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04


「今日は泊って行きなさい」

 そう言ってもすらは、ロココの箪笥を開くと、なかから一枚取り出し、投げてよこした。

 それは、現在彼女が着ているのと同じような単衣だった。

「もすら、前も言ったけどこれサイズが」

「誰が見ているわけでもないのだから我慢なさい」

「私、着付けできないよ」

「それは、また私がやってあげるわ。こっちへいらっしゃい」

 そういう彼女の手には、柔らかい素材の帯が握られていた。

「じゃあ、お願いします」

 言って。

 着ていたセーラータイプの制服に手をかけ、脱ぎ始める。リボンを解き、制服を脱いで。スカートを脱いで。

 下着……は脱がなくていいんだっけ。

 どうだったか覚えていないけれど、そこまで脱ぐ必要性も感じなかったため、脱がずに着たままにすることにした。

「あ、そういえば瑠璃、夕食とお風呂、どちらが先かしら?」

「なぜそれを確認する前に脱がせた」

 ちなみに夕飯が先。

 カロリーを取ってから汗を流したい。

 それに、ご飯が先にしろ、お風呂が先にしろ。人様のお宅で御家族の前で、もすらの衣服を着た状態では失礼にあたる気がする。名家の中で失礼を働くわけにはいかない。

 私は、つい脱いだばかりの制服を手に取り、脱いだのとは逆の順番で着始めた。

「それにしても」

 もすらはマジマジと、品定めするような目つきで、上下に視線を動かしながら、

「あなた、出るところはそこそこ出ているし、引っ込むところはそれなりに引っ込んでいるのね」

 と言った。

 そこそことか、それなりという言い方をされても、全く嬉しくないけど。

 それに、いくら同性で幼稚園の頃からの付き合いとはいえ、こうもマジマジと凝視されるのは恥ずかしい。

「あんまり見ないでよ」

 言うだけ言ってみるが、それを訊いている風ではなかった。

 私の身体を見、自分の身体を見比べて、訝しげな表情を造る。

「ふむ、あなたの場合、彼を押し倒した方が話が早いんではなくて?」

「そんなコースを走るつもりはないよ」

 どんなショートカットだよ。

 下手したら穴に落ちてドボンだ。

 どんなマリオカートよ。

「既成事実って言葉があるのよ?」

「あるけどないよ!」

 そんな言葉、私の辞書には載っていない!

「なによ、大声を上げないで頂戴、はしたない」

「どっちがだよ!」

 いや、でも。

 旧家や名家にはそう言った、いわゆる同衾の作法を幼い頃から教え込まれると言うし、実はそんなに取り乱すようなことでもないのだろうか。こうしてもすらは落ち着いているのもそれを示唆しているようにも思えてくる。ん、とすると。実は、この子、既に大人の階段を上っていたりするのだろうか。許嫁というくらいだから、ご両親の許可もあるのだろうし。それこそそういった既成事実があれば、その後の話も早くまとまるのではないだろうか。

 マジか。

 こんな幼い見た目で、すでに大人の世界を垣間見たと言うのか。

 もすら、恐ろしい……。

「あなた、なにか失礼なこと考えてないかしら」

「い、いえいえ、何も」

 若干声が裏返ったような気もするが、

「……まあいいけれど」

 そういう彼女の口調からは、攻めるような刺々しさは感じられなかったので、上手く誤魔化せていたのだろう。

 夕飯を戴いた後(ちなみに火野湖家では家族全員で食卓を囲む。お婆様にお母様、お父様。もすらと私で食卓を囲んだ。煮物や焼き物がたくさん並んだ純和風の物。お婆様のお料理、めっっっっっちゃうまい!)、もすらと一緒にお風呂を戴いた。客人扱いという事で、一番風呂を譲っていただいた。ご提案いただいた際には、なんだか申し訳なく感じお父様にお断り申し伝えたけれど、お父様もお父様で頑として引かず、

「さすがにおじさんが入った後の湯船に、女子高生を入浴させるわけにはいかないよ」

 という事であった。

 素敵なおじさまであった。

「ねえでも瑠璃、どうなのかしら? あそこまで頑なにされると、逆に女子高生が入浴した後の湯船が目的なんじゃないかって疑いたくなるわよね?」

「…………」

 このお嬢様はなんて事を言うのだろう。

 そう言われてしまうと、まさかとは思いつつも、なんだか疑念が生じてしまうのだから不思議なものだ。

 もすらと一緒に同じ湯船につかり、そんな事を考えていると、

「もちろん冗談よ」

 ともすらが笑った。

「当然、本日はお父様が最後に入浴されるわ」

 その辺りの話は既に付いているらしい。

「それはそうと」

 私は、檜でできた湯船に肩まで浸かり、

「こうしてお風呂までいただいちゃっているけれど、明日学校よね? 私、ここから登校するの?」

 私の隣で既に肩まで浸かっているもすら。恐らく体躯の差なんだろう。背中までもある長髪を湯船に浸けることなく、頭の上でタオルで纏めている様は、なんだか幼子のようにも見える。

