第三話 友達。
引き続き、お読み頂きありがとうございます!心より感謝申し上げます!
では!第三話、スタート!!
ハイハイロードのある道をしばらく歩くと、やがて登り坂になった。そして坂の上には、近代美術館のような、白い建物が見えた。
「あれがお嬢様と士様が通う木広洲学園高校ですよ!」
由水が指差して言った。
「あれが……」
僕は由水の指の先を見た。その先、坂の途中には、ジャンパースカートタイプの制服を着た女子生徒二人組が、一人の女子生徒の両手を引きながら坂を登っていた。
眺めていると、その子たちの会話が聞こえてきた。
「もう!私たちはお相手さんじゃないのよ?ちゃんと歩こうよ!」
「だって、私便秘だったんだもん……分かってよ……」
「わかるけどさぁ……もう足は動かしてよ!学校着かなきゃ、おむつ替えてあげられないでしょ?おむつの中、うんこさんいっぱいで気持ち悪いでしょ?」
その女の子はスカートの上からお尻を押さえて「うん」と頷いた。
「あの子、しちゃったんだ…」
「そのようですね、くうう〜!お相手魂が疼く場面ですねえ!」
「そうなの?」
士は不思議そうに由水を見る。由水は両手を拳にして胸の前に持ってきて震わせていた。
「だって、久々のうんちお漏らしで足ガックガクになられているんですよ?お相手して助けたいじゃないですかあ!」
「それなら、助けてあげれば?」
「それは出来ないんです。お相手仕事と言うのは、他人は当たり前として、必要以上に依頼相手に関わってはいけないのです。人は十人十色、自分にとっては何気ない一言でも、その人にとっては精神を乱すほどの失礼かも知れませんから!」
「そっかぁ……」
この子、世話好きなんだなぁ。士は感心した。
それを答えとすると、電車で、イッたお嬢様にどうすれば良いかを真剣に考えているのも納得がいった。
「うんん、うんんんん〜……」
由水に感心していると、ずっとイッたままだったお嬢様が目を覚ました。起きてすぐにここはどこなんだ?という顔をしていたが、それがベビーカーだと分かると、頬を赤らめた。
それはどう見ても、士にはおめかしした赤ちゃんにしか思えなかった。ほんとは自分と同じ高校生なのに。
「申し訳ありませんお嬢様、お心に恥を感じさせてしまいましたね、本来ならば駅にて私のお役目は終わりでありましたが、気持ちよくお休みになられていましたので、寮までお送りさせていただく事にいたしました。宜しかったでしょうか?」
由水は変わらず恥ずかしがってるお嬢様の前にしゃがんで聞いた。
「ありがたいわ、どうもありがとう。もう起きたから、下がって良いわっ」
「承知致しました。しかしながら、お嬢様がお乗りになっているベビーカーは貸与して頂いたものになります、返却しなければなりませんので、お降りになっていただいてもよろしいですか?」
「ええ、もちろんよっ」
そう言うとお嬢様は手際良くベビーカーのベルトを外して、ピョンと小さく飛んでベビーカーから降りた。終始手慣れていたから、何度も乗っているようだ。お嬢様はドレスを整えると、ポケットから財布を取り出して由水にお金を渡した。
幾らかは後ろに立っていたから分からなかったが、小銭の音はしなかったから意外と高いかもしれない。
財布をしまうと、お嬢様は振り子のように腕を振りながら坂を上がって行った。
由水はベビーカーのベルトを整えると、踵を返した。
「あっ、お相手っ……さん!」
「はい!何でしょうか!お客様!」
「お客様?」
「もう執事としてのお相手は終わりましたから、今はお相手という仕事をする社会人としての話し方です!」
「あぁなるほど……あの、いつか僕もあなたにお相手して欲しい時が来る時が来るかもしれません……その時はどうすればあなたに会えますか?」
「ふふっ!御贔屓にしてくれるんですね!」
由水は口に手を当てて笑った。そして服のポケットから名刺入れを取り出し、その中から一枚を士に渡した。
表面には……
果たせないおむつ欲の置き場、ここにあります。
木広洲町役場公認お相手事務所「アクセプト」
お相手役 大園 由水 (00319)
