深緑の粉
ザイカンが懐から取り出したのは小袋に入った綺麗な深緑色の粉。灯りに反射してキラキラと輝いている。
「なんだそれ?ヤクか?」
エラがザイカンから小袋を受け取り、プラプラと振りながら聞く。
ヤクと言えば白い粉というイメージが強いのだがあんな綺麗な色のものもあるのかと翔陽はチラチラと料理を作りながら見る。
「最近若いもんに流行っとるそうじゃよ、インテゲルと言うらしいの」
「ほへ〜効くのか?」
「効くらしいが・・・辞めておいた方がいいかと思うぞエラ嬢」
「なんで?」
「これはの・・・」
とエラから小袋を取り上げ、ゴミ箱に捨てるザイカン。そしてインテゲルの説明をし始めた。
「中毒性が他と段違いで強いんじゃよ、1回でも使うともう後には戻れなくなるらしい、わえはそんなエラ嬢見たくないぞ・・・」
真剣な眼差しでエラさんを見るザイカン。
翔陽も短い付き合いだがそんな薬に依存するエラなんて見たくないと顔をしかめている。
「まぁ安心しなって!あたしはそんなもんに手出さなくても毎日楽しいからな!」
「他のみんなも渡されても捨てるのじゃよ?」
「分かりました」
翔陽はそもそもそんなもの怖くて手が出せないよと心の中で思う。
「さて!こんな変な薬の話より酒飲も〜ぜ〜!」
「あのエラさん・・・」
「あ?なんだ?」
「・・・昨日エラさんが全部飲みきってました」
「お、そうか!じゃあショーヨー買ってこい!」
「はぁ・・・先にせめてご飯食べてからにしましょ?ほらもう出来ますから」
「じゃあ早く出してくれ!」「ショーヨーくんわえもお腹空いたぞ」「俺もだ!」『お腹ぺこぺこなの』
みんなキラキラした目の子供のように椅子に座り翔陽の料理を大人しい犬のように待つ。
翔陽はミネストローネもどきを皿に盛りみんなの目の前に置き、ガーリックトーストは大皿でテーブルの真ん中に置く。
「おぉ今日も美味そうだな!ショーヨー!」
「ありがとうございます」
みんな黙々と食べ始める。正直上手くできたか不安そうに翔陽がみんなの顔を覗く。
『・・・・・・』
「あの〜どうでしょうか・・・」
『・・・・・・・・・』
「あの〜」
『おかわり!!』
「あ、はい」
どうやら杞憂だったようだ。その後もみんな何も喋らずに食べ、寸銅1つ分と沢山作ったはずなのだが全部なくなってしまった。
翔陽はほくほく顔でみんなの食べた後のお皿やスプーンを洗っている。
「いや〜美味かった」
「もう料理番はショーヨーくん以外ありえんな」「まぁ当分子分の役目だな」
「任せてください、こんな事で喜んで貰えるならいくらでもやります!」
『なんかショー兄・・・』
「ん?」
『ママみたいなの』
「・・・そうですかね?」
そうモンモンとカンカンに言われ、ちょっと嬉しいような違うと言いたいような複雑な気持ちになる。
まぁ2人がそう言ってくれるならそれで良いのかも。
「確かにな!ショーヨーは良いママになれると思うぞ!」
「やめてくださいよ、ほらモンモンカンカン早く寝るよ」
「ほらママやってる」「子分が2児のママやってる」「似合っとるぞ」
『あっはっはっ!!』
みんなでひと笑いした後にカンカンとモンモンを寝かしつけるために上にあがる。
2人は2人っきりでも寝れるらしいのだが、翔陽がこの家に来た日からずっと一緒に寝ている。どうやら翔陽と一緒の方が落ち着いて眠れるらしい。
『ショー兄』
「どうしたの?」
『またお話して欲しいの』
「分かったよ」
そう言いながら翔陽は前の世界の絵本の話を聞かせる。
今回はヘンゼルとグレーテルの話をする、少々うろ覚えだがそれでも2人は喜んで聞いてくれる。
話をし終わると
『お菓子の家・・・住んでみたいの』
「確かにあったら素敵だね」
『ショー兄も一緒に住むの』
「うん」
『ずっと一緒にいるの』
「うん」
『ずっと・・・ずっと・・・スースー』
こうして部屋が静かになる。
「おやすみなさい」
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