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3ー2

 南の端の古代龍。


 それは、大賢者ワッシャンがなぜか知らないローカルな言い伝え。


 なんでも、昔から解除法のわからない魔法をかける魔道士はたくさんいて、それを解くためにあるものをささげるとか。


 だとしたら、なんだろう?


 たとえば命と交換、なんてことはないと思うけど、突飛なものだってことはわかった。


 突飛もないものだったら、心臓とか、手足とかはないと思う。


 ビリーを探すためだけにドラゴン討伐を担ったあたしはここだけの話、結構な小銭持ちだ。


 そのお金でなんとかなるといいんだけど。


 ギャラリーのおじさんたちが言うように、ビリーの首がずっとこのままだと、どんなにあたし特製のポーションを飲ませても一秒ごとに衰弱していく。最悪の場合、死ぬかもしれない。


 だって、ご飯を食べても喉を通る時、すごく痛そうにしていたのをあたしは密かに知っている。


 ビリーは負けず嫌いなんだ。だから、喉が痛いとは言い出せなかったんだろう。


 ただでさえ、あたしに食べものを食べさせてあげたら恐縮してたしね。


 だから。この気のいいビリーを助けるためには、南の端の水中トンネルに行かなければならない。


 んが。ここで一つだけ問題がある。


 猫耳族は水が苦手なんだ。飲水はもちろん平気なんだけど、水中に潜るとなると、かなり難しい。


 そこでだ。魔じっくぺんで水中で息ができると書いてみたところ、最初は平気なんだけど、水に濡れると字が消えてしまって途中で苦しくなってしまう。


 と、いうことは。頭から被るヘルメットみたいなものがあるといいなと思ってるんだ。


 おじさんたちも、それでイケるんじゃね、とか言ってるし。


 うんうん。


 するとあれだ。


「ここいら辺で水中ヘルメットを売っているところを知らない? 値段は高くても平気なんだけど」


 水中となると、ワッシャンも難しい。いくらイヌワシの身体能力を持ってしても、一瞬で水中から出ないかぎり、息継ぎできなくて死んでしまいかねない。


 人化で行くか、鳥形態で行くかも重要なポイントになる。


 なにより心配なのはビリーだ。頭が後ろ前についているんじゃ、息継ぎうんぬんの前におぼれてしまうだろう。


そんな意味でも困っているのに、さらに困ったことがある。高低差の激しい南の端までどうやって行くか。


 ワッシャンの上にあたしが猫化して乗るのは余裕で飛べるけど、そこにビリーを抱えてとなると、低飛行しかできない。


 なによりわがままそうなスナオについては今にも文句を言い出しかねない。


 そしてここでぐずぐずと山道を歩くというのは普通に考えても無理だ。ビリーが無理だ。だってそんなに長く息が持たないでしょう? それでもって、気圧の変化にも弱そうでしょう? あくまで偏見だけど。


 ね、どうしようもないんだよぉ。誰か瞬間移動できる人いないって聞いたら、そりゃアニメーションの見過ぎだよ、と笑われてしまったのだった。


     つづく





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