(お名前言うのが恥ずかしい場合は、併記した
五桁の番号を、連絡時に返答下さい)
と、書かれていて、裏にはその事務所の電話番号が書かれていた。
「放課後や、今日のような学校が休みの日しか学生はご連絡出来ませんし、大人の方からの依頼もあるため100%お会いできるかは分かりませんが、宜しくお願い致します!」
「はい、こちらこそその時が来たら宜しくお願いします!」
そうして士と由水は笑顔で別れ、それぞれの道へと歩いていった。
10数メートルの坂を登った先には、大きなグラウンドと大きな校舎があった。その向こうにはマンションの様な棟が何棟かあった。どうやらあれが寮のようだ。その周りは木々に囲まれていて、自然公園のようだった。おまけに天気も良くて、とてもポカポカしていた。
ふと、人の気配がして隣を見ると、さっきのお嬢様……いや、もうお相手は終わったら、違う。
ドレスに身を包んだ男の子が手を伸ばせば届く距離に近寄ってきて、立った。
士は、それは自分に用事があって近寄ってきたのかと思った。しかし聞こえてきた声は、それが勘違いである事を教えてくれた。
「またおしっこしたくなっちゃった……ドレスだし、日光浴しながらお漏らしよぅっと……」
そう言ってまぶたを瞑り、男の子は足を開いた。
その、足の根本、スカートの向こうから……。
じょろろろろろろろ……
フリフリのドレスには似つかわしくない、勢いの良いおしっこの音が聞こえてきた。
まるで、ポットからコーヒーをカップに注ぐ音のようだった。士は自分の経験から、スカートの中のおむつの様子を想像した。
こんなに勢いよく漏らしたら、きっとおしっこはお尻の方で吸収されるだろう、それに布おむつなら、重たくなって動きにくくなりそうだ。
でも、いかなる状況になっても、この木広洲町内はみんなおむつなのだから、受け入れられるんだろう。
「んっ」
そう考えると、士もおしっこがしたくなった。
そして、我慢せずに膀胱に力を入れ始めた。
チョッ……。士のおしっこ注ぎ口から、で始める
その時だった。
バタンッ!隣から、激しい音がした。あまりに突然で士はおしっこを止めることが出来なかった。
チョロロロロ!
士はおむつにおしっこを漏らしながら振り返った。
そこには、両足を震わせて尻餅をついたドレス姿の男の子が居た。
「あっ、……あっ、あっ」
心配の言葉を掛けたかった。でもお漏らし真っ最中で気持ち良くなっている今では何も出なかった。
「あうっ」
スッ!
遂には、士も座ってしまった。ポカポカ陽気が気持ち良くて、足に力が入らなかったのだ。
「あっ……さっきの……」
男の子が話しかけてきた。
「あっ、あっ……」
士は喘ぎながら、頷いた。
「もしかして、今お漏らししてるの?」
士はまた頷いた。
チョロロロロ!シュッ!
そうしていると、士のお漏らしは終わった。
途端に士の精神は落ち着いてきて、喋れるようになった。
「また、一緒にお漏らししたわ……あっ、もう終わったんだよね………お漏らししたね!」
「はいっ……あの、えっと」
「あ、まだ名前言ってなかったね、ずっとお嬢様になりきってたから……僕は二年生の忍野 愛良君はたしか、おむうつかさくんだっけ?」
「桜村 士です、今日からここに通う事になったので、後輩ですねっ」
「そうなんだ!でも、気軽に話してくれて良いよ?もう二回も一緒にお漏らししてくれたんだから!お友達になりたいしね!」
そう言って、愛良さんは手を差し伸べてきた。
士は、喜んでその手を取った。
「よろしくお願いします!」
「よろしく!でね?早速お願いがあるんだけれど……」
「何でしょうか?」
「今のお漏らしで、足に力がまだ上手く入らないんだぁ……引っ張ってくれないかな?」
握る手が強くなった。
士はその願いを聞き入れようとした。でも……。
「先輩すいません、出来ないです」
「どうして?」
士は、照れ笑いして言った。
「先輩、僕もお漏らしで、足ガックガクなのでっ」
つづく。
第三話、いかがでしたでしょうか?
今後も投稿していきますので、何卒宜しくお願いいたします!