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男女戦争  作者: hb
たどり着いた世界
1/3

0.対話

 『目覚めよ。元少年の魂よ。』


 声が聞こえる。男の声だ。目覚めろと促してくる。その通りにしようとするが、目が開かない。いや、もしかしたら開いているのかもしれない。しかし眼前には闇が広がるばかりだ。体の感覚もない。浮いているような感覚がある。


 『目覚めたね。今はただ私の言葉を聞くだけでいい。今君は、自分の置かれている状況が全く理解できないでいるはずだ。簡単に説明すると、君は死んだのだ。しかも惨い死に方でね。』


 死んだ。そうか、自分は死んだのか。この闇は死後の世界なのか。しかし、惨い死に方をしたという言葉が気になる。自分はどんな人生を送っていたのだろうか。全く思い出せない。生きていたころの記憶は全く残っていない。


 『君の生前の記憶は私が消しておいた。覚えていない方がいいだろうからね…少し簡単に説明すると、君は全く女性に運がなかった。君の生きていた世界の女性すべてが君に不幸をもたらしていたと言っても過言ではないだろう。君が死んでしまった理由も女性が大きく関係しているしね。』


 女性関連か。一体どんな人生だったのかが気になるところだ。しかし、声の主は自分の記憶を消してまで隠そうとするのだ。きっと聞き出すことはできないだろう。


 『さて、君の今の状況だが、今の君は魂そのものになっている。いわば体がない状態…思念だけのような状態だ。まあ、本来なら人が死ねば魂は残らず消滅するんだがね。君だけは特別に私が消滅させないでおいた。どうしてそんなことをしたのかは詳しく説明すると長くなるから簡単に済まさせてもらう。』


 いいかげん、このフワフワした感覚も飽きてきた。もし自分に声が出たのなら、手短に済ませてくれ、とでも言っていただろう。


 『″私たち″はいわば、″世界″の管理をしているものなのだが、私の管理する世界が一つ、滅亡の危機に陥ってしまっているんだ。私が出向かえば他の世界の管理が滞る。そこで違う世界で死んでしまった君を、そこの世界へ転生しようと思ったのだ。』


 要は、声の主の失敗の尻拭いに転生させられるということか。御免被りたいところだが、自分に拒否権はないのだろう。


 『本来なら新たな生命として送りこみたいところだが、悠長に待ってはいられなさそうなのでね。君に今の状況を知ってもらって、転生することにした。だから転生後の君はここで聞いたことの記憶はしっかり残っていることになる。君の役割はただ一つ。世界を救え。これだけだ。そのための力はもちろん授ける。…では検討を祈る。』


 その言葉を最後に、意識が薄れていくような感覚があった。今自分は新たな世界へと転生されているのだろう。自分が以前どのような世界にいて、どのような人物だったのかはわからないが、きっとなんの力ももたない存在だったのであろう。力を授かると聞き、喜びの感情が湧いてきたのだから。


 


 

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