 彼女は気持ちよさそうな表情のまま、

「当然じゃない。それともわざわざ一度自宅に戻るつもり?」

 といった。

 それに私は、

「いや、そうじゃないけどさ。別に気にしてもないけど、ちょっと強引かなって」

「強引?」

 と首をこちらに向ける。

「うん。たぶん、これって私の為を思ってのことなんだよね? それはわかるんだけど、もうちょっと相手を気遣うというか、気を回すというかさ、そういうとこ気をつけないと。私はいいけど、他の人なら誤解されちゃうよ」

 と続ける。

 まあ、言った通り私は気にしていないのだけれど。いつものことなので慣れっこなのだけれど。けれども、彼女の友人は私だけではあるまい。その友人たちに迷惑をかけることになるかも知れないと、友人としての忠告のつもりだった。

「ああ、そのこと」

 そう呟くともすらは、静かに立ち上がり、檜の梁に腰かけ、

「まあ、そうね。今回は少々はしゃぎ過ぎたのかもしれないわね」

 そういった。

 ほうっと、息を吐いた様が、なんだか扇情的であった。

「悪かったわね、瑠璃」

 頬に垂れた一房を掻き上げる彼女は、体躯に似合わず。

 背徳感を抱くほどに、魅力的だった。

「いいよ」

 なるほど。

 これは、薪くんが放っておかないのも頷ける。

 私が男だったら、今この場で押し倒していたのかもしれない。

 いや、うん。私の辞書にはそういったことは書かれていないけれど、男の私にはそう言ったことしか書かれていないのかもしれない。

「……あなた、またおかしなこと考えていないかしら?」

「いやまさか、そんな馬鹿な」

「なぜかしら。あなたに馬鹿といわれると、酷くむかっ腹が立つわ」

 酷いことを言う親友だ。

 暗に私の事を馬鹿だと言っている。

 それに明らかに私を格下だと蔑んでいる発言だ。

 その言葉にムッとして、

「ていうか、少しは恥じらいを持ったらどうなの、お嬢様?」

 そんな事を言ってみた。

 いろいろ――というか、全部丸見えだった。

 お風呂のヘリに腰掛けるなら、外に足を向ければいいものを、なぜかこちらに身体を向けているものだから、見ようとしなくても視界に飛び込んでくる。

 隠れている所といえば、足首と頭くらいなものだ。

「あら、何を恥じることがあるのかしら?」

 言いながら。 

 ぱさりと頭のタオルを解く。

 ゆるゆると頭を振り、髪の毛を下ろすと、指で濡れた髪を梳き、その毛先を指先で弄りはじめた。

「……気にしないならいいけどさ」

 しかし。

 目の前に裸の女の子がいると、見るつもりはなくても瞳が吸い寄せられてしまう。でもどうなんだろう。もすらの身体は確かに、出るところは出ていなく、引っ込むところは出ているような、卵のような体形だが、こういった身体でもきちんと需要があるというのだから、世界はすごいバランスでできていると思える。

 なんて。

 友人に対してあまりに失礼なことを考えていると、

「あなた、意外と長風呂なのね」

 そんな事を言われた。

「え、そうかな?」

 まだ浴場に這入ってから三十分も経っていないだろうし、湯船に浸かったのだってまだ十分足らずだろう。

 しかし。

 見ると、もすらの表情は真っ赤に上気しており、のぼせる直前のような状態であった。

「……そうよ」

「あんた、それ大丈夫なの?」

「大丈夫よ……」

 とてもそうは見えない。

 なんだか声もか細いし。

 明らかに視線が定まっていないし、その目もなんだか虚ろだ。

 濡れた黒髪で虚ろな目で、ほうっとこちらを見るものだから、なんだか本当に座敷童というか、なにか妖怪の類のようにも見えてくる。

 しかし、どういうことだろう。

 湯船に十分足らず浸かった所で、こんなにも――

 あ、そうか。

 身体の大きさが違うから、身体の温まる時間も違うのか。見ようによっては小学生のような彼女の身体では、おそらく血行の流れも異なってくるのだろう。彼女の小さい身体は、ほんの数分の入浴にも耐えられないようだ。

