薬
今日はギルドへ依頼を受けるために翔陽一人で街を歩いている。
最近ここの生活に染まっては来たが昼間は普通の街な分、明らかにおかしい人はおかしいと分かる。
例えばあそこで今揉めている2人組、普通の喧嘩のようにも見えるがよくよく野次馬に混じり話を聞いていると
「てぇらにみてんら?けんかうえんのか?」
「おらぁ!ナニいってんのかぁわかねぇよ」
そう2人とも呂律が回ってないのである。
回ってないどころかな〜んか様子が変な気がする。ふわふわした動きをしているが酔っ払ってるというかそんな感じでは無い。目の焦点もあっておらずどこを見ているのか分からない。
「こら!お前ら!何してる!!」
と野次馬をかき分けてこの街の騎士団がやってきた。最近気づいたのだがこの街にも騎士という存在がいるらしく“一応“街の治安を守っている。
とはいえ騎士団と言ってもほぼ自警団のようなもので一応この街にも領主様がいて、その人から活動資金をもらいこうして活動しているぞとの事。Byザイカンさん。
「早く歩け!詰所で話聞いてやるから!!」
「うるねぇ!おらばだいじょぇべだ!」
2人は暴れながら連れて行かれる。
なんであんなに暴れていたんだろう。よく分からないが関わることがなさそうだから、翔陽は当初の予定通りギルドで依頼を受けて帰ることにした。
ギルドの中へ入ると外より一層野蛮そうな人が多くなる。
服装から目つきまで尖った人がめちゃくちゃ多い。しかしギルド内は暴力、恐喝などが禁止事項なので多少安心だ。まぁちゃんと守る人がいるとは思っていない。
「おはようございます、ショーヨーさん」
「あ、おはようございます」
こう挨拶をしてくれるのは、ギルドの受付嬢のアイさん。
エルフ族の女性らしくて耳が長く金髪のロングのものすごく美人だが過去にギルド内でしつこいナンパに会い、とんでもない魔法をぶちかました事があるらしく今となっては誰も絡まないとの事。
それでも丁寧な対応をしてくれるので助かっている。
「なんか良い依頼ってありますかね?」
「・・・良い依頼ですか・・・これなんてどうでしょう」
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依頼書
依頼内容 うちのガキ共に出来るだけ精巧な人形を作って欲しい。ドラゴンとかお姫様とか勇者とかそういうので。
報酬 金貨2枚+物の出来に対して報酬上乗せ
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これなら翔陽はスキルでなんとか出来そうだと考える。
「・・・これいつにどこ行けば良いですか?」
「明後日の昼頃にここのギルドへ依頼者本人が来るそうです」
「分かりましたこれにします」
「はい、では2日後の昼頃にまたお越しください」
「では失礼します」
翔陽はそのまま自分の家へと帰る。
帰る道の途中でまた変な人達を見かけるがどうせ騎士団が来るだろうから別にいいやと思い素通りする。
「ただいま帰りました〜」
家に帰るとエラしかおらず他の家族(人達)は出かけていた。
「お〜おかえり良い依頼はあったか〜?」
「あったんですけど明後日のお昼過ぎになんで時間空いちゃいます」
「まぁ最近仕事詰めてたしたまには休めや、それにしてもなかなか様になってきたじゃねぇか」
「そうですかね?」
「おん、なんか余裕が出てきた感じがするぞ!」
エラにそう言われちょっと嬉しくなる翔陽。なんだろう認められた感じがするというかなんというか、とにかく嬉しい。
そういえばエラに最近変なやつが多いこと言っといた方が良いのかな?と翔陽は少し悩む素振りを見せる。
「そういえばエラさん」
「あん?どうした」
「なんか最近街に変な人が多い気がするんですよね、酔っ払ってる訳でもないのになんかテンション高くて呂律回ってない人が」
「あ〜それあれだろ・・・」
「あれ?」
エラは何か心当たりがあるようで椅子を子供がよくやって事故っている後ろ足上げて、前足上げてを繰り返しながら答えてくれる。
「ヤク中だろ」
「ヤク中・・・」
「おん」
「ヤク中って薬物中毒者ですよね・・・」
「おん」
「前まであんなに街にいましたっけ?」
「知らね、まぁ路地裏入ったらいるんじゃねぇの?」
「・・・そうですか、自分の勘違いかもしれないです」
「まぁ関わることねぇからどうでもいい、それよりショーヨー飯作ってくれ」
「あ、はい」
こうして翔陽は台所へ立つ。
拾われた日からいつの間にか翔陽はこの赤獅子組の料理番になっていた。元々自分でご飯を作っていたのもあり、人並みには料理が出来るとのことで料理番を任された。
「ショーヨーまだか?」
「まだ30秒も経ってないですよエラさん・・・」
「は〜や〜く〜」
「はいはい・・・」
さて何を作ろう、ミネストローネもどきとガーリックトーストにしようかな、丁度こっちの世界の材料もあるしその2つに決めた。
『ただいまなの〜』
「あ、おかえりなさい」
「おかえり〜」
カンカンとモンモンが帰ってきたと思ったら、台所にいる翔陽の傍へトテトテと寄ってきて
『ショー兄、ご飯出来てるの?』
「まだですね・・・」
『いつできるの?』
「まだかかりそうですから、ちょっと待っててもらって良いですか?」
『なの・・・』
モンモンとカンカンの2人のしょんぼりを見たら、なんか可哀想になってきたので出来るだけ早く作る事にした。
「エラの姉御!今帰りました!」「わえもただいまじゃ」
「おうおかえり」
「おかえりなさい」
『じいおかえりなの』
「俺は!?」
ザイカンとジャイルも帰ってくる。
ザイカンとジャイルはペアで仕事をしているらしく、街の外の魔物を倒してギルドへ卸している。
魔物とは魔石と呼ばれる特別な石が体に埋め込まれている生物だそうで、知能を持った魔物を魔族というらしいがそこら辺は正直よく分からない。
とにかく危ない仕事ということだ。
「そういえばエラ嬢」
「あん?」
「さっきギルドの外で渡されての」
そう言ってザイカンが取り出したのは小袋に入った綺麗な“深緑色の粉“
これから頑張っていきますので、面白いと思ったらブックマーク、評価をよろしくお願いしますm(*_ _)m




