表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦乙女ドールズ、ただ今参上!  作者: フミヅキ
第四章 いざ、戦いの日々へ!
13/25

いざ、戦いの日々へ!③

 バスロータリーのベンチに座り込んだ青井くんと古田くんに、俺と三和はなんて声を掛けていいかわからず、もじもじしていた。


「早弥子ちゃん、どうしちゃったんだろうな……」

「ああ……いつも穏やかに笑ってて、優しい子だったのに」

「もしかして病気のこと思いつめてたのかな。俺、どうして『元気?』なんて訊いちゃったんだろ。それで早弥子ちゃん傷つけちまったのかも。あー、俺アホすぎんよ……」

「青井……」


 項垂れる青井くんの肩を古田くんが叩いて慰めていた。


 早弥子ちゃんは生まれた時から心臓に問題があって、成長に伴って負担が大きくなってきたから手術することになったらしい。今のままだと、何かのきっかけで心臓に負担がかかりすぎた時に命に係わる場合もあるのだという。


「あ、駅に行くバス来たよ」


 俺達は家の最寄りのバス停まで直通で行けるバスに乗るために少し遠くのバス停まで歩くつもりだから、二人とはここでお別れだ。青井くんはバスに乗り込む前に、俺達にリュックから取り出した色紙を渡してきた。


「直蔵くん、三和ちゃん、これ預かっといてもらえないかな」


 その色紙はサッカー部員みんなで書いた寄せ書きだった。


「俺達は月に何回もここには来れないからさ……悪いけど、チャンスがあったら早弥子ちゃんに渡しておいてもらえないかな」


 幕原からここまで片道二千円以上かかる旅費は、俺達高校生にとっては大きな金額だし、青井くん達には部活の練習だってある。俺はしっかりとその色紙を受け取って頷いた。


「わかった」

「わたし達からでよければ渡すよ!」

「ありがとう、直蔵くん、三和ちゃん」

「ほんと、ありがとう!」


 車窓から手を振る二人を見送って、俺とミワ坊とは病院へと引き返す。大学病院の中庭を抜けて、小さな裏門から出るのがバス停へは近道なのだ。


「わたし達、早弥子ちゃんの気持ち、全然わかってなかったね。あんなに思いつめていたなんて……」


 とぼとぼと歩きながら、三和は肩を落とす。俺も同感ではあったが、どうにも腑に落ちない気持ちがあった。


「でもさ、手術したら元気になるわけだろ。俺だったら不安はあるかもだけど、もっとワクワクしてると思うんだけどな」

「だって、手術にはリスクもあるらしいって言ってたでしょ。心臓にメスが入るなんて、そりゃあ、ナーバスにもなるよ」

「そっか……そうだよな」


 溜め息を吐きながら斜め掛けカバンを見る。どうやら梔子は再びカバンの中に戻ってしまったようだ。


 俺達は中庭に足を踏み入れた。整えられた花壇には花が咲き、小さな畑まで設けられている。本当にここは病院なのかと疑いたくなるような環境だ。

 大きな木の木陰にはベンチも備えてあって、今も、入院患者らしきパジャマを着た女の子が座っている。昼時のせいか、他に人影はない。


「あれ……あの木陰のベンチにいる子、もしかして早弥子ちゃんじゃない……?」


 ミワ坊に言われて目を凝らすと、確かに、あの綺麗なツインテールは見紛うはずもない、さっき病室を追い返されたばかりの早弥子ちゃん本人だった。


 三和が困ったような顔で俺を見る。


「ど、どうしようか、ナオ?」

「ここから引き返すのも逆に変だろ。会釈しながら進もうぜ。もし大丈夫そうだったら話し掛けよう」

「うん……でも、なんだか、すごく暗いね?」


 確かに、早弥子ちゃんの俯いた顔は木陰のせいで黒く塗り潰されて見えないほどだった。残暑の太陽がカンカンに照っているとはいえ、木陰って、こんなに暗いものだったっけ?


