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転生1

「あら、椎名守さんお目覚めですか?」


「え?」


見慣れない真っ白な空間には、この世のものとは思えないほどの絶世の美女が立っていた。


「まだ理解出来てないようですね。しょうがないですよね。いきなりこんな世界に連れてこられたら」


「はぁ…」


それはそうだろ。とにかくこの状況を説明してほしい。


「わかりました。説明しましょう」


「心が読めるのかよ…」


「これでも一応神ですからね。そのくらいのことは容易いものですよ」


驚きを隠せない俺に、鮮やかなピンク髪の美女は当然のような表情で答えた。


「それで俺はどうなった? 確か仕事帰りで車に乗ってたはずなんだけど」


そう、俺はようやく1日の仕事が終わった深夜、車で家に帰る途中、やたら眩しい光を感じたと思ったらココにいた。


「あぁ、それは事故にあう直前ですね。守さんは突然右から現れた信号無視の車と衝突し、残念ながら即死でした」


「マジか…」


「何故か相手は軽い怪我で済んだようですが」


衝撃の事実を淡々とあっけなく言うなー。

自分のこととはいえ、重いな。


「怒ったりしないんですか?」


「そりゃあ、言いたいことはあるけど、もう俺が死んじゃってどうにもならないんだろ?」


「そうですね。ただ、守さんの家族は相手に対して相当怒ってましたね」


そっか。あまり家族孝行出来てなかったけど、こんな俺でも愛されてたのかな…。そう思えるだけで少し救われる気がする。


「だから、可哀想な死を遂げたあなたなら転生させてあげてもいいかなって思ってココに呼んだんですよ」


「異世界転生ってやつか?」


「そうです、それです。ラノベのテンプレってやつです。理解が早くて助かります」


「わかった。それで頼むよ。でも体育会系じゃないから、いきなり魔王倒してってお願いされても困るけど」


「さすがにそれはないですよ。モンスターはたくさんいますけどね。剣と魔法で何とかなります」


何とかなるって…雑じゃね?

でも、剣はともかく魔法って憧れるなー。子供の頃に戻ったみたいだ。


「確かに雑かもしれませんが、そのために守さんに私から加護を与えることで生き続けてもらおうかと」


そうだった。

心が読まれるんだった。

それにしてもこの神様キレイだよなー。加護は要らないから、女神を異世界に連れていきたい。


「それは無理ですね。転生とか少しくらい世界への干渉は出来ても、入り込めないんですよ。気持ちは嬉しいですけど…」


やっちまった!


余計なこと考えたせいで加護がなくならないといいけど…。


ん?この女神少し顔が赤くなった?

照れてんのかなー?そんなわけないか。


「そうです。そんなわけないです。私はそんなにチョロくないです。あまり言われ慣れてないだけで…」


いやいや、チョロいじゃねーか。

でも連れて行けないならまぁいいや、話を進めよう。


「それで転生先や加護は選べたりするの?」


「ごめんなさい。転生先はすでに決まっています。加護については少し選べますが何かほしいものはありますか?」


転生先は選べないのかー。

それなら鑑定とアイテムボックスは基本として、その他の魔法属性をいろいろもらおうかな。それならつぶしがききそうだ。


「わかりました。そのくらいなら問題ありません。転生先のことはお聞きになりますか?」


「うーん…。一応聞いておこうかな。予備知識があるのとないのとでは違うだろうし…」


「守さんが転生するのは、両親を亡くしたショックで気を失った少年です」




「えっ?」


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