第2話 駐車場にてpart2
な、何なんだSM相手って…
混乱する俺をよそにウエイターさんは喋り続ける。
「一目みたときから君のこといいSになりそーだなあって思ってたんだよね。ノンケなら無理強いするつもり無かったけど、君も僕のこと見てくれてから脈あるかなって♪」
ってことはこの人はMなのか。意外だな…じゃ無くて。
「あ、あの俺あなたの本名も知らないしいきなりそんなこと言われても困ります!」
「ごめん、紹介が遅れちゃったね。僕の名前は白石カケルっていうんだ。職業はご存知の通りウエイターで現在シェフの修行中。これで良いのかな?」
「いやそういう事じゃなくて、殆ど初対面の相手とそんなこと出来るわけないでしょう!!」
「でも君僕のこと好きなんだろ?」
俺はもうなにが何だか分からなくなっていた。だってそうだろう。片想いの相手にいきなりSMの相手しろとか言われてるんだから。
それに、俺が思ってたウエイターさん…改め白石さんは男らしいルックスと低音ボイスなイケメンだったのに実際は結構なナルシストでMだと知り、その事にもかなりの衝撃を受けていた。
「ねえ、君さえ良ければ今から僕の家来ない?早速ヤってみる?」
あー、もう何なんだ!白石さんの追い打ちによって俺の心が許容量オーバーしてしまった。
「何なんだよ!確かに俺はアンタに気があったけど、俺が好きだったのはウエイターとしてカッコよく仕事してるアンタ何だよ!!SMだか何だか知らねーけど誰がそんなもんするかよ!」
「ちょ、落ち着いて!」
「落ち着いてなんかいられるか!」
俺は白石さんに背を向け駐車場から走り去った。