第一話 遭遇。
長年pixiv小説で書いてきて、一度、なろうに挑戦する事にしました!
界隈の方々、宜しくお願い致します!
これは、とある次元の日本での物語である。
ゆとり教育が始まって数年、スポーツ界に始まり、さまざまな業界で突出した才能を持つ若者が出るようになった。
これを受け、政府はゆとり教育を大人にまで広げることを決定。国内全ての企業と連携し、才能次第で上を目指せる社会にする方針を固め、個性を大事にした教育を推し進める事とした。
その影響で、排泄に難のある子供や成人に対し、希望が有れば常時おむつ着用を認める法案が可決された。その他にも、成績優秀で有れば登校を自主的に拒否出来るなど、個を尊重する法案が何十案も通されていった。
話を戻そう。
常時おむつ法案により、排泄に難のある人々や、おむつを愛する人々は、恥じらいなく平然とおむつをして暮らせるようになった。
しかし法律は変われど、人の心はすぐには変わらなかった。
前述した人々を、普通の人々たちは、差別や虐めをるして批判した。いくら国の意思といえど、人の心はすぐには切り替えられなかったのだ。
だが個を尊重へ方針転換した政府としては、そんな反対派を弾圧することは出来なかった。
考えた末に政府は、弾圧のかわりに、ある解決策を実行した……。
それは……。
ガタンゴトンガタンゴトン……。
昼下がり。
人もまばらな電車の中で、桜村 士は右手に持ったキャリーケースが転がっていかないよう壁側で押さえながら、電車の進む先を見ていた。
士は今年で高校一年生になる。両親と妹と四人で暮らしていたが、今年からは家を離れて一人暮らしをする事になっていた。
士としては、それは希望と寂しさが伴った決断だった。
住み慣れた環境から、政府が用意した新しい環境に移る。
どんな町かは政府から届いた通知で知っていたけれど、実際目にするまではやはり不安があった。
士は成績もそこそこ良くて、人当たりも良かった。おまけに目がクリっとしていて、髪が長ければ女子に思われそうな程に顔が整っている。
しかし、おむつをしているせいで友達は少なかった。
「本当なんだよなぁ、本当に、おむつ界隈の人ばかりなんだよね……」
キャリーケースの持ち手を握りしめ、押し寄せる不安へ勝つために言い聞かせる。
そうして不安を吐露していると、車掌のアナウンスが電車内に響いた。
「まもなく木広洲町〜木広洲町〜」
「もうすぐかぁ……」
アナウンスに乗せられて、車窓を見てみる。
電車は、丁度大きな橋を渡って木広洲町に入る所だった。
遠巻きに見る木広洲町は、東側に小高い山があって麓にも森な多く見えた。西側にはそれなりに栄えた街並みがあったが、所々緑が顔を出していた。
橋を渡りきると「ようこそ木広洲町へ」という文字と、デフォルメされた動物がたくさん描かれた看板が見え、瞬時に背後へと流れていった。
「本当に来たんだ……」
士は、初めて町に来たという実感を持った。
そうして迫ってくる街を眺めていると、隣の車両へ続くドアが開き、二人、こちらの車両に入って来た。
「おわっ?」
士は小さく驚いた。
その二人は、近代的な電車に似つかわしくない格好をしていたのだ。
一人は、ピンクを基調としたフリフリのエプロンドレスに、同じ色合いでこれまたフリフリの付いたカチューシャをしていた。
膝上10センチ位の丈のスカートから伸びる足はやや開いていて、白いソックスが太ももまでの足のラインを忠実に見せていた。それは細すぎることもない、健康的な太さと輪郭だった。靴はリンゴのような赤色に、青いリボンの付いたパンプス……。
それはいわゆる、ロリータファッションだった。
足と同じく胴体の線もすらりとしていて、胸は無かった。髪はくるりとしたツインテールをしていて、ツンとした香りがした。どうやら整髪料で固めているらしい。
その匂いが無ければ、中々に可愛い女の子だった。
もう一人も女の子だった。ロリータの女の子より頭一つ身長が高く、執事が着るような品の良い燕尾服を着ていた。髪はさらりとした黒のショートカットだった。
二人は、士の立つドアの前の反対側に立った。
これも、個を大切にするっていう政策から生まれたのかなぁ……めちゃくちゃ可愛いぃ……。
「うーん……」
景色を見るフリをして、士は何度も二人を見たり、耳を澄ました。すると、ガタンゴトンと揺れる音の向こうから、二人の会話が聞こえて来た。
