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僕のギャングロード  作者: 絵濡威 毛御
20/20

案内

 ザイカンの後に続き、家族ファミリーのみんながゆっくりと歩く。

 翔陽も歩き始めは武者震いでフラフラと歩いていたが、ザイカンのほぼ虐殺と見間違えるほどの相手との力の差を見て、不思議と安心感を覚え、武者震いもいつの間にか止まっていた。


「な?大丈夫だったろ?」


 エラは先程まで震えていた翔陽に向かってそう言う。


「そ、そうですね・・・想像よりザイカンさんが強すぎてびっくりしてます」

「まぁじぃは元々・・・」

「?」


 エラはそう口をつぐみながら、うっかり何かを言いかけるが言うのを止める。

 翔陽は不思議そうにエラを見つめるがまぁそんな事もあるかとあんまり気にしていない様子をエラへわざと見せる。


「エラの姉御!」

「おん?どうした?」


 みんなの周りをうろちょろしていたジャイルがニコニコ笑顔でエラに話しかける。


「ここからちょっと行ったところに強そうな奴がいるんで行ってきて良いすか?」


 ジャイルはそこらにいるチンピラよりも強い敵を見つけ、エラに許可を取りに来たらしい。


「おぉそれは・・・」


 エラはジャイルの頭に手を伸ばし始める。ジャイルは撫でられるかと思い笑顔で目を瞑る。


「あたしに譲るべきだろ!!」ドゴン!!

「ゴペっ!」


 しかし伸ばした手は握りこぶしに変わり、ジャイルの脳天にカナヅチのように振り下ろされる。

 まるで天からの裁きのようにジャイルを地面に叩きつける。

 その緊張感が無い様子を見て、街を覆い尽くしている雑兵たちはさらに足がすくむ。


「じゃ!エラの姉御!俺行ってきます!」

「あ!おい・・・まったく」


 ジャイルは先程の拳骨を受けても何事も無かったかのように、そそくさと路地裏へと姿を消す。

 エラは止める素振りを見せ頭をガシガシと掻くが、翔陽が見たその表情は少し笑っているように見えた。


「さてもうちょっとで翠のシマだぞ〜」

「意外と早く着いたの」


 いつの間にか翠の島?に着いていたらしい。ザイカンはもう少し時間が掛かると思っていたのだろうがあまりにも一方的な力の差を見せつけられ、途中から立ち向かう人すらいなくなっていた。


「・・・」


 翠のシマを少し歩いていると1人の男が棒立ちで立っている。

 先程のチンピラ達とは違う雰囲気を漂わせる男。髪が月明かりに照らされ綺麗な金色に輝いている。


「・・・赤獅子組(イラトゥスファミリー)の皆様でしょうか?」


 気だるげそうな声でそう聞く男。


「そうだ!あたしがエラだ!」


 エラは自信満々に手を組み高らかに自己紹介をする。


「・・・そうですか・・・こちらへどうぞ・・・」


 男はそう言うとエラたちに猫背の背中を見せ、ゆっくりと歩く。


「おう!」


 エラはその後を当たり前のようについて行こうとするが翔陽が止めに入る。


「いやいやちょっと待ってください!」

「あん?なんだ?」

「明らかに罠ですよ!?」


 翔陽の意見はもっもとだ、普通に考えてこんなに怪しい誘いに乗る人は居ないだろう。しかしエラは


「だから?」

「・・・だからって・・・はぁ分かりました」

「あたしの事分かってきたじゃねぇか」


 エラは翔陽の頭をガシガシと撫で、翔陽は何を言っても無駄だと思いため息を吐きエラの後ろをついて行く事にした。


「まぁ大丈夫じゃよ翔陽くん」

「ザイカンさん・・・」

「何かあってもわしが守るからの」

『「わたし」「私」たちもいるの』

「ありがとうございます、モンモンとカンカンもありがとね」

『ん』


 怪しい男のゆっくりとした足取りについて行く。

 歩き始めて20分程経っただろうが明らかに周囲とは違う建物が見えてくる。


 目をつぶりたくなるほどに輝いている建物。

 建物と言うより、まるで小さなテーマパークのような遊ぶところが沢山ある場所にたどり着く。


「・・・こちらが翠幸狼組ヴィリディス・イクスファミリーの本拠地・・・ドリームランドです・・・こちらの乗り物にお乗り下さい・・・」


 そう言われ、気だるげな男が指を指した乗り物は、一人乗り用のトロッコ。


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