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僕のギャングロード  作者: 絵濡威 毛御
18/20

全敵

 モンモンとカンカンが手紙を読み終わり『ムフー』とドヤ顔で翔陽の膝へと飛び乗る。

 手紙の内容を知った翔陽は明らかに動揺している。手紙にはこのシマの実に8割の人たちが傘下に加わったということが書いてあったからである。


「は、8割って・・・どんくらいの人数になるんですか・・・?」


 翔陽は恐る恐るザイカンへ聞く。

 ザイカンは「そうじゃのぅ」と一息置いて


「大体7万人くらいかの?」


 ザイカンはほのぼのとゆっくりと答える。

 そんなザイカンとは反対に翔陽は更に焦る様子を見せる。


「7万人!7万人って!どうするんですか!」

「まぁなるようになるだろ」


 エラの余裕の言葉にみんなも「そうそう」「そうじゃな」『大丈夫なの』と続く。


「いや・・・いやいや7万人ですよ!?無理です!絶対!」


 翔陽はそんなみんなに対して無理だと言い切る。普通に考えれば7万人対6人なんて英雄と言われた如何なる偉人達にも覆せるはずのない圧倒的な戦力差だからだ。


「そうだ!今からでもさ・・・んかに・・・」


 翔陽がそう言いかけた途端エラは翔陽を威圧する。

 そして椅子から立ち上がり翔陽に近づき、ゼロ距離にまで顔を近づける。


「あたしは自由に生きたい」


 エラのこれ以上ないシンプル意思、しかし翔陽は固唾を飲み込み食い下がる。


「で、でも・・・7万ですよ!僕がなんとか・・・なんとかしますから!どうかやめてください!」


 翔陽は鬼気迫る表情でエラとみんなに訴えかける。

 もちろんなんとかするとは言ったものの策など考えていない。今この人をこの人たちを止めるためだけに出た言葉だ。

 しかしエラも引き下がらない。


「だ〜か〜ら〜あたしは自由に生きたいんだ!」

「だからって・・・」

「ショーヨー・・・あたしがここまで言ってんのに何が怖い?」


 翔陽はそのエラの質問にぽつりぽつりと涙を零しながら答える。



「あなたを・・・あなた達を失いたくない・・・死んで欲しくないというのは・・・怖がってはいけないことですか・・・?」



 翔陽にとってはあの地獄からすくい上げてくてた命の恩人で、誰も呼んでくれなくなった翔陽の名前を呼んでくれた人達で、翔陽が笑顔でいられるやっと手に入れた暖かい家族なのだ。


 その人たちが今、目の前で自らの命をドブに捨てようとしている。


「・・・あなた達が死ぬくらいなら・・・僕は死んでもいいんです・・・あの時本当は死んでましたから・・・だからせめてあなた達だけはどうかお願いします・・・生きてください・・・」


「ショーヨー・・・」


 エラは翔陽に近づき


 頭の上に手をぽんと乗せ、頭を撫でる。


「あたしは死なねぇよ!誰が殺そうとあたしは死なねぇ!」


 エラのその言葉に便乗してみんなも次々と翔陽に声をかける。


「わしもそう簡単に死ぬほどやわじゃないぞ」

「子分にそんな心配されほど俺は落ちぶれちゃいねぇよ!!」


『ショー兄「わたし」「私」たちも死なないの、だから泣かないで』


 モンモンとカンカンも下を俯きながら泣きじゃくる翔陽の頬を2人で触りながら言う。


「で、でもぉ・・・」

「あ〜!うるせぇな!ショーヨーこっち向け!」


 エラが初めて会った時のように翔陽の顎をグイッと掴み目を合わせる。


「あたしは弱いか?」

「・・・」フルフル

「あいつらは弱いか?」

「・・・」フルフル

「そうだ、あたしは最強で無敵で1番強いそしてこいつらはそんな最強なあたしの赤獅子組イラトゥスファミリーだ」

「・・・」

「それはショーヨーお前もだ」

「・・・だから・・・なんなんです・・・?」


「こんなもん優雅に散歩気分で乗り切るんだよ!」


 そんな意味不明に等しいエラの発言に翔陽はポカンとした顔になる。


「・・・ふふ」


 しかし翔陽はそんな自信満々なエラの姿を見て、不思議と不安が和らぎ笑いがこぼれる。

 その笑いにエラがニヤッと笑みを見せる。


「エラさんはいつも眩しすぎますね、ふふ」

「そうだ、お前は笑ってれば良い」


「よし!お前ら聞け!」


 エラの掛け声に呼応して、みんながエラの方へと体を向ける。


「外にいる奴らは全員敵だと思え!けれどあたしたちは死なない!翔陽が悲しむからな!」

『ショー兄泣いてたの』

「・・・当たり前ですよ・・・ごにょごにょ」

「まぁそんな心配しなくても死んだ奴はあたしが殺す!」

「・・・えぇ〜?」「エラ嬢それは無茶じゃって」「エラの姉御なら出来ますよ!!」『アホが2人』


「よし!気合いは十分だな!じゃあ!」




「夜まで待機!」

『えぇ〜??』

「そりゃそうだろ〜まだ明るいから外にカタギの人たちいるし・・・」


 こうして夜まで時が過ぎていく。

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