「もう木広洲町の中に入りましたよ?お嬢様、どうされますか?」
どうやら本当に執事のようだ。
「座りたいわ、私、座った時のふわって広がるスカートが好きなの、いいかしら?」
「え?」
士は驚いた。女の子だと思って見ていたロリータ服の子が発した声は、どう受け止めても男の子の声だったのだ。
それも、自分と同年代特有の、まだあどけない声だった。
「なんなんだ?」
もう、士は見ずにはいられなくなった。
「承知致しました。お嬢様?あちらにお座りくださいませ、誰も座っていませんから、思い切りスカートを広げられるかと思いますよ!」
執事らしき(ロリータ服の子が男の子なのだからもうこっちも疑わしい)女の子が、誰も座っていない席へ手を伸ばして、ロリータ服で扮装した男の子を座らせた。
「ありがとう!」
ロリータ服の男の娘は、お尻のあたりのスカートを持ち上げて座った。
フワッ。
フリルが散りばめられたスカートが華やかに舞う。それは士の視線範囲内だった。
「あっ」
瞬間、士はスカートの中を見てしまった。
「え?」
そしてまた驚いた。スカートの中には、まもなく到着する木広洲町では溢れてるであろう光景の一端があったのだ。
フリフリのスカートの中には、同じくフリルがたくさんついた下着があって、ぷっくり膨らんでいた。
界隈の人間である士にはすぐに分かった。
それは、布おむつのカバーだった。
「界隈の人だ……」
士は俯いて、自分のジャージのズボンの、お股の辺りを触った。
スルスルとしたジャージ生地の向こうに、カサカサとした感触が感じられる。
それは士のお尻を包み込んでいる……紙おむつの感触だった。
そう。
士は高校生になってもお漏らしの治らない、木広洲町に来るべきおむつっ子なのだ。
自分のお下が普通じゃない事に気がついたのは、幼稚園に入る前、トイレトレーニングを始めた頃だった。
どれだけトレーニングしてもおむつとは別れられず、結局幼稚園はおむつをして通った。その後は、小中とゆとり教育施行下により特に制限される事なくおむつを当てて通えたが、人の心までは制することは出来ず、友達は殆ど出来なかった。士以外、おむつをして通ってる生徒は居なかったから、浮いていたのだ。
そんな日々を過ごしていた中3の春、政府から通知が届いた。
それは、士のようにおむつが外れない、又はおむつ着用等を趣向としている人々を集めた街ができるというものだった。
士はそれは夢物語にしか思えなかった。
しかし、今、初めて自分と同類と思える存在と巡り合った士の心の中で、夢は現実となった。
「あ、あのっ……」
キャリーケースを引きながら、士は二人へと近づいた。
「すいません、今はお相手制度執行中なので、欲が満たされるまではお話しはやめて下さい」
執事らしき女の子が僕を見て言った。怒っているような、無愛想な目つきだった。
「お相手?」
僕はそのワードに聞き覚えがあった。
たしか、政府からの通知の中にそんな項目があった。
でも読むのが面倒臭くて内容は知らなかった。
「すいません、僕お相手制度の事よく知らなくて、教えてくれませんか?」
「えっ?……お嬢様?そろそろおしっこをされたい頃ですよね?少しばかりお相手を中止してもよろしいでしょうか?」
「えっ……ええっ、へ、平気よっ!寧ろその方が臨界点に到達出来そうだから嬉しいわっ」
ロリータの男の子はそう言うと、俯き、太ももを内側へと動かした。しかし動いたのは膝小僧だけだった。男の子は両手でスカートを抑え始めた。
「布おむつで足閉じれない……嬉しいっ……」
俯いているロリータの口元が緩んだ。
「嬉しいっ……」
「お嬢様、正に例に出すには丁度良い行為をして頂き感謝致します、しばらくの間、迫りくる尿意にお悶え下さいませっ」
執事の女の子はそう言って男の子の肩を抱くと、僕の方を向いて「お掛け下さい」と言った。僕は言う通りにして、執事の隣に座った。
「お相手制度をご説明致しますね?「お相手」と言うのは木広洲町のみに存在する職業の事で、おむつに関連付けた町民の欲を、お相手しながら満たす仕事です」
「そんな仕事があるんですね……」
「決して驚くような事ではありませんよ?おむつが好きと言う趣向は、海外でABDLと名を付けて利権を得ていますし、この国にももう根付いています。そしてABDLという文化圏は様々なタイプの方が居て、それぞれが固く繋がっているんです。しかし、それらの欲の中には合法的では無いものや、一人では恥ずかしくて出来づらいものもあります。そんな、ひた隠しにして来た欲を発散し、満たすのが、私のような「お相手」というものなのですよ!」
「なるほどぉ」
「お相手と一緒であれば、木広洲町内だけですが、殆どの欲が満たせます!この方は、フリフリのドレスを着て、お嬢様扱いされながら、モコモコの布おむつを当てて限界まで我慢し、電車の揺れが膀胱を刺激して一気に漏らしたいと言う欲を話されました。ですので私お相手は、このような口調と格好をしているのです」
「つまり、希望を言えばどんな相手にもなってくれる……」
「その通りです!お分かりになられましたか?」
「はい、よく分かりました」
士はロリータの男の子を見た。変わらず俯き、スカートの上からお股を抑えるその子は、笑いながら、「大きい揺れ来ないかなぁ」と呟いている。
「まだまだ聞きたいことはありますけど、お相手に戻ってあげてください」
「おや?初めてなのに理解がありますね?もしや、あなたもおむつを?」
「はい」と答えて、士はジャージの紐を緩めてズボンを少しだけ下ろし、おむつを見せた。執事役の「お相手」は、興味深そうに見つめると、おむつの表面を撫でて来た。
「まだ乾いてますね」
「電車に乗る前に、トイレで当てたばかりなので」
「これからおもらしするのですか?」
「いえ……」と答えようとした時だった。
「おむつなの!?」
急に、ロリータの男の子が声を弾ませた。
「お嬢様?」
執事が顔を伺った。
「はい、おむつですけど」
「おしっこ、したくなってる?なってるなら、私と一緒におむつ濡らさない?」
「え?」
「お嬢様?先程は揺れでお漏らしをしたいと……」
「確かにそう望んだわ!けれど、今こんな素敵な王子が現れたのよ?一緒におもらしすれば素敵な電車の時間になると思わない?」
「そ……ですね!景色を堪能されながらおむつをお汚しになるのも一興ですね!では、私は何を致しましょうか?」
「私の手を繋いでて?王子様の前でおもらしなんて、ドキドキしちゃうから」
「承知致しました、では、お手を……」
執事はお股を抑えてる男の子の手を両手で優しく握った。
「安心、しましたか?」
「ええとっても!おかげでいつでもお漏らしが出来そうだわっ!あなた、腕の良いお相手ねっ!」
「ありがたきお言葉です、さて、ええとあなた様お名前は…」
執事が士を見て言った。
「桜村 士です」
「つかさ様、お嬢様があなたさまとご一緒におむつをお汚しになりたいと言っています、つかさ様の膀胱に、おしっこは溜まっておられますか?」
士はおむつを上から触ってみた。
いつも二時間に一回程度、士はお漏らしをする。電車に乗ってどのくらい経ったかは分からないが、意識を集中すれば、出そうなくらいのおしっこが溜まっているのが、膀胱から伝わって来た。
本当なら、電車内でおむつにおもらしなんて恥ずかしい。
だがこの町にいる限り、それはお相手という存在に支えながらの、お遊びになるんだ。
友達は出来なくても学校に行き続けられたのは、物心つく前から自分のお尻を包み続けている、おむつがいつも居てくれたからだ。
これからは、そんなおむつへの好意をいくらでも解き放てるんだ。
嬉しい、たまらなく嬉しい!
「はい!おしっこ溜まってます!お嬢様?一緒におむつにおしっこしましょう!」
「ありがとう!では、支度はよろしくて?」
「よろしくて!」
僕は笑顔で答え、下半身へ力を入れた、
「では私も!……おむつ様……全部受け止めてぇっ」
お嬢様は声を弾ませた。
走行音で、お漏らしの音は全く聞こえなかった。しかし……。
「あらあら、お二人共軽快におむつを汚されておりますね!素晴らしいです!」
いつのまにか、士とお嬢様のお股に手を当てていた「お相手」の実況と、感じて来たおしっこの温かさで、お漏らしが成功した事は、身に染みて感じられたのだった。
つづく。
お読み頂き、誠にありがとうございました、
今後も好評であれば書いていこうと思います。
そのような気持ちになるには、皆様方のご感想が必要です。
自分一人では、心が弱く、脆くて、すぐに後ろを見てしまうので……。
どのようなご感想でも構いません、お寄せ下さい!