プロローグ:突然の爆撃事件
「どいつもこいつもカスばっかだ。そもそもこんな仕組みの国が悪いんだ。世間が俺をこうさせたんだクソが…………あっ」
昼間から缶ビール片手にフラフラ歩いていた無職の男「坂本隆」のクソみたいな人生は、まばゆい光と共にあっけなく終わった。
一瞬の出来事だった。何もないところから突然、光、衝撃波、音が順番に発生、そして広がっていった。
その爆発の被害は甚大だった。半径数キロの範囲は跡形も残ってなかった。狭苦しく立ち並んでいたビルも、ここでは運転しない方が賢いと言えるほどの渋滞を作っていた車も、街を窮屈にさせる一番の要因である大量の人間も、消えてしまった。残るのは未だ燻る焼土と、灰と、黒い雨のみだ。
この事件はすぐニュースになった。ただ当時の状況は、誰も生き残っていないので遠くから見ていた人の証言に基づいたものが報道された。4〜50キロ離れたところからでも雲ぐらい大きな煙が見えたらしい。
爆発から2時間後、自衛隊が救助活動を始めた。だが現場に赴いた隊員は、活動結果の報告をした後、原因不明の病に倒れ、殉職してしまった。
そんな彼らの報告の中に、不可解な情報があった。死者すら見つからなかったが、爆発の起きた円の中心に何故か、フリフリな、アニメの魔法少女みたいな格好の女の子が1人、涙を流して立っていたという報告だった。
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