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襲われる



宿屋を継いで半年が経った。



朝食のみの提供にもだいぶ慣れ、夜には解体したり料理する時間が出来るようになってしばらく過ぎた頃。



事件は突然起こった。





「シーマ、大変だ! セレナちゃんが襲われた!」


「えっ? どういうことですか? 」



フォルティスさんが精龍亭に勢いよく駆け込んで叫んだ事に対して、俺は事情が飲み込めないでいた。



「買い出しの帰り道を冒険者に狙われたんだ。幸いなことに、セレナちゃんが魔法で応戦してる時に、近くを通ったエテルナに助けられたらしい」


「それでセレナは無事なんですか? 今どこにいるんですか?」


「あぁ。軽い傷を負ったらしいが、無事だそうだ。もうすぐ帰って来るだろう」


「そうですか...」



そう言いつつ理解しようとしても、頭が真っ白になって何も考えられない。




『パシン!!』




気が付いた時には、頬を張られたその痛みだけが残っていた。



「しっかりしろ、シーマ!」


「えっ?」


「今お前がそんなんでどうする! 」


「じゃあ、俺はどうすれば...」


「そんなこと俺にわかるわけないだろ!」



えっ?

何それ。

いかん。

マジで突っ込み入れるとこだったわー。

ってか俺、叩かれ損じゃん!!




「ふぅ...」





「そうだ。そうやって落ち着いてよく考えてみろ」



言われるまでもなく、お陰様?!でちょっとだけ落ち着きましたよ。



買い出しかー。

最近ずっと任せっきりだったな。

少しは交代するとか、やりようはいくらでもあったのに。

今更気付くなんて情けないよな。


でも、過ぎてしまったことについて何を言っても始まらないんだ。



「まずはセレナが帰ってきて、無事を確認したい。全てはそこからです」


「そうだな。エテルナが付いてるから今はそれでいいが、その後はシーマ、お前の役目だぞ」


「はい。わかってます」





そうこうしてるうちに外が騒がしくなってきたので出てみたら、夕陽に照らされるようにしてエテルナさんと微妙な笑顔を浮かべたセレナがいた。




「おかえり、セレナ」




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