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説得



翌日。

ガンマさんとリーザさん、そしてアイゼンの幻陽の3人に集まってもらった。

2年間の宿屋の休業と冒険への了承を得るためだ。


俺たちが宿屋を継いで半年だが、この人達の協力がなければ成り立たなかった。

だから全員に休業することを納得してもらわなければ失礼にあたると俺とセレナは考えていた。



「ガンマさんにリーザさん、そしてアイゼンの幻陽の皆さん、昨日はセレナがご迷惑をおかけしてすみませんでした。

今日はそのことで重要なお話があって集まっていただきました」


「何よ、急に改まって。昨日のことならもう済んだことじゃないの」



俺の謝罪に、セレナを助けてくれたエテルナさんが言葉を返してくれた。



「確かにエテルナさんのおかげでセレナは助かりました。そして、俺たちはあの後話し合いました。セレナのこと。これからの俺たちことを」


「それで?」


「俺たちは強くなろうって決めました」


「どういうこと?」



ここまでは俺とエテルナさんしか喋っていない。他の人達は静かに状況を見守っているような、そんな感じに見える。



「勝手なお願いですみませんが、これから2年間宿屋を休業して、俺たちは強くなるために冒険に出たいと考えています。今日はそのお許しを頂きたいんです」




………。




「何で強くなる必要があるんだ?」



長い沈黙の後でガンマさんが言葉を発した。



「俺とセレナはまだまだ若く、そして未熟です。今後もまた襲われないとも限りません。その時に自分のことは自分で守れるように、それが無理でも2人でお互いを助けられるように、それぞれが強くなろうと思ったんです」


「よく言った、シーマ! 俺は賛成だ」



今まで黙ってたフォルティスさんが認めてくれた。隣りでエテルナさんとオルテガさんも頷いているので、アイゼンの幻陽3人の了承は得れたのだろう。

と、そこでガンマさんも口を開いた。



「そもそもの話だが、シーマ…」


「はい?」


「この宿屋はもうお前ものだ。お前の自由にしていいんだぞ。そして冒険のことだが…、こちらからお願いしたいくらいだ。セレナ自身、そして君自身を強くしてくれ」


「ありがとうございます」


「そして俺ら夫婦とこの街を守って欲しい」


「ガンマさん…」


「何だ? 急に怖気付いたか?」


「いえ。2年後、俺たちは必ず強くなって帰ってきます。その時は俺とセレナの結婚を認めていただけますか?」


「別に今からでも…『わかったわ。その時は派手に結婚式をしましょう』」



おーっと、急にリーザさんが割り込んできたな。この夫婦の力関係が自ずと理解出来てしまう。

話の流れとはいえ、この場で結婚の了承まで得れたのは大きいな。



「よかったなセレナ。認めて貰えたよ」


「お父さんお母さん、ありがとう!」



セレナに声をかけるとホッとした表情で両親に感謝していた。



「皆さん今日はありがとうございました。精龍亭は休業することになりますが…『ちょっと待て、シーマ』」


「えっ?」



俺がこの場を締めようとしたところで、フォルティスさんからストップが入ってしまった。何だろう? 今更ダメとかナシにしてよねー。



「俺...というか、俺達からのお願いを聞いてくれ」


「何でしょう?」


「明日でいいから、出発前にお前の料理を食べさせてくれ」





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