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6ー3

 がつんと後頭部を殴られたような痛みがきた。


「ゔ〜。また片頭痛だよ。ワッシャンヒールの魔法かけてぇ」


 あたしの名前はミリー。猫耳族の小柄な成人女性。


 体が小さいから幼くみられるけど、ちゃんと十八歳だし、成人してるもんね。


 この褐色の美青年はイヌワシのワッシャン。あたしの眷属で、今は人化してるんだ。


 眷属って言っても、知恵を貸してもらったり、片頭痛治してもらったりする程度の間柄だから、恋人ってわけじゃないのよ。


 でも、なぜかそんな風に見られちゃうんだよな。


「へいへい。俺様の魔力を浴びれば、頭痛も風邪もすぐ治りますぜっと。せぃ」

「あ、治った。サンキュウ、ワッシャン。それで、話ってなに?」


 今日は珍しくワッシャンの方から話があるって言われてるんだよね。


「それが、その。途中の記憶が適当に抜け落ちてるんだが、ミリーの前世って猫だった?」

「へ? 前世? そんなの覚えてるわけないじゃん。なんで?」

「いや? 俺にもよくわからないけど、今それを聞かなければならないような気がしただけなんだ。うん」


 ふぅ〜ん?


「意外。ワッシャンから前世がどうとか聞かれたのってはじめて。ワッシャンは前世の記憶があるの?」

「俺はない。それと、ノリオの奴がまた俺たちの商売を邪魔建てしようとしてると小耳に挟んだ」


 なるほど。ノリオの奴、いっつも面倒くさいところで口を挟んで来てムカつくんだよな。


 頭痛が治ったところで、あたしは売り物の体力魔力回復ポーションを仕上げにかかった。


 最近古代竜が水中トンネルからあらわれて、討伐隊が出るほどなんだよ。


 なんでかこの古代竜、いつもは水中で眠っているはすなのに、ものすごく不機嫌みたくて地上に出てきて暴れまくってるとか。


 それで、あたし特製のポーションが売れに売れてるってわけ。


 ついでにその古代竜でも見に行ってみようかしら?


「ミリー」

「なに? ワッシャン」

「あんたさぁ、好きな奴いるんだっけ?」

「なに? ……なぁに? なによぉ? なんの話ぃ〜? ワッシャンから色恋の話が出てくるなんて、どういうことかしらぁ? まさか、あたしにほれた?」


 いやぁ、あたし背がちびっ子だから、一部のマニアな男の人にしか人気がないんだけどそれでもとうよ?


 ワッシャンとは古い付き合いだから、そういう目で見たことないけど、今ならお安くしとくわよっ!?


「付き合ってほしいところがあるんだ」

「へ? どこに?」

「王立図書館。記憶に関する調べ物をしたいんだが、一人だと入れないようになっているんだ」


 あらやだ。本気で口説かれたのかと思ってちょっとだけわくわくしちゃったじゃないよ。


 ちっ。でもま、いっかぁ。


     つづく


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