7ー3
「それで、どんな子にイジメられてるの? あたしでよければ相談に乗るよ?」
「いいんだ。ぼくが悪いんだから。それより」
と、言うと。りゅんりゅんはとびきりの笑顔を見せてくれた。
「二人、出会えたんだね。よかった」
え? なんで?
ふっと横を見ると、ビリーさんがなにかに気づいたようにあっと声を上げている。
「その節はどうも。でも、これは一体……?」
「やぁ。仕方がないんだ。この世界線でのぼくは、嫌われ者だから」
「そうとは知らず、いつぞやはすみませんでした」
深々とりゅんりゅんに頭を下げるビリーさんを見て、りゅんりゅんがけらけらと笑う。笑い声まで可愛いなんて反則だぞ。
「よくわからないんだけど、二人、知り合いだったの?」
「「まぁ、ちょっとした、ね」」
二人で声を揃えるから、なんだろうと思った。
「でも、やっぱりつらいんだ。ねぇ、ビリー。きみならぼくのことを助けてくれるかい?」
「もちろんだよ。どうすればいい?」
「うん。あのね……」
そう言い置いてから、りゅんりゅんはおもむろにビリーさんの耳元に両手を当てて唇を寄せた。
ん〜? 聞こえないぞぉ。
「げ。そんなことするの? 俺が?」
「そう!」
話が聞こえなかったあたしには、なにをするのかさっぱりわからないぞぉ〜!!
「努力してみます」
「うん。必ずね。そうしたらきっと、ハッピーエンドになるからね」
おおっ、ハッピーエンドとなっ!?
なにを隠そうあたしはハッピーエンドマニアだったりする。
だって、その方がしあわせじゃない。
ともかく。
「二人で内緒話してないで、あとしにも教えてよ?」
ダメ元で聞いてみたら。
「うん。それはね、好きな人と愛の口づけをかわすといいって言ったの」
愛の、口づけ?
こそこそ話していた割には、あっさりと教えてくれたけど。
え? それってビリーさんが好きな人ってこと?
つきん、と胸が傷んだ。
「あの。ビリーさん、今好きな人っていますか?」
「ああ、その、うん」
……ああ。あたし、じゃないみたいだな。この言い方だと。うわ。ひっどいな。出会って運命を感じた途端に失恋なんて。
「きみは? これからどうしたい? ポーションのお礼として、一つだけ願いをかなえてあげる」
りゅんりゅんに言われて、あたしは彼の小ぶりの耳にそうっと話した。
「ビリーさんの首を後ろ前につけてください」
つづく




