水色のスープ
~水色のスープ~
ただ、おだやかで つつがなく
薄明るく 水色のスープのような空の下
細やかな 目線は誰と交わることも無く
繊細な空間で 繊細なきみが
静かに
溶け始めてたんだ 夏の終わりに
ただ、おだやかで つつがなく
~プレミアムなフライデー~
「心地いいんだ~」
揺れるように 歌いながら
きみは 楽しそうに言うの
あまりに幸せそうなもんだから
「そうか、そうか」と
ぼくもつられて 歌い出したの
陽気な街中で フラりと揺れたのは
酔っていた訳じゃないよ ダンスだよ
ここはハッピーなエンドしかない
きみとの舞台さ 楽しいな
~旅立ち~
あたたかな酸素 深刻な呼吸
肺は風船 ぷかぷかと浮かび始めたぼく
「行かないで」
遠くの遠くで 誰かが泣いている
「置いてかないで」
誰なのか もう分からない
目線は彼方 明日の向こう側
まだ見ぬ世界は 希望に満ち満ちている
その時のぼくに
過去を振り返る余裕なんて
無かったよ
~となりの~
真っ暗な部屋 真ん中で笑っている
お前は 誰だ
きみはこんなにも冷たいのに
ぼくはこんなにも息苦しいのに
青みがかった畳の上で
湿った空気が停滞する
黒く塗り潰された天井の下
張り詰めた音が限界だ
赤い口が 静かに笑っている
お前は 誰なんだ