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鬼ウイルス

作者: 出雲 寛人

5.4.3.2.1


スタート!


突然脳内にカウントダウンが鳴り響く。


スタート!で目が覚めた。


なにやら、全員参加の鬼ごっこが始まったらしい。


今鬼が誰なのかは脳内で分かるようになっている。


今鬼なのは…まずい!


隣の家のクラスメイトじゃないか!


こうしてはいられない。


僕はすぐに自分の家の玄関から駆け出した。


その瞬間隣の家からも例のクラスメイトが出てきた。


目が合ったが、僕は一目散に逃げた。


圧倒的に僕の方が足が速い。楽勝だ。


巻いた。


さて、だがどうだろうか。


あのクラスメイトの足の遅さで誰かにタッチすることが出来るだろうか。


その瞬間また脳内で声が聞こえた。


「鬼が変わりました。次の鬼は、道端のおばちゃんです。」


なるほど。

しかし老人にはこの鬼ごっこはきついんじゃないか。


と思ったのも束の間、すぐに脳内で声がする。


「鬼が変わりました。次の鬼は風です。」


そういうことか。おそらく、鬼が何にタッチしたかを認識していれば、次はその対象が鬼になる。


おばちゃんは風にタッチしたという認識があったから、鬼が変わったんだ。


ただ、次はどうなるのだろう。


風に意識は無いから、触れたものが鬼になる?


「鬼が変わりました。次の鬼は日差しです。」


日差し!?

それを聞いてギョッとしたが、僕は幸運にも影の中にいた。


そして一瞬で


「鬼が変わりました。次の鬼は日差しが当たっていたもの全てです。」


人間、動物、空気、影全てが鬼になった。


次の瞬間には影の中にいた僕も鬼になった。


こうしてこの地球は鬼の星となった。


いつの間にか鬼は変わるものではなく、バグが起きて増殖する性質を得た。


そしてある時、海の奥底に沈むスイッチに鬼が触れた。


そのスイッチは昔科学者が作ったもので、ウイルス全てを爆破するという機能を持っていた。


鬼の星は爆発した。


ちょうど鬼の星の近くの軌道を回っていた、桃太郎星の人々はその衝撃音に空を見上げた。


それは青と緑と赤が混じり合った、美しい花火であった。

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