヴェールで顔の見えない少女が言った。私の歩んできた、その人生をあなたは歩む以外に道はないのだ。と。前を見なければ、救いさえ見逃してしまう、と。

生きたいなんて思ったこともなかったのだ、と前者より幼げな雰囲気を持つ少女は叫んだ。押し付けられた生に嘆くことの何が悪いのか、と。苦しい世界に投げ出したお前たちが悪いのだ、と。

慟哭する少女は伸ばされた手を払いのけて駆けだす。取り残された少女は、行き場を亡くした手を彷徨わせて。

ゲームとこの現実では、前を向くことができない人が、反転していたのだ。


「あの日のカーチャの言うことはまごうことなき正論だけど、ちょっときつかったんじゃないかな」

「そうよね……。でも、あれ以外、何を言えばいいのか全く分からないの。カトリーヌ様には罪悪感だけじゃなくて、色々なことを思っていたから。……私には、冷静に言える言葉がないのよ」


悲しそうにうつむくカーチャ。

そりゃそうだ、と思う。カーチャがどんなに女神様であろうと、自分が偽りと突き付けられて、その上十五年間いた場所を人に譲るのというのに、思うところが無いはずがない。

ジルベールを横目に見ると、気づかわしげな顔をしているが、言葉にできるものが自分にはないという感じである。カーチャ一筋のこの男の中に他の女の救済方法があるはずがなかった。なんという時間の無駄。見て損した。

足りない頭をぐるぐる回し、前世の貧困な知識も総動員してようやくひとつ思いつく。


「カトリーヌ様にも信じられる人がいればいいんじゃないの?」

「信じられる、人?」

「物語で、カトリーヌは恋人に受け入れてもらえたことでこの世界に居場所ができたと感じるの。だから、恋人とまで言わずとも、友達とか!」


自分の提案ながら名案な気がした。カーチャにとってのジルベールみたいな存在とまでいかなくても、今のカトリーヌ自身を見る存在はとても大切だと思ったのだ。


「私なら“無欠の氷姫時代のカトリーヌ”を詳しく知らないし、ちょうどいいんじゃない?」

「……だめよ。メグは、だめだわ」


物語以上の事情を聞いてしまい、ここまで関わってしまうのならばいっそ登場人物たちに接触してしまおうと開き直ってそう提案したのだが、カーチャの神妙な声に止められた。


「どうして?いい案だと思うのだけれど」

「えぇ。とっても良い提案よ。私も、ジルがいたから自棄にならずに頑張れたのだから。でも、メグがカトリーヌ様の友人になるのは今じゃないほうがいいと思うの。

……メグは、私が先に出会ってしまっているから」

「え……?」

「メグの中で優劣なんて付くはずがないのは分かっているわ。でも、私という要素をすでに持っているあなたがカトリーヌ様にいきなり友達になりましょうなんて言い出しても、きっといい結果にはならない」


ひどく苦しげな声でそう言ったカーチャの言葉に、幼少期を思い出した。友達の中で、私は何番目の位置にいるんだろう、と意味もなく気にしたがる時期があったことを。

きっと、カーチャが考えているのはそういう感情によってカトリーヌを刺激しないようにということだと思う。


「それじゃあこの学園の人は、カトリーヌ様には」

「毒にしかならないと思うよ。人のこと言えた口じゃないけれど、彼女も難儀だよね」


深刻な顔をしているカーチャの横で呑気に茶をしばくジルベールが後を続ける。そういえば、目の前の二人もトンデモ境遇で言えばどっこいどっこいだった。


「……それでも、今のままでいるわけにはいかないわ。メグ、巻き込んでしまってごめんなさいね。それでも、どうか力を貸してくれる?」

「返事の前に、ひとついい?どうして、カーチャはカトリーヌ様のことを助けたいの?」


思えば、最初から疑問だったのだ。どうしてカーチャはゲーム通りの性格にならなかったのだろうかと。どうしてカトリーヌのことをそんなに気にかけるのだろうと。

私の問いに返ってきたのはひどく単純な答えだった。


「自己満足、ね」

「えぇっ」

「驚いた?私の行動理由はとても自分本位なの。カトリーヌ様に居場所を返したのは罪悪感と、両親はそのほうがよろこぶかな、と思ったからだった。先日カトリーヌ様と喧嘩したのは私が生きていた場所でいつまでもうずくまっていてほしくなかったから。今だって、ジルには間違っていないといわれたけれど、自分のまいた種は自分で回収しようとしているだけ。

カトリーヌ様のことが好きだというあなたには悪いけれど、私はそういう理由で動くのよ」


失望した?


小さく首をかしげるカーチャ。

それをじっと見つめていた私は、ゆっくり首を横に振った。


「カーチャが人間臭くて安心した。それに、行動しようとしている時点でカーチャはすごいよ」

「過分な言葉ね。こんな自己中心な行動なのに」

「そうかも。でも、それでいいと思うよ」


だって、カーチャはもうカトリーヌ様じゃないし、カトリーヌ様だってカーチャじゃないんだから。気持ちがずれるのなんて、当たり前のこと。


偉そうな口をきいた私に、それでもカーチャは心の底から安堵したように笑った。


「喜んで協力させて貰います。よろしく、カーチャ」

「……ありがとう。

そうだ、ジルの用事が残っていたんだわ。ジル、時間をくれてありがとう、もういいわ」

「いいえ、アイニー嬢が僕らに協力してくれるという結論を出してくれましたから、もう僕も用事はありません。どうぞよろしく、アイニー嬢」


さわやかな笑顔でそう言ってくる男に、素直に顔をしかめる。


「私は友達のカーチャのために協力するつもりであって、大魔王に屈する気はありませんから」

「大魔王?ずいぶん愉快な形容だね。そうか、そんなに席に襲来してほしいんだ」

「えぇ構いませんともカーチャから目移りしたなんて噂の的にならないようお気を付けくださいませね!」

「それより先に邪教の餌食が増えたなんて言われだすと思うけどね」


こんの減らず口ぃ!目立つうんぬんはもう開き直ったからいいけど、あんたに翻弄されるのは勘弁してほしいんですが!?


「ジルとメグは随分と気安い関係になったのね。ジルの友人に出会えて嬉しいわ」


待ってくれカーチャ、これ友人じゃなくて大魔王に反抗する一般人の図だから。あとジルにとってカーチャ以外はほぼ有象無象で、興味持つ存在じゃないと思うよ……。だから友人なんてあなた以外に出来るはずもないと思うのよ……


「んー、別に必要性を感じないだけだったんですけどね。出来てまた痛い目にあいたくないし」


おっと不穏フラグ。どうしよう、今は突っ込まないほうがいい気がする。


「よくわかりませんけど、ちょっと物を知ってるだけの一般人なので、カーチャの不利益にならないようにだけ全力を尽くしたい所存ですよ」

「それだけ守ってくれたら十分さ。改めてよろしく、アイニー……いや、マーガレット嬢」


雀の涙程度でも距離を詰めてくれた笑顔で手を差し出すジルベールの手を握る。

最初の想定より大きく外れてしまったけれど、大好きだったゲームのキャラを幸せにするためだ。頑張ろうじゃないか!


この時の私は知らなかった。カトリーヌ様お友達大作戦がゲームで起こらなかった大騒動に発展してしまうことを。そして、私が見逃した、ゲームで語られることのなかったジルベールとカーチャの秘密が、どんなにとんでもない物なのかを……


マーガレット・アイニー

モブ この世界とよく似た乙女ゲームで遊んだ前世の記憶を持つ モノローグがうるさい


カティア・リジール

ゲーム悪役令嬢 本編主人公 カトリーヌの身代わりとして生きていた 黒レースのヴェールを被っている


ジルベール・クロード

ゲーム悪役、攻略対象 カティアの幼馴染 邪教の御子と蔑まれるが、真実は……? 黒布の目隠しを付けている


カトリーヌ・アイオリーシス

ゲームヒロイン 病気で十五年間森の屋敷で育てられた いきなり放り出された世界で生きるのが辛い


アンジェ・イスタール

ゲームヒロイン 神の愛し子と呼ばれる聖女 教会孤児院出身 ジルベールと確執があるらしい


他、攻略対象

王子、公爵子息、先生などが居るものの、話に出てこなかったので割愛

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