 俺達は軽く頭を下げながら中庭を横切るべく、進んだ。だが、俺達に気付いた早弥子ちゃんは、ハッとしたようにベンチから立ち上がり、病棟に向かって踵を返した。


「早弥子ちゃん……」

「仕方ないよ、ナオ」


 俺達はそのまま早弥子ちゃんの後ろ姿を見送ろうとして、目を瞠る。

 木陰を出たはずの早弥子ちゃんが、黒い影を体の周りに纏わりつかせたままだったからだ。


「な、なんだ……?」


 黒縁メガネをずらしてみても、黒い靄みたいなものが早弥子ちゃんの周りを覆っているのは変わらない。


「ナオ、あの黒いの……もしかして」

「ローズ、マーガレット、梔子!」


 俺が斜め掛けバッグを開くと、三人が飛び出し、カバンの縁に立った。


「直蔵様、どうかしましたか」

「早弥子ちゃん――あの女の子の周りに黒っぽい変なやつがあるんだが……」

「あれは……『鬼』の……!」


 ローズ達が目を見開いた瞬間、早弥子ちゃんを取り巻く黒い靄が膨れ上がった。


「なに……!」


 膨れ上がったその黒いものは、風に吹かれたかのように早弥子ちゃんの体から分離する。離れたそれは地面の上でもぞもぞと震えていた。


 早弥子ちゃんはそれを一瞥すると、気持ち悪そうに眉を顰め、ツインテールを揺らしながら小走りに去っていった。


「もしかして、早弥子ちゃんにも見えてるのか……?」


 呆然とする俺の目の前で、その黒いものは蠢きながらいくつかに分裂した。それぞれが次第に形を変え、起き上がり、人の形を取り始める。その額には角のシルエットが見て取れた。


「お、『鬼』だ……!」


 黒い闇――自我を失った悪霊の群れでできた『鬼』達は、金色に光る眼を俺達に向け、大きく開いた真っ赤な口から不気味な唸り声を洩らしている。


 全部で五体。

 すべて俺よりも一回以上大きな体つきで、特にそのうちの一体は俺の背丈の倍はあった。


「直蔵様、戦闘の許可を!」


 凛々しい表情で訴えるローズの声に、俺は唾を飲み込み、姿勢を正す。


「よし! ローズ、マーガレット、梔子、戦闘を許可する!」

「承知致しました!」

「やってやるのだです!」

「……任せな」


 俺の斜め掛けバッグから飛び出した三人は、まばゆい光を放ちながら人間サイズへと巨大化していく。

 それとは逆に縮む俺。小さくなりきったところで、三和に掴まれて胸の高さまで持ち上げられた。


「マーガレットは魔法弾の詠唱に入ってください。梔子は三和様達とマーガレットを守りつつ、通常サイズの『鬼』達の殲滅。私はあの大きいやつをやります」

「了解なのだです!」


 元気に返事をしたマーガレットとは裏腹に、梔子は硬い表情で黙り込んでいる。


「どうしました、梔子。大丈夫ですか?」


 ローズが心配そうに覗き混むと、梔子はハッとしたように顔を上げて不適に笑う。


「大丈夫に決まってるだろ。あたしに任せな」


 梔子の返事に安堵の表情で頷いたローズは、腰に下げた鞘から双剣を抜き、一番大きな『鬼』――『巨鬼』とでも呼ぼうか――の頭頂部に向かって跳躍した。


「ハアッ!」


 ローズの両腕に握られた双剣が、空気を切り裂く気合と共に振り下ろされた。


「グオアアオオアア!」


『巨鬼』のあげた声は断末魔の悲鳴ではなかった。


「そんな……!」


 三和が息を詰めて絶句する。


 鬼は頭上でクロスさせた腕でローズの双剣を受け止めた上、地鳴りのような咆哮と共にローズの身体ごと跳ね返したのだ。


 吹き飛ばされたローズは、地面に背中から激突する。


「ローズ!」

「大丈夫です!」


 悲鳴も上げずに立ち上がったローズは、『巨鬼』に向かって再び斬撃を開始した。俺の目では追うのがやっとのスピードで左右の剣を変幻自在に操っている。剣が振られるたびに、燃え盛る炎のようなローズの赤髪が乱舞した。


