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田舎の根暗大学生、陽キャに絡まれる  作者: 古月湖
第一章
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1-1 夢と希望がいっぱいの大学初日

 朝、玄関の姿見で身なりの最終確認をしてから部屋を出た。

 一人暮らしのアパートのさびた階段を下りて少し歩けば、視界いっぱいに田んぼが広がる。

 生まれ育った街からこっちに越して来てはや一週間。そろそろ慣れてきたころだ。

 来た当初こそ見慣れない光景に興奮して見境なく写真を撮りまくったものだが、今になって見返してみれば「なんで撮ったんだ......」という感じなものが多い。


 ていうかほとんどしょうもないものだった。

 コンビニとか道路標識とか撮ってたしね。

 あれに新鮮味感じるとか今までの人生何やってきたんだという感じである。


 と、ちょうどそこで遠くからぴーひょろろろーと鳥の鳴き声が聞こえてきた。

 ハッとしてスマホで時間を確認するが、まだまだ時間には余裕があった。


 本日四月三日は大学の入学式である。

 今日から通うのは地方の県立大学で、学部は経済学部。

 べつにこの大学に強い思い入れがあるわけではなかったが、なんとなく「一人暮らしがしたい」と考えていたらこの大学を見つけた。

 そうしていつしか第一志望として模試の志望校の欄に常に記入するようになり、するとそれを担任に目ざとく言及され、勢いで受験したらなんとか合格。

 そんな一連の流れで現在に至る。


 まったく人生舐めてる受験の仕方だったが、とにかく当初の目的だった一人暮らしが出来ているので何でもいい。

 まあ、あとはそう。

 友達がいれば完璧だ。

 一人暮らしの家に友人を招いて、夜遅くまでどんちゃん騒いで、川の字になって寝る。

 成人すれば酒も入ってもっと騒がしくなるだろう。

 そんな理想の大学生活を想像して、ふっと声がこぼれた。


 そろそろ最寄りのバス停が見えてきた。

 一瞬肩に力が入るが、そこに俺と同じように入学式に向かうような人は見られない。

 まだまだ焦る時間じゃない。ゆっくり行こう。

 心の中でそう唱えつつ、俺はバスを待った。


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