生と死
何故死んではいけないのか。
何故生きなくてはいけないのか。
自分には何も無かった。死ねない理由も生きる理由も。
学生の頃は、勉強をやらされた。勉強はやれば良い点を取れた。良い点を取れば褒められたし、優越感に浸れた。しかし、自分の中は空っぽだった。
社会に出た。社会に出たらテストの点数なんて関係なかった。何をするにも自分で考えなくてはならなかった。空っぽの自分には何もできなかった。
どんどん追い詰められていった。
人と普通に話すことができない。自分と話すといつもおしゃべりなあの人も口を塞いだ。
気を利かせることができない。あの人はちゃきちゃきと動いて、皆に感謝された。
無視される。怒鳴られる。殴られる。誰も助けてくれない。
こんなこと普通の人からしたら、小さなことなのかもしれない。
「もっと頑張れよ。」
「誰でもできるようになるよ。」
そんな言葉も自分を追い詰めた。自分は普通ではないと言われているようで。
胸が締め付けられた。胃が縮み上がった。汗が吹き出た。涙が溢れた。脳が痺れた。死のうと思った。
どこでも死を考えた。
駅のホームでは、後ろから自分を押してくれと思った。電車に飛び込む勇気がなかったから。
道を歩いている時は、自分にトラックが突っ込んで来てくれと思った。トラックに飛び込む勇気がなかったから。
もう限界だった。
仕事もやらなきゃいけないことも全部捨てた。
楽になった。
「なんだ。死にたいんじゃなくて、ただ楽に生きたかっただけか。」




