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お前もか



「あの2人に憧れて、ですか?」



やっぱり親と知り合いだったようだ。それもかなり親しい間柄だったのかもしれない。



「宿主のレギアスさんは俺の冒険者時代の先輩でな。いろいろと世話になったんだよ。冒険者辞めて宿屋を始めたらすぐに子供が産まれてな。その頃はちょくちょく手伝いに行ってたんだよ。忙しいながらも楽しそうな2人を見てるうちに俺も宿屋やろうかなって思うようになってな。それでココを始めたんだ」


「俺が産まれた頃か…」


「ん?今何て言った?」



あっ!心の中で喋ったつもりだったけど声に出てたみたいだな。

まぁ、隠すことでもないから正直に話すか…。



「俺の名前はシーマっていいます。そのレギアスの息子で、精龍亭の跡取りになります」


「マジか!! 何てこった…」


「隠すつもりはなかったんですが、俺にも関係ある話のようなので姿を明かしました」


「その事は別に構わないが、何で精龍亭閉めたんだ?」



やっぱりそこが気になるよな。

セレナには嫌なことを思い出させちゃうかもしれないけど、正直に伝えることにする。



「両親が亡くなった後、俺と隣りにいる婚約者のセレナで精龍亭を再開したのですが、セレナが買い出し中に襲われてしまって…。幸い助けていただいたので怪我とかはなかったのですが、今後のことを考えた俺たちは、一旦宿を休止してもっと強くなってからまた再開することにしたんです」


「こんな可愛い子が…」



おっ?初めて女性のほうが喋った。

って思ったら、また男性が喋り出す。



「可愛いから、だろ。俺だってシンシアに何かあったらと思うと気が気じゃないしな」


「まぁ!」



…。

綺麗な女性はシンシアっていうのか。

たぶん奥さんなんだろうけど、仲がいいのは分かるがこの場で惚気けられてもなー。



「その…なんだ、そういう理由ならしょうがないな。精龍亭が再開されるなら俺はそれでいい。正直レギアスさん達が亡くなったって聞いた時は、こっちを放り出してでも精龍亭を助けに行こうかと思ったくらいだしな。」


「いろいろと気にかけていただき、ありがとうございます。精龍亭をこれからもよろしくお願いします」


「おう。俺はエリオだ。これからもよろしくな」


「はい」



そう言ってエリオさんがそっと手を出してきたので、俺も手を伸ばして握手を交わした。その様子を2人の女性は微笑ましく眺めていた…と思ったら、シンシアさんが俺に向かって話し出した。



「それはそうとシーマくん」


「はい、何でしょう?」


「エテルナに作ってあげた甘いパン、私にも作って貰えないかしら?」


「え?」


「エテルナは冒険者時代の後輩なのよ。この間アイゼンに向かう途中に寄ってくれたんだけど、あなたの料理の話も出てね…。」



シンシアさん、お前もか。


っていうか、エテルナさんも精龍亭の話をしたなら閉めた理由も話してくれればよかったのに…。



「なるほど。そういうことですか。その代わりと言ってはなんですがお願いがあります」


「何かしら?」


「時々で構わないので、キッチンを使わせていただけないでしょうか」


「そんなことならお安い御用よ」


「それでは早速ですが、パンはいつ作ればいいですか?」


「明日のお昼頃はどうかしら?」


「わかりました。それでお願いします。」



若干面倒なことが増えたような気がするけど、キッチンを貸してもらえるなら、結果としては十分だろう。

フレンチトーストだって、新たな食材を試しながら作ればいいんだ。

そうと決まれば市場に行かないとな。

あっ、その前に冒険者ギルドか。




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