〜交通事故〜
・**☆☆年11月20日(金):交通事故
いくつもの月日が流れ、大学を出て、別れがあり、再会があり、出会いもあった。そのひとつひとつの出来事が今になっては良い思い出…。
私も、ついに大人になった。
早朝に仕事があった為、早い時間帯に家を出た。
だがしかし、このあとの自分がどうなってしまうのかも今は、知ることはできなかった…。
「あ〜、もう。なんで昨日、メール確認しないで寝たんだろう。確認しとけば、こんなギリギリな時間帯に出ることはなかったんだけど…。」
仕事に向かっている途中で横断歩道を渡っている子がいた。
私から見て、右側の道路からトラックが走ってきていた。
〈おそらく、建物が大き過ぎて、死角にあの子が入ってる状態だから…。って!絶対事故るじゃん!〉
50…45…40…35…30…25…20…15…10…5…4…3…2…1・・・。
私は心の中で秒数を数えながら全力で走った。と言うよりか、周りがとても遅く動いているように見えた。そして、あの子に向かって“危ない!”
ただそのその一言だけを・・・。
〈あぁ、あつい。私、身代わりになっちゃったんだ。これから仕事だったのに。〉
「もしもし、救急です!人が!女の人が、トラックに轢かれました。急いでください!お願いします!」
男の子が必死で、呼んでくれてるみたいだ。
「大丈夫ですか。聞こえますか?意識を失っているみたです。直ちに近くの病院へ連絡を。」
〔言の葉の音色〜君の瞳の色だよ〜♪〕
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「?はい。もしもし、永田 鳳凰です。」
「永田様で、お間違いがないようですね。
実は、今朝。〇〇様と言う女性が高校生の男子生徒を守る為にトラックに轢かれてしまい、現在、手術を終えて、入院されておりますが未だ、意識不明の状態です。」
「えっ!?〇〇が…。嘘だろ。仕事が終わり次第、そちらに伺います。」
「分かりました。では、後ほど…。」
同様に、梨穂・炎・火乃香・真葉にも連絡がいったそうだ。
ー病院 到着ー
俺たちは病院に着いた時、〇〇の病室の中で、ある1人の男子生徒が座っていることに気づいた。
そして、その子は俺たちに気づいて、一礼して、静かな声で、
「はじめまして。僕の名前は“翠川 翔”と言います。この方に、助けて貰いました。本当にすみませんでした。僕のせいで…。」
「いや、俺たちが来るまで、ここに残ってありがとう。こいつを1人にしないでくれただけで嬉しいよ。」
「いえ。それと、救急車の中で、かすかに歌を歌っていました。では、僕はこれで。」
また、綺麗な一礼をして、去っていった。
歌ってたのか、こんな時まで。
お前、本当に歌好きなんだなぁ。




