5ー1
グルーの手を借りて乗船すると、ウリ坊たちが人化してうろちょろしていた。
「ウリ吉、ウリ蔵、ウリ弥。しっかり帆を立てろ!!」
「イエス! 船長!!」
……しっかし。そのままなんだな、名前。ちょっと驚き。
そのウリ坊たちが船の上で右往左往している。ちょっと可愛いかも。
そしていよいよ出立の予感!!
「よぉ〜し、水中トンネル付近まで前進!!」
「アイアイサー!!」
ウリ坊やボアーの返事で船はゆっくりと海へ向かい始めた。
「わぁ!?」
最初は恐れていた海だけど、きらきらと輝く水面を眺めていると、恐怖心が吹き飛んでしまう。
「おえ〜」
そしてすぐに船酔いするスナオに興をそががれる。船酔いするの早すぎ。
そしてビリーは港まで歩いてきた分、体力をなくして眠っている。まったく、あたしのポーションが効かないなんて、おかしいなぁ。
「お嬢のポーションは自前だって聞いたが、本当か?」
ヤスがあとしに話を振る。
「ええ。詳しいレシピはワッシャンが教えてくれるの。だから特別なんだよ」
そう。大賢者ワッシャンの知力は計り知れないものがある。そこでもってして、あたしの眷属になってくれたものだから、笑いが止まらない。
そんな体力魔力回復ポーションは、出先で資金が尽きそうになった時には言い値で売れるからありがたいのだ。
「なるほどな。大賢者のレシピとなれば、誰でも欲しくなるものな。かくいう俺も、ポーションを売っていた時があるんだぜ?」
「へえ? ヤスも?」
なぬっ。商売敵かっ!?
「ああ。ほんの子供用の風邪薬程度にしかならないもんだけどな」
「でも、現状維持はできるじゃない?」
「そう。それだけなんだけど、たまに売ってくれって言われるとあせる。客の目の前で魔法調合するとなると、あまり見られたくないんだよな」
そう。魔法調合は、その一瞬で自分の魔力が丸見えになっちゃうから、怖くもあり、恥ずかしさもあるのだ。
「お嬢ちゃんのポーションがあるのなら、俺もふんだんに魔法を使えるってことだからな」
うん? なんだか奥歯に挟まったような物言い?
あれ? なんか今、波間がギラッと光ったような気がする。
「やっぱり来たか。ウルフ族めっ」
ちょっ。このタイミングでウルフ族!?
つづく




