帰宅
セレナが帰ってきた後、挨拶もそこそこに部屋へ戻して休んでもらった。
話は後でも出来る。
今は少しでも落ち着いてもらいたい。
「エテルナさん、セレナを助けていただきありがとうございました」
セレナを部屋まで送った後、急いでロビーまで戻ってエテルナさんに感謝を伝えた。
「たまたま近くにいてよかったわよ。セレナは可愛いから狙われたのよ、きっと。
でも安心して。襲ってきた奴らは衛兵に突き出してきてやったから!」
「本当に助かりました。エテルナさんがいなければどうなってたことか…」
そう考えるとゾッとする。
セレナに万が一のことがあったら、両親の時のこともあるので、自分がどうなっていたかさえ想像すら出来ない。
「セレナは芯が強いからもう大丈夫だとは思うけど、気落ちしてたから励ましてあげてね」
「男を見せろよ、シーマ」
…何だろう。
今のフォルティスさんに言われたくない。
「あらー、フォルティスも人のこと言えるのかしら?」
「うるさい。シーマよりマシだろ!」
「ふふふ(笑)」
あー、
何かこの2人の力関係がわかるわー。
フォルティスさん頑張ってー。
あっ、でもさっきビンタ食らったからな、仕返ししとこ。
「俺もここで一発、フォルティスさんの男らしいところ見たいですね」
「わかった、シーマ。外に出ろ!」
「いやいや、冗談ですよ(笑)。大体これから外で何するんですかー」
「そうよ、フォルティス。シーマはこれからセレナの部屋に行くんだから」
「えっ?」
「チッ!」
「えっ、じゃないわよー。セレナのことだから、きっと強がったんでしょうけど、本当はすごく不安でツライはずだよ。こっちはいいからシーマ行ってきな」
エテルナさんが言うのだから、そうなんだろうな。
幸い宿屋の業務もほとんど終わっているので、何かあったらエテルナさんたちが教えてくれるだろう。ここはお願いすることにして俺はセレナの部屋へ行こう。
「わかりました。俺はセレナの元へ行ってきます」
「おう。しっかりやれよ」
何故かフォルティスさんが返事してきたことに納得がいかないが、ここでコントしてる暇はないので、そのままでロビーを後にする。
だが、セレナの部屋へ向かう俺の足どりは重い。
これから俺たちはどうするればいいのだろう。
またセレナが襲われないとも限らないが、俺がずっと買い出しに行くわけにも行かない。
いろんな意味で俺たちはまだ若く。
そして中途半端だ。
このままでいいのだろうか。
そんなことを考えてるうちに、気が付いたらセレナの部屋の前まで来ていた。
1人で考えていても始まらないんだ。
まずはセレナと話して、それからだ。




