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第四話 〇〇村 

軽いグロ注意。



「村だよな?」


 多分。


 明るい。

 

 電化製品の明るさではない。

 火。


 焚火の明るさだ。


 多分焚火をしてるんだろう。

 パチパチと音がする。

 多分、あれは村だとは思うんだが……。



 焚火に引き寄せられるように僕が近づくと、村の中央広場らしき所で焚火をしていた。

 焚火をしているのは村人だとは思うんだが……。


 何かおかしい。

 


「……」



 何だろう。

 息を潜めないとヤバい気がする。


 何かがヤバイ。

 


 勘が僕に囁く。


 細心の注意を払えと。

 軽々しく動くなと。


 勘。


 本能のような物が僕に囁く。



 おかしい。


 明るすぎる。


 村の距離は大体目視で分かる。

 問題はだ。


 遠いのだ。


 目視での村の距離感が合わない。



「ここも村だという事は分かる」


 うん。

 

 僕の周囲ももすでに村の一部なんだろう。

 廃屋が有るのだから。


 いや。

 一応ちゃんとした普通の民家も有る。


 人の気配が無いだけで。



 前方には焚火。


 やはりかなり遠い。


 なのに何故か焚火の明かりだけがはっきりと見える。



 という事は、相当大きな焚火なんだろう。


 何かの祭りかな?


 そう思い村の中央を目指す。

 焚火の有る広場に。


 というかガチで死ぬ。


 水が欲しい。

 水が。


 この際だ泥水でも良い。


 じっと足元の泥水を見る。

 美味そう。

 でも飲んだら病気になるかも。

 そう思いながら僕は耐えた。




 更に一時間後。


 村に着いた。

 着いたんだよ。



 焚火の有る村に。


 これで水が飲める。

 食い物が貰える。

 風呂に入れる。

 野宿しなくて良い。


 そう思ってたんだよ。

 思ってた。


 うん。



 眼前の光景を見るまでは。


 ナニコレ。



 思わず空を見上げた。

 幻覚ではないかと思って。

 大きな二つの月が有りました。

 


 二つの月。


 現実でした。


 というか今はそれより……。


 マジかよと言いたい。


 村人らしき人が全裸でいた。

 全員。

 しかも泥で全身を

 ペイントしていた。



「××だが××」

「××」


 しかもそのペイント。

 芸術家なんかがやってるような高尚なものではない。

 アフリカの原住民の全身ペイントに似ている。

  

 文明の恩恵のない生活をしている所の。

 そこの泥や鉱石の粉末を溶いた液体で全身に塗りたくるアレだ。

 未開文明に定義された住人が施してるアレだ。

 おどろおどろしい不気味な模様の。


「何だろう」



 奇妙な感覚だ。

 

 髑髏で出来た祭壇の前で焚火をしていた。

 焚火の周りを踊って回る村人。

 村人達は人が入れるほどの大きな鍋を焚火にかけていた。

 グツグツと何かを似ている。


 大きな動物の骨。

 鶏ではない。

 大きさが違う。


 大きな骨が浮かんでいる。

 何かの骨。

 何の?



 何の?



 ナンノ?


 牛の骨は見たことが無い。

 馬も。

 豚も。


 僕が知るおおよその適当な大きさの動物の骨には当て嵌まらない。

 そう、骨の大きさを見ただけでは。

 あるいは肉屋や屠畜の仕事についてる者なら見当がつくかもしれない。

 だけど素人の僕にはそこまで分かるわけがない。

 だけど1か所だけは見れば分かる。


 アレが何かは分かる。


 分からないでか。



 僕にも理解できる。



 骸骨の祭壇。



 あれは。

 あれは。


 動物の骨ではない。

 大抵の動物は大雑把に言えば平たい。

 頭部が。


 四つん這いで歩くからだ。

 

 類人猿は多少丸い。

 それでもやや潰れた様な感じだ。


 何が?


 頭部が。


 ならば祭壇の物は?

 殆ど丸に近い。

 大雑把に言えば。

 

 ここまで言えば分かるだろう。


 祭壇に飾られてる物の材料は何かと?



「いやだああああああああっ!」

「いやいや」

「助けて下さい」

「あ~~」




 これが鍋の中身だ。

 正確にいえば材料の生き残り。


 吐き気がこみあげてくる。

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