これまであらすじ&人物・設定紹介
お待たせしました。第三章の開始です。
本日6/11(月)は二つ同時の投稿となりますので、読み飛ばしのないようご注意ください。
諸王国が大陸の覇を唱えて群雄割拠する時代。
そこ突如として、魔王に率いられた闇の軍勢が襲来する。
"竜狩り"として名を上げていた騎士アレクセイは、同じく"白竜の聖女"として知られていた妻のソフィーリアと共に、魔王を討つべく出陣する。激闘の末に遂に魔王を討ち取ったアレクセイであったが、なぜか蘇った魔王によって妻ともども命を落としてしまう。
再び目を覚ましたアレクセイが見たものは、見知らぬ廃墟と、"さまよう鎧"と化した己の身体であった。
そしてそこで出会った"霊魂遣い"の少女・エルサの掲げる頭蓋骨から現れたのは、なんと"闇霊"と化してしまった妻のソフィーリアであった。
アンデットに変わりながらも正気を保っていたアレクセイたちは、そこでエルサから驚くべき事実を聞かされる。
それは今の時代が、アレクセイたちが生きていた頃から五百年の時が経っているということであった。
さらには魔王は勇者なる者によって討たれており、代わりに"迷宮"と呼ばれる魔物の巣窟が世界のあちこちにあるという。
故国ヴォルデンすら滅びたことを知り、アレクセイたちは残した息子の消息を知るためにエルサと共に現代の世界を旅することを決意する。
そんな中、ソフィーリアがエルサへの憑依の影響で少女化してしまう。しかし絶世の美女であったソフィーリアが可憐な乙女へと変わったところで、妻を愛するアレクセイにはなんの問題もなかった。
なんだかんだありつつも廃墟都市を抜けた一行は、世界を旅するのに最適な冒険者となるために、冒険都市ラゾーナに入る。
無事半ツ星冒険者となったアレクセイたちは、旅の路銀稼ぎにと迷宮≪ミリア坑道≫へと足を踏み入れることになった。
そこで無数のゴブリンに襲われていた冒険者の姉妹を助けたアレクセイたちは、ミリア坑道で魔物が異常発生していることを知る。
ラゾーナの有力冒険者セリーヌに助力を請われたアレクセイは、要請に従い迷宮へと再び赴き、迷宮主であるゴブリンキングとイレギュラーであった黒竜をも難なく撃破する。謎の呪いによってゾンビ化し再び襲い掛かってきたこれらも、聖女たるソフィーリアの奇跡によって退けることができた。
初の迷宮クリアと一ツ星への昇級に沸く一行。
そこでアレクセイたちは旅商人のラリーと獣人の少女レトから、故郷の手がかりになりそうな情報を耳にする。
それまで知己を得た人々に別れを告げ、アレクセイとソフィーリア、エルサの三人は、次なる目的地バルダーの街を目指して旅を続けるのであった。
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◎登場人物紹介
〇アレクセイ・ヴィキャンデル (享年二十八歳)
元ヴォルデン王国重騎士団団長。王の四騎士のひとり"竜の鱗"の称号を持つ。
二mを超える巨体を漆黒の全身鎧で包むさまよう鎧>。武人らしい質実剛健な性格だが、乱世の時代の生まれ故に現実的な思考も合わせ持つ。
非常な愛妻家で、滅びた故郷や家族のことを想いつつ、五百年後の世界を彼女と旅できることに喜びを感じている。
〇ソフィーリア・ヴィキャンデル (享年二十五歳)
元ゾーラ教会神官戦士長。"白竜の聖女"の異名を持つアレクセイの妻。
死後は最上位の霊の魔物である"闇霊"となる。妙齢の美女であったが現在は思春期程度の少女の姿をしている。
聖母の慈愛と戦士の激しさを併せ持つ女性だが、内心では再び夫と巡り合えた喜びと、今は亡き息子への想いに揺れている。
〇エルサ・ラーソン (十五歳)
霊魂遣い>と呼ばれる冒険者の少女。
ヴォルデン人しか持ちえない銀の髪を持つが、瞳の色は紫ではなく蒼色である。
一見気弱そうな外見ながら一端の胆力を持つ。己の使命を果たすため、ヴィキャンデル夫妻と共に北を目指す。
◎簡単設定
〇魔王
かつて世界を支配せんとした魔族の王。勇者によって滅ぼされるが、死に際に世界に迷宮を残す。
〇迷宮
魔王の死後、大陸のあちこちに現れた異空間。
危険ではあるが様々な収穫物が得られるため、現在は冒険者たちによって世界になくてはならないものになっている。
〇冒険者
迷宮に挑む武装した者たち。戦士や魔術師、聖職者などがおり、彼らは実力に応じて"星"でランク分けされている。
〇冒険者ギルド
迷宮の管理と冒険者の統制を目的とした機関。国や教会と並ぶ権力を持つ。
〇リーヴ帝国
大陸全土を統制する人間種による国家。国内には亜人等の種族も多い。太平の世が続いたため皇帝の権威が失墜しつつある。
〇太陽教会
太陽神ソラリスを信奉する宗教団体。帝国全土で信仰されている。
〇ヴォルデン王国
五百年前の戦乱の世に大陸北部を領土としていた国家。強大な軍事力を有していたが、なんらかの理由で現在は滅びておりまたその名も残されてはいない。