「ハッ! ハアッ! ハアッ! ハアッ! ハッ! ハアッ!」


 右で突いた剣をガードされた瞬間には、左で脇腹を薙ぎ、さらに返す刀で太ももを狙い、右手は袈裟斬りを仕掛ける。


 目を狙い、心臓を狙い、首を狙い、腹を狙い、脛を狙い、ローズは次々と斬撃を繰り出した。跳ねては伏せて、伏せては跳ねて、ローズの動きは蝶のように華麗だった。


「ローズ、すげえ! でも……あの『鬼』、ガードが半端なく固いぞ!」


 そう。

 ローズのほとんどの斬撃に対して、『巨鬼』が寸でのところで自分の腕を差し入れたり体を逸らしたりして、ヒットさせることができていないのだ。


 一方、通常サイズの『鬼』四匹には梔子が対峙していた。


「アンタ達はあたしが相手だ。かかっておいで!」


 梔子は挑発するように、自分の身長よりも長い槍をオモチャのようにくるくると頭上で振り回す。


 その動作に惹きつけられたのか、手近な『鬼』二匹が飛びかかってきた。二匹とも指先の黒い鉤爪を長く伸ばし、梔子の顔と腹を狙っている。


「ヤアアアアア!」


 梔子は刀身と柄で『鬼』達の鉤爪を弾き返し、さらにそのままの勢いで斬りかかる。二匹の『鬼』はたまらず後方に退いた。


 だが、その隙を突くように、梔子の右脇・左脇側へと別の二匹が襲い掛かる。


「危ない!」


 しかし、梔子は焦らない。片方の『鬼』は槍の柄先端で突き飛ばし、もう片方の『鬼』は腹を蹴り飛ばすことで遠ざけた。


「ふふん。そんなもんかい?」


 梔子は不敵に笑う。


「す、すげえ……」

「うん……!」

「うわ……いててて! 手を握り込むな、ミワ坊!」

「あ、ごめん!」


 手に汗握る攻防に思わず手に力が入るのは仕方ないとはいえ、またミワ坊に圧殺されかかった俺だが、その時、あることに気が付いた。


「なあ、ミワ坊、なんか良い匂いがしないか?」

「え? あ、本当だね。香りの強い花みたいな……?」


 そういえば、前の戦いの時もこんな匂いがしていたっけ。


 首を傾げる俺達の前で、引き続き、梔子は着物の袖を翻しながら『鬼』達と渡り合っていた。四匹を相手にも引けを取らないように見える。


 だが――。


「え……!」


 一瞬の出来事だった。


 四匹のうちの一匹が梔子を背後から襲った。その黒くて長い鉤爪が、梔子の背中から心臓に至るまで、深々と突き刺さったのだ。爪は体の前面にまで貫通し、傷口からは次々に血が染み出して梔子の着物を赤く染めていく。


「梔子……! う、嘘だろ!」

「そんな、そんなあ……!」


 口の端から血を垂らした梔子の身体は、ビクビクと痙攣し、やがて弛緩した。


「く、梔子……!」


 声が震えてうまく名前を呼べない。三和も蒼白な顔をしている。


 梔子の体を串刺した『鬼』は、梔子の体に牙を立て喰い始めた。残り二匹の『鬼』は俺達の方へと向かってくる。


「あ、れ……?」


 俺はその光景にどこか違和感を覚えた。何かを間違えているような――?


 その違和感の正体に気付いて俺はハッとする。


「梔子の戦ってた『鬼』は四匹だったはず!」


 俺の言葉にミワ坊も目を見開く。


「本当だ! 三匹しかいないよ」


 目の前の『鬼』は一匹足りないのだ。じゃあ、その一匹はどこに行ったんだ……?


「クククク。アンタ達『鬼』はバカだねえ」


 嘲笑が聞こえた。聞き慣れた声だ。俺は驚きに目を見開きながら声のした方を向く。


 視線の先には槍を構えた梔子が立っていた。しかも、まったく無傷な状態で。

 つまり、今、俺の前には二人の梔子がいた。不敵に笑う梔子と、『鬼』に胸を刺された梔子と。


「月華夢幻流弐の秘術、朝真暮偽」


 無傷の梔子がそう呟いた瞬間、刺されていた方の梔子が真っ黒な『鬼』の姿に変わった。まるで合成映像のように一瞬の変化だった。


「周囲の認識をずらして、敵の一人にあたしの姿を映して同士討ちを狙う術さ」


 変わり身の術みたいなものだろうか。不幸にも梔子の身代わりとなって仲間に刺殺された『鬼』は、砂と化して崩れ落ちる。


「ふふふ、さあ、残りもかかっておいでよ」


 梔子はニヤニヤと笑いながら槍を回転させ、三匹になってしまった『鬼』を挑発する。


「えげつないな!」


 感嘆する俺の前で、梔子は再び、三匹の『鬼』との交戦を再開した。


 ローズと梔子の戦闘エリアから数歩離れた場所では、ロケットランチャーを肩に構えたマーガレットが、呪文の詠唱を続けている。俺の目から見ても無防備な状態なのは一目瞭然だ。案の定、梔子を相手にしていた『鬼』の一匹が、急に方向転換して狙いをマーガレットに変えた。


「ちょいとお待ち! マーガレットに手を出したら許さないよ!」


 梔子は慌てて二匹の『鬼』を強引に槍と蹴りとで押し倒し、マーガレットに迫る『鬼』に向かって槍を振るった。『鬼』はその斬撃を避けるために体を捻らざるをえず、マーガレットから遠ざけることには成功した。


 だが、その結果、梔子の背後がガラ空きになる。


「グッ……!」


 梔子が短い悲鳴を洩らした。背後の二匹の『鬼』による鉤爪の攻撃を受けたのだ。間一髪、体を反らして致命傷は避けたものの、左腕と右足に掠ったようだ。梔子の真っ白な肌を真っ赤な血が汚していく。


「梔子に何するなのだです!」


 マーガレットは反射的にロケットランチャーを放り出し、腰に下げた軍用ナイフに手を掛けた。だが、梔子から叱責が飛ぶ。


「おバカ! アンタは早く呪文を完成させな!」

「でもぉ……!」

「アンタの魔法弾はあたしらのユニットにとっては要だ。アンタが撃てればあたしらは勝てる。だから、アンタに撃たせるために、あたしはいくらでも体を張るのさ」


 梔子は泣き顔のマーガレットを背にして槍を構え直し、三匹の『鬼』を威嚇する。


「でもぉ、梔子の怪我が……心配なのだです……」

「あたしを舐めて貰っちゃ困るよ。マーガレットはあたしを信用できないのかい?」

「うぅぅ……。信じてるなのだです。ごめんなさいなのだです……」

「泣き言は後でいくらでも聞くから、早く準備しな!」

「わかったなのだです……!」


 マーガレットは再びロケットランチャーを構えて呪文の詠唱を始めた。


「なんにもしてやれない自分が悔しいな」

「うん……」


 俺はミワ坊の手の中で唇を噛んだ。


 梔子は負傷のためだろう、明らかにスピードが落ちていた。戦い方はどうしても防戦となっていたが、それでもマーガレットを庇いながら精一杯に立ち回っている。


 埒が明かないと思ったのか、三匹うちの一匹の『鬼』が踵を返し、今度は『巨鬼』と対峙中のローズを背後から襲いかかった。


「待ちな! くそ!」


 マーガレットを守るのに必死な梔子はそれを追うことができない。


「ローズ、危ない!」


 その時、ローズのシルエットが一瞬だけ霞んだように見えた。背後から鉤爪による一撃がローズの脳天に加えられようとした時、元々速かったローズのスピードが、さらに爆発的に上昇した。


燦鬼散斬(ダンスマカブラ)!」


 俺の目では、その動きを追うことができなかった。


 気が付くと、ローズに襲いかかった『鬼』は百個以上のパーツへと斬り分けられ、花吹雪のように宙を舞っていた。『鬼』の欠片達は塵と化し、煙のように消えていく。


「すげー……」

「うん……」


 俺と三和は単純に驚嘆していたが、ローズは顔を顰めていた。背後から襲ってきた『鬼』を仕留めた。それはつまり、今まで対峙していた『巨鬼』に対して隙を見せることを意味していたからだ。


「ぐ……!」


 ローズは素早く身を捻ったものの、脇腹を『巨鬼』の太い腕による殴打が掠った。それだけでローズは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。


「ローズ!」


 俺と三和が叫ぶと、ローズは脇腹を庇いながら立ち上がる。


「大丈夫です。それにそろそろ……」


 ローズはチラリとマーガレットに視線を向けた。


「東にあっては光の門、南にあっては炎の門、西にあっては風の門、北にあっては闇の門。我は今、南に向かいて御祈り奉る。南を守護せし赤の戦女神よ、我が祈りに応えてその尊き御姿を現したまえ。その稀少なる奇跡を現したまえ。赤き息吹にて、邪悪なる者を焼き尽くしたまえ」


 たどたどしく呪文を唱え終ったマーガレットは、ロケットランチャーを発射させる。


火焔女神の吐息(ジェノサイド・フレア)


 砲弾の代わりに飛び出したのは真っ赤な炎の煌めきだった。それは蛇のように地を這って進み、梔子と交戦中だった『鬼』達に絡みつく。


「ぐあああおおおおおおお!」


 二匹の『鬼』は、炎に取り巻かれ、断末魔の叫びを上げながら消えていった。


 炎の蛇は続いて続いて『巨鬼』へと絡みついたが、『巨鬼』は炎に巻かれてながらも暴れ、尚もローズに襲い掛かる。


「しつこい男は嫌われるってわからないのかねえ?」


 梔子がニヤニヤしながら言うと、ローズが凛とした表情で双剣を構え直す。彼女は二つの剣をクロスさせるように構えて飛翔した。


炎鬼閃(スカーレット・グロー)!」


 ローズの双剣が『巨鬼』に向けて振り抜かれた瞬間、その両の刃は大きな火焔を纏っていた。


「ガアアアアオオオオオアアアア!」


 ローズの一撃に見舞われた瞬間、『巨鬼』を取り巻く炎の量が倍加した。『巨鬼』はしばらく両手を振り回して苦しげにのたうちまわり、やがて大人しくなると、炎の残像と共にあっけなく虚空に消えていった。


「やった……!」

「よかった!」


 俺はミワ坊の手の中でガッツポーズを取る。ミワ坊もピョンピョン飛び跳ねて喜びを表現するが、興奮して手を握り込んだことで、再び俺を圧殺しかかった。


「ぐええ!」

「わわわ。ナオ、ごめん、ついつい!」


 俺はげんなりしつつ、ローズ達に視線を移す。ローズはホッと息をついて双剣を鞘に収め、マーガレットはロケットランチャーを放り出して「やったなのだです!」と小躍りしている。


 だが、梔子は思案するような顔で『巨鬼』の消えた虚空を見つめていた。それから早弥子ちゃんの去っていった方角に目をやって溜め息をこぼす。

 やっぱり、梔子は早弥子ちゃんに何か関わりがあるに違いない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