⑷『うたと、かたりに、ついて』・・・芸術が内包するもの
⑷『うたと、かたりに、ついて』
・・・芸術が内包するもの
㈠
芸術とは一括りに言っても、様々な分野がある。文学、音楽、絵画、演劇、映画、数えだしたらきりが無い。しかし、そう言った、幅広い分野を総括するのが、芸術という言葉であることは確かである。うた、や、かたり、も、芸術に内包される、或る分野である。
㈡
ところで、うた、や、かたりは、芸術の側面と、現実生活の側面が、二重にあることは、述べているが、芸術として、うたや、かたりは、幅広く機能するのである。これは、うたうこと、かたること、が、如何に芸術に密接かということに起因している。文学、音楽に限らず、演劇でも映画でも、その他でも、うた、や、かたりは、機能している。
㈢
ということは、芸術に内包されている様に、思われがちな、うたと、かたりは、見識を変えれば、うたや、かたりが、芸術を内包しているとも言える。これは、些か逆説的で強引でもあるが、しかし、絵画などでも、うたったこと、かたったことが、純化され、抽出され、表現されているのだ。例えば、ムンクの叫びは、確かに叫びである。この様に、うたやかたりは、芸術が内包している様で居て、芸術を内包しているとも考察出来るのである。