白い貴婦人 後編
「ご無沙汰しておりました、クイーン」
「あら、以前のようにキヌいえシルキーでいいのですよ、他ならぬ木の精様ですのに」
「いえ、流石に公務で訪れてますから、上司の森さんや林さんに叱られてしまいますよ」
人の好みとは色々なのだが実はクイーンの匂いに惑わされる者も結構居る、フェロモンも含まれているのだろうから当然だ。
ちなみに木の精としては別に匂いなどもとより平気だ。鼻炎な訳ではないのでご注意を。
しかし相変わらず美しい。女王自らが作った装いだが自然にできるのが不思議なぐらいだ。
「其の姿勢では苦しいでしょう、どうぞこちらへ」
非常にすわり心地のいいソファなのだがこれは森の精があつらえた特注品だったりする。
女王に手に挨拶の口を近づける。実際に口はつけないのだけどポッと赤くなるあたりがキヌちゃんの面影が見え隠れする。
昔はこんな畏まった挨拶なんてしてなかったからね。
それが今やこの気品だから、女性は変わるもんだと感心するしかない。
「それで、木の精様がじきじきに来られたのは例の計画についてですわね」
「ええ、どうでしょうか”キノコの娘教育計画”をこの場所で始めたのですけれど」
「非常に興味はあるのですけれど、あの子達が相手になるのですよ?」
「ご心配なく、私を初めとしてそれなりの人物を選び抜いておりますから」
「しかし腐女子や戦闘マニア、寂しがり屋ととても手に負えない子もいますが……」
「大丈夫です、私もここに勤めることが決定していますからシルキーの了承さえもらえたらすぐにでも発動ですよ」
「このタイミングでシルキーと呼ぶのは卑怯ですわね、まったく」
「でも女王として頑張っているシルキーを手伝いたい気持ちは本物だよ?」
「解っていますわ、それぐらい」
プンと頬を染めるクイーン・シルキーは一緒に遊んだ頃とやはり変わらない。
世界最高の教師を用意しているから安心して欲しい。腐女子だろうがバトルマニアだろうが立派なレディに育て上げるさ。
図鑑が手に入らず、前編後編に別ける意味があったのか非常に不明な内容になっています。まあ場面転換だと思って下さいませ。
ちょっと図書館まで調べ物もあるので続きは図鑑が到着する明後日?になるかもしれないです。




