重井沢へ出発! 〜そして新たなる試験〜
さて、今日から合宿だ!
桐原先輩に林先輩!佐野に左湾と一緒の予定だったんだけど…
『やっほう!よろしく!』
なんでこいつもついてくるんだ!神村 幸!!
『それでは今日からこの6人で重井沢にいくぞ!』
神村だけ俺の秘密を知っちゃった人なんだ……何を言われるか分かんない。慎重に行動せなば。
『先生の車で行きます!今日からよろしくお願いします!及原先生!』
そういえば初登場だったな。帰宅部顧問の及原先生!もうすぐでアラサーの独身女性だ。
『それじゃあ飛ばすわよ!』
先生の車は8人乗りだ。とてもありがたい。
そして僕たちは重井沢へ出発した。
早速神村が話しかけてきた。
『ところでさ陸斗くん。なんで長袖なの?』
ぎくっ。いきなりかよ。
「ほ、ほらまだ寒いし。それに僕腕ヒョロヒョロだから人に見せたくないな〜なんて……」
『不良3人ぶっ飛ばしておいて?』
「あ、あれは偶然だよ」
『陸斗不良3人たおしたの?』
佐野が反応してきた!
『そういえばドッジボールも玉早かったよね』
「あ、あれはね、一回だけだったでしょ?たまたまなの……あはは」
『ふうん』
佐野がへえと言わんばかりに頷いた。
『うふふ』
やはり危険だこの女。
『なんだなんだ!陸斗モテ期か?やるなあ』
「ちょっと桐原先輩までやめてくださいよ〜!」
『うふ、うふふふふ』
林先輩も笑い出した。
『なぜお前だけなんだ。そのモテ期半分よこせ』
左湾め!
『お前は無理だ』
佐野がぼそっと言った。
『なんだとやんのかツンデレ女』
『はあ!?私まだデレたことないよね?』
『お前みたいなタイプは必ずデレるんだ。見りゃわかる』
『くっそ……だからモテねえんだよ洋介!』
『ふっ余計なお世話だな』
なぜか口喧嘩しだしたぞこいつら。しかも内容が中学生だくだらねえ。
「おいおい変なことで喧嘩すんなよ」
「うっせえ」『うっせえ!』
やれやれ。こいつら仲良いんだが悪いんだが。
とそうこうしてるうちにそろそろ着く頃だぞ。重井沢!
『みんな!着いたわよ!』
わあああ!初めてきたけどいいとこだ!
「そういえばどこに泊まるんですか?」
『それならコテージを2か所用意したわ!ここで男女分かれて泊まるわ!』
なんか楽しそうだな!つい帰宅部の合宿だということを忘れてしまう。いやそもそも何するんだよ。
すると重井沢から車が遠ざかって行く。あれ……このパターンはまさか……
『では!今日やることはね!ここから重井沢のコテージまで携帯無しでたどり着くこと!』
「またかよ」
『いや!前回とは少し違うな!前は未知から既知だったが今回は未知から未知だ。難易度は高くなるぞ』
「なるほど……」
『それでは前回同様緊急連絡用携帯だけ渡しておく。本当に困ったらこれを使うんだ。今回は先生につながる』
まあいい。前回でわかったことがある。そう人に聞けばいいのだ!簡単だ!重井沢だし人も沢山いるはず!
だがこの時陸斗は知らなかった。この課題の本当の恐ろしさを……