 ていうか、

「そんなフラフラになるくらいなら先に上がればいいのに」  

 やや呆れながらそう言うと、

「嫌よ」

 やけにきっぱりと拒絶された。

 先程までのか細い声が嘘のように。

「なんで?」

 やけにはっきりと言われたものだから、そこに何か意図があるのだと思い訊いてみる。

 彼女は、ちらりと、横目でこちらを窺うようにして。

「……友達だもの」

 ぽそりと、つぶやいた。

「…………あんた、私を萌えさせる気ね」

 彼女のその言葉に、態度に。私自身ものぼせたのかと言うくらいに、顔が火照る。きっと、お風呂のせいでなくとも、顔が赤くなっているだろうことがありありと想像できた。

「そういうつもりではないけれど……それに、先程の話でもないのだけれど」

 言いながら彼女は、ぱしゃぱしゃと足で、湯船のお湯を弄びながら、

「瑠璃が彼と上手くいったら、私と遊んでくれなくなるかもしれないじゃない……」

 だんだんと消え入るように。

 徐々に声が小さくなりながらも、私の親友はそんな事を言った。

「……ねえもすら。あんた自分が何言ってるかわかって口動かしてる?」

 いつもとはあまりに違うキャラなため、これものぼせた影響なのではないかと疑うように。

 しかし彼女は。

 湯船から出て、その梁に腰かけることでいくらか体温が下がってきたのか、

「もちろんよ」

 と、先程までとは異なるしっかりとした口調で、きっぱりと言った。 

「それに、友人と少ない高校生活を、少しでも長く一緒に過ごしたいって思うのは当然のことでしょう?」

 妖艶に笑う。

「…………」

 少しでもって。

 それに、今は高校生活じゃない。入浴時間だ。

 そんなちょっとの時間を惜しまれても、友人として挨拶に困る。

 それともまさか、この子は私をそっちの道に引きずり込もうとしているのだろうか。

「それとも、瑠璃にとってはそんな事ないのかしら?」

 なんだかそんな態度が癪に感じた私は、

「ないって言ったら?」

 そんな事を言ってみた。

「泣くわ」

 即答だった。

 食い気味であったし、なんなら、すこしその声は上ずっており、若干ではあるものの震えていたようにも感じた。

「言わないよ」

 けれど。

 私がそう言ったのは決して。

 彼女のその可愛らしい態度に押されたからではなく。

 私の、そのままの本心だった。

「私も、もすらともっともっと、ずっと一緒にいたいよ。高校を卒業しても、大人になっても。ずっと」

 そう言うと。

 今度はもすらの顔が赤くなる番だった。

 これは、のぼせたわけではあるまい。もう、それなりに体温は下がっているはずだ。

「まあ、それに。彼と上手くいくっていうのが、なんだか想像できないしねえ。まだもすらにはお世話になるかもよ?」

 連絡先を訊いたからといって、そこから全てが上手くいくというわけではあるまい。というか、そもそも訊いた後のこともどうしたらいいのかいまいち想像ができない。これに関してもしっかり考えねば。

「それでは困るのだけれどね」

 言って。

 彼女はまた、ゆっくりと湯船に這入ってきた。

「そうね。まずはそこかしら」

「そこって?」

「さっきも言ったでしょう? このままだと、いずれ彼はどこの馬の骨とも知れない女に捕られることになるわ」

「……言い方よ」

 お嬢様の言葉とは思えない。

 もう少しお上品な物言いはできないものだろうか。

「言い方を変えても事実は変わらないわ。ならば、事実がより的確に伝わる言葉を選んだほうが効率的ではないかしら?」

「……まあ」

 そういう見方もあるのだろう。

 まあ、でも。

 事実は事実として、認めなくてはいけない。

 確かに私は彼に、一年生の時の球技大会で颯爽と助けてもらい、その後も縁が合って仲良くさせてもらってはいる。けれど、あれを目撃したのは私だけじゃない。ほぼ全校生徒がそれを目撃している。その全ての女子が――ということはないにせよ、もすらの言い方だと、下級生上級生に限らず多くの女子が、彼に注目した。つまり、ライバル。そのライバルたちに先を越されないように――もしかしたら既に越されているのかも知れないけれど、それでも。

 まずは、連絡先を訊く。

 ここからだ。

「なんだか、レースみたいだ」

 そんな事を考えていたせいか、ついぽろりとそんな言葉が口をついて出てしまった。

「レース、ねえ。確かによく歌なんかで、恋はレースだ駆け引きだ、なんてフレーズは耳にするわね。それが?」

「いや、なんかヤダなーと思って」

「嫌? なぜ?」

「だってさあ、彼を景品――物みたいな考え方じゃない? それに、早い者勝ちってわけでもないんだろうし、こういう場合。だから、もっとこう、気持ちを大事するって言うかさあ」

 説明しようとして口を開いたものの、なんだか上手く言葉にできないでそのまま尻すぼみになってしまう。

 けれどとにかく、なんだか急かされて周りと競って、一番最初を目指すって言うのは、なんだか違う気がする。

 それが恋の本質だなんて思いたくない。

 もしかしたらこれは、子供の我儘なのかも知れないけれど。けれど、それでも、せめて私の恋は違うのだと、違って欲しいと願う。

「へえ……なかなか面白い事を言うじゃない」

「そうなのかな……?」

 よくわからない。

 恋だってよくわかってないんだ。恋愛に関してはなおさらだ。右も左もわからないし、上も下も分からない。進むべき道も分からない。

 でも。

「確かに――そうなのかもしれないわね」

 見ると、もすらは。

 なんだか儚げな表情で。

「少し、おせっかいが過ぎたのかもしれないわ、さっきのこと」

 そんな事を言った。

「そうよね。私がとやかく言う事ではないものね。……相談されたというのならともかく、今回の事は。あなたの気持を考えていなかったのかもね」

 そう言った。

「ううん。そんなことない。私の気持ちを――私の事を考えてくれたからこそのおせっかいでしょう? それくらいわかってるよ」

 けれど、きっと。

 その優しさに甘えてはいけないんだと思う。

 恋愛って、そうじゃないと思う。

 いや、そうじゃないと思いたいんだ。

 そうじゃなくしたい。

 例えば、考え方を変えてみよう。

 大きな一歩を踏み出す時は、足を踏み出すよりも、ジャンプした方がより進めるものだ。

 右も左も上も下も、進む方向も分からないなら、それは限りなく自由だ。

 だったら、

「やっぱり私は私のやり方でこの恋を進んでみたい」

 宣言するように。

 実際にそれは宣言だけど。宣言であり宣誓なのだけど。

 けれど、スポーツマンシップには則らず、なんなら、私がこの恋の舵を乗っ取るくらいの気概を見せなきゃダメなんだろう。

「……どうするつもり?」

 親友は言っていた。

 高校生活は――青春は、一瞬の輝きなのだと。

 それを掴むために、努力をしなければならない。

 それはつまり、行動を起こせと言うことだ。

 待つのではなく。

 掴みに行かなければいけない。

 このまま、友人に促されるままに行動することが努力と言えるのだろうか。

 否。

 なんだかそれは違う気がする。自分で考えて、行動して、失敗してもそれを受け止めて進む方が、努力という言葉には近い気がする。

 友人は――親友は、甘えるためにいるんじゃないんだ。

 支えるために、いてほしい。

 甘えて、甘やかされる関係じゃなく。

 私が躓いて、傷付いて。

 泣きそうになったら、そっと抱きしめてくれるような。

 そんな関係でありたい。

 だから。

 親友に促されるやり方じゃあ駄目なんだ、きっと。

 さっきは三つ指ついて頭を下げたけど。

 あれも撤回しなきゃいけない。

 友人に頭を下げて教えてもらった方法で連絡先を訊いたとして、本当にそれで私は満足できるのか?

 いいや。できない。

 したくない。

 そんな安い女になりたくない。

 彼の隣に立つ女が、そんなに安い女であっていいはずがない。

 だから。

「――彼に、惚れてもらう!」

 うん。

 そうだ。

 その方が、私らしいのかもしれない。

 何か期待して待つだけの恋じゃなく。

 行動して、前に進んで。

 そうやって恋をしよう。

 恋は実るんだ。

 今はまだ、青い小さな実だけれど。

 きっと彼の光を浴びれば、大きく、大きく。

 甘くて素敵な実になるだろう。

 そしていつか、甘いね、なんて言いながらこの実を分け合いたい。

 大人になって今を懐かしんだときに、苦い思い出ではなく、甘い思い出にしたい。

 だったら。

 よりたくさん光を、めいっぱい光を浴びせなきゃいけない。

 こんな日陰にいたんじゃ、いつまで経っても大きくならないから。

 だから。


 あなたのハート、いただきます。